反転授業実践ブログ

反転授業の取り組みその他を周知させていただきます。

ピア(同じ立場の仲間)について

2013-10-30 23:48:15 | 日記
先日の第1回FLIT公開セミナーで話されていた協働学習を成功するには
ピアプレッシャーが重要だという言葉が気になっていました。
ピアプレッシャーとは,ある形成された仲間からの圧力のことです。
このプレッシャーはライバル心を育てる役割もあり、友情を知り、友人仲間を作るきっかけにもなります。
これほど良い刺激はありませんが、行き過ぎるといじめや非行、暴力といった逆の作用を起こしてしまうことにもなります。
逆作用を起こす原因は、コミュニケーション不足だと突き止められています。

一方で、仲間の力というのは本当に大切だという経験を文化祭(近高祭)を通じて生徒は経験しました。
文化祭を手軽に済ませることもできましたが、夏休みや休日返上で映画の制作をしました。
早く取り組んだ割りに、時間管理が甘く近高祭前日まで映像のとりなおし、アフレコ・編集は深夜と大変でした。
生徒から連絡があり「朝6:00に学校を開けてください。編集が間に合いません。絶対来てください。」
宿泊行事を除いて、そんな時間に学校を開けることも記憶にはありませんが、生徒のためです。
朝5時前に出勤した一日でした。
半ば上映は無理かなと思っていました。
近高祭の開始時間9:00でもまだ編集中。遅れること2時間。
みんなの思いが通じたのか、11時に初上映がどうにかこうにかできました。
結局、5回上映ができて211名の観客動員があり、お客さんもまずまず満足してくれたようです。

近高祭が終わるにあたって次のような言葉を生徒に伝えました。

 今日、君たちは素晴らしいものを手に入れました。
それはクラスがまとまって一つの作品をつくりあげ、それを他の人に鑑賞してもらって喜んでもらうという
取り組みを成功させたことです。
最後の最後までうまく上映できるのかとやきもきさせられましたが、第1回上映を見終えたとき、
君たちの力が結集して1つの作品に仕上がったことにすごく感動しました。

お互いこの4月までは全然知らない間柄ではありましたが、
こうやって縁あって出会ったことに感謝したいと思います。
素晴らしい仲間に出会えました。この行事で終わりではなく、
次に向かってもっともっと成長していきましょう。
ともに、みんなで。

近高祭と教科教育は別なものとして考えてがちですが、そんあことはありません。
みんなで高みに登り素敵なものを作り出すといったプロセスは同じです。
一人では小さなことしかできませんが、それが集まりお互い高めあったときに
すごく素敵なものが作り出せます。
協働学習の狙いはそんなところにあります。teach less , learn moreです。

日ごろはうまく伝えられていないけど、今日は伝えられそうな気がします。


上記のように、協働学習を実践していく上で、友人関係(仲間づくり)を授業だけでなくいろんな行事を通じて構築していくことが非常に大切と考えます。そのフィジカルなつながりをつくる場が学校であって、これはデジタルの世界とは異なります。
授業の形態は変化しても、人間関係を学ぶという意味で学校はなくならないと思います。






  ※ 研究会会員の中西(英語)が「反転授業への道」のブログを書いています。
   英語での反転授業のみならず、いろいろな話題を提供してくれています。
     反転授業への道 

協働学習の質を高めるために

2013-10-29 07:46:47 | 日記
 協働学習の質をあげるためにおこなった取り組みを紹介します。
質を高める秘薬はありません。ありのままを書かせていただきます。
 
 昨日は1日に2時間、数学の時間があり、1時間目はジグソー法を利用した問題演習をおこないました。
空間図形の演習プリントを理解・定着しようという目標のもと活動していました。
半数は適当な予習しかしていません。プリントを忘れる生徒も数名ですがいました。
一方で、少数ですがしっかり解いてくる生徒もいます。
 数学の問題演習における予習の大切さは事あるごとに伝えています。やった方が良いとは理解できても、気持ちが乗っていないのでしょうか、全員やってくることは残念ながらほぼありません。
たとえわからなくても、理解することを後押ししてもらえる授業形態だから「気持ちをのせて、しっかり演習プリントを解いて来よう。すると理解が早く、定着しやすい。」と、これからもどの生徒もきっちり予習してくるような姿勢になるまで継続して導きます。
 さて、ジグソー法の第1段階の最初の担当番号の解説はそれなりに各自が理解しようと生徒の解説を聞きながら思考を
巡らせている状況はつかめたのですが、グループに戻ってからの解説が、何となく答えを流しているだけに終わっている
ようなところが見受けられました。「理解できていますか。」「協力し合ってますか。」などとたずねると
「大丈夫です。」「やってます。」との返事か返ってきました。
残り10分。「このプリントをしっかり理解・定着させてください。」という声かけも行いました。
「理解しにくい、考えがクリアにならないところをつぶしてください。」という言葉も言いました。
どのグループもではありませんが、早めに解説を終えて、次の予習に移っているグループもでてきました。
ちゃんと理解できたのかと問いかけるとお茶を濁すような答えが返ってきました。そして授業終了の合図です。
 いつもなら、プリントをしっかり解き直して次回提出という流れです。が、この段階で私の頭の中では、残りの一時間は次に
進むのではなく、「よし、今のプリントの1題をチョイスして確認テストをしてやろう。」と考えました。
生徒には何も言わずに、ただ机をグループの形にしておくようにだけ指示しておきました。
 2時間。「予定を変更して確認テストをします。」とだけ言って、グループで向き合っている状況でテストをおこないました。カンニングするでもなく静かにプリントに向かって解いていました。
10分経過
「赤ペンを持ち替えて、まず2問中何問あってそうか予想を書きなさい。」という指示を出しました。
つぎに2問中2問あっている生徒は手をあげなさい。誰も手をあげません。
さらに生徒に考えてもらいました。
「今ここで2問中2問合っているようにするには、先ほどの時間どのように取り組めばいいのか良かったと思うか記述しなさい。」と問いかけました。
 そしてここで、もう一度グループで答え合わせをさせました。今度は真剣です。全然、一時間目の状況と異なりました。
全員が理解できていないグループは、立ち上がって他のグループに聞きに行ったりしてまさにアクティブラーニングができていました。
 実は1つだけ、全員が正解したグループがありました。1時間目にきっちり理解し合っていたのです。
何で手をあげなかったのときくと「間違っていたら恥ずかしいから」という典型的な日本の生徒の対応でした。きっちりと協働学習ができていることに自信をもっていいよと伝えました。
 最後に、最初にみんなの書いた2問中2問解くためにはの意見を共有し合ってこれからの協働学習の姿勢にしていこうといって
もう一度グループ内で話し合いをさせました。そして自分の意見を簡単に再度まとめてもらいました。

 ・解説を聞くだけでなく自分で解き直しをする
 ・理解できるまでしっかり自分から聞きにいく
 ・定着の時間を本当に定着するように取り組む
 ・わからなければ動き回ってでも答えを見つけに行く
 ・予習をしっかりやって理解を深めてくる

  などの意見に集約できました。

このような、時間を作って協働学習の質を高めていく地道な取り組みは必要だと考えます。
また、折見てこのような振り返りを入れようと思います。
 
  


  ※ 研究会会員の中西(英語)が「反転授業への道」のