反転授業実践ブログ

反転授業の取り組みその他を周知させていただきます。

久し振りに一斉授業?

2013-06-30 22:16:20 | 日記
 昨日の授業では、40人中38人が動画を見てきていなかったので、反転授業になりませんでした。
数日前から、ここが期末までの山場だからしっかり予習をしてくるようにとふりはしていたのですが、
最後まで見てきた生徒が数名では演習ができずじまいで、一斉授業に切り替えました。
 テストの2週間前には今回のテスト範囲の動画をすべてあげていたんですが、日々の課題に追いまくられる生徒たちは先の動画が見られるほど余裕はなかったそうです。
 とはいえ、テスト一週間前になりました。この週末を利用してたぶん残部の解説を見てきてくれるはずです。
今回は、2次関数の軸移動型の最大値最小値および定義域の区間が移動する型の最大値最小値のところで、なかなか最初は理解
しにくい部分だからこそ、教科書から離れてスペシャル映像も作成した私の思いが強すぎて 、何でやって来ないのかと感情的に
生徒にぶつけてしまった節が授業中にはありました。
 冷静になって考えると、主体は生徒たちなんだから、感情的に伝えるのではなく冷静にできてない状況を受け止めて
対処すればよかったなあと反省。そのことを終礼時に生徒に伝えて、謝った自分がいました。以前なら、やってこない生徒が悪いだけで終わっていたかもしれませんが、反転授業を行っている今年は、授業の主役は生徒だと思うと怒ることよりも諭すことが大切と気付きました。
 それにしても、反転授業は自分のペースで動画が見られるという理屈は通っているのですが、1学期の様子を見ると他教科の課題と小テストが結構あって、余裕で何回も動画が見られるわけでもなさそうです。むしろ演習のペースに合わせて動画を見てきていたのが多数の生徒たちの行動のようです。
 ところで明日も、午前中に他校からの授業見学が予定されています。そのことは生徒に伝えましたが、どのような授業準備をしてきてくれるかは出たとこ勝負です。こんな状況もきちんとお知らせしておいた方がいいと思って、ブログにUPさせていただきました。

  ※ 研究会会員の中西(英語)が「反転授業への道」のブログを書いています。
   英語での反転授業のみならず、いろいろな話題を提供してくれています。
     反転授業への道


授業見学をされた方からアイデアをいただきました

2013-06-28 23:48:57 | 日記
 今週は、東京・岡山からの来訪とそして近畿大学の広報の方の授業見学がありました。
私の授業では、見学をされる方がだまって教室の後ろで見てくださいというスタイルではなくて、
ぜひ生徒に絡んでくださいというスタイルをなるべくとるようにしております。
 まずは、演習時におけるノートチェックも一緒にご覧いただきました。後ほど感想を聞くと、「ほとんどの生徒が
きれいにノートを作っていますね。」という答えでした。生徒各自が、自分で理解しやすいノートを工夫して作っておいでという指示しか出していませんが、これで十分のような気がします。解説動画を見ながら、自分で考えてノートを作らないといけないので、時間は少し多めにかかりますが、明らかに板書を写しただけのノートよりは意味があると思います。
 協働学習では、班の中に入ってどれがどのように質問しているか、どのように解決に至っているか見てもらっています。
自立的な学習者になれば、教える側の目が届かなくても学習してくれます。ここでは、私と同じようにぐるぐる教室を内を見てまわって雰囲気を感じ取ってもらいます。生徒にも見られているという意識があったのでしょうけど、協働学習で積極的に自分たちで学びあう姿勢に感動していただけました。これも4月からすぐにできたものではなく、2か月経ってやっと協働学習にこなれてきた感じがしています。協働だけではなくここで分からない生徒を集めて一斉の解説をしたり先に個別に学習する生徒がいたりとそれぞれが今何をすれば効果的かを考えて動いている部分を見てもらって、授業終了となります。
 リップサービスも多分にあったと思いますが、「生徒があれだけ自立的に学習できるのは素晴らしい。授業が終わったときに
成功だったという証にみんなで拍手でもされたらどうですか。まるで講演後のスタンディングオーベーションのように。」とアドバイスをいただきました。これからは、授業終了時に見学に来られた方に感想を聞くなりして、そのようなパフォーマンスも入れてみようかと思っています。今回は終礼時に、授業見学で緊張したことの労をねぎらうと同時にいただいた感想を述べて、クラス全員で拍手をしておきました。

  ※ 研究会会員の中西(英語)が「反転授業への道」のブログを書いています。
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完全習得学習について

2013-06-27 23:13:01 | 日記
 前回同様に、世界は一つの教室という本に記述されている内容を取り上げたいと思います。
 私が数学で反転授業に取り組んだ目的はずばり完全習得学習(Mastery Learning)を目指すということです。
完全習得学習とは平たく言えばある学習内容を十分に理解した上で、もっと高度な内容に進むべきということだと
書かれています。ベンジャミン・ブルームの提唱している完全習得学習については一度調べてみてください。
いろんなところに記述されていますから。
 完全習得学習はすぐれた教育効果を上げながらも約100年間伝統的な教育の前にあまり広がりを見せていません。
というのは、個別学習の教材費がかさむなどの経済的な理由と単なる惰性(または新しい驚異的なアイデアに対する抵抗)の結果広がることを阻止していると書かれています。
完全習得学習の考え方は、生徒たちはそれぞれのペースで学習し、所定の習得レベルに達した後、次の内容へ進みます。
教師の役割は講師というよりは案内役や助言者です。生徒同士の助け合いも奨励されています。生徒が生徒を手助けするのは、学習面でも人間形成の面でも有効だということも示されています。
 もう一つ、完全習得学習とは別にラーニングピラミッドの知識の定着の考え方も合わせれば、授業(演習)の時間を協働学習にあてることは意味があると考えます。いかがでしょうか?

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世界はひとつの教室 サルマン・カーン著より

2013-06-24 23:09:36 | 日記
 「世界はひとつの教室」という本のなかで、カーンアカデミーの創設者のサルマン・カーン氏はレッスン時間は10分以内でと
書いています。最初はYou TubeにUPするのに初期のころは時間制限があったため、10分以内での製作となっていたようです。が、結果的にこれは正解で生徒の集中力は10分~18分と教育理論家たちが証明してくれていると書かれています。
 私も10分をめどにビデオを作成しております。理由は二つです。
 一つは聞く方の立場からです。自分でもネット上の解説を聞くときに20分以上のときは集中力が続かないと感じます。
 もう一つは製作する側の立場からです。一つ一つの講義は、撮る前にストーリーを考えてそれを流して録画しています。
それは一つの動画を小分けにしているのではなく、短い録画にしている方が撮り直しがしやすいということと、ビデオの形式
(MP4形式を利用しています)を変換するときに適当な時間になるからです。
私が使用しているsmith Tech社のcamtasiaという動画撮影ソフトでは、変換には撮影時間とほぼ同じ時間ぐらい必要です。
 私は、従来の授業では1時間あたり教科書2ページ分が平均的な進め方でしたが、動画解説では1ページずつ作成しています。
これがほぼ10分程度の動画解説になるからです。

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教育の情報化について

2013-06-23 17:28:06 | 日記
 昨日 NEW EDUCATION EXPO 2013「未来の教育を考える」のセミナーを受講してきました。
セミナーの演題は教育の情報化ビジョン実現に向けた文部科学省の施策でした。
 
 教育の情報化の目的
ICTを活用して、子どもたちにわかりやすい授業を実現するとともに、
個別学習や協働学習を通じて、子供の主体的な学びを推進
          ↓
子どもたちが興味関心を高め、一人一人の個性や能力を発揮できる21世紀にふさわしい学びの創造
と文部科学省は位置づけているようです。

また「21世紀にふさわしい学びの環境とそれに基づく学びの姿」を検索してみてください。
文部科学省がイメージ図をあげています。この絵の中の、一斉・協働・個別学習を同時に
数学の授業の中で行うことを可能しているものが、反転授業の仕組みです。

 毎回、一斉・協働・個別学習が行なっているわけではありません。単元や問題演習のレベルにより
形を変えて授業を行っていることはすでに書かせていただいたところです。
くどいようですが、一斉といってもクラス全体を指しているわけではありません。
解説が必要な生徒を集めて、教室の一部分で一斉に行うイメージを持っていただければ結構です。
解説を行っている時間は個別学習や協働学習を行っている生徒は良いように書けば「自主的」、
悪く表現すれば「ほったらかし」ですが、勉強は自分でするという意識付けがすごく大切です。
またやればできるという小さな成功体験と達成感を持たせることも大事です。

 セミナーを受講していて、教える側(教師)がやはり前に立って白板であれ黒板であれ
クラス全体を把握する構図から離れることができないという価値観のもとで教育の情報化が進められていると
感じました。もちろん、近大附属高校のように一人一台のタブレット(24時間)環境があるからこそ、
私も思い切って、ほぼ毎時間、教室の前に立つことから離れることがイメージできたと思っています。
そのような環境が整わなければ、イメージすること自体難しいかも知れません。
 
 また同じセミナーで別の講師からは、教育に係る世界の動きの中で履修原理から習得原理へ移行しつつあるという話が
ありました。まさに反転授業で使用している映像ライブラリーは各自のペースで何度も見直せるそんな道具で、
完全習得を目指しておこなっている方向性も間違いないと感じたところです。

 最後に Use of ICTのメリットとして次のように発表されていました。

A Active learning & Attention … 主体的・能動的な学び,意欲・関心・態度
B Basic              … 基礎的な知識・技能の定着
C Collaboration,Communication,Creativity & Critical Thinking
                  … 21世紀型スキル,協働学習,思考力・表現力・判断力
D Digital Contents & Data   … 個人の能力特性に応じた学び,学習履歴の活用
E Efficiency            … 生徒と向き合う時間の確保

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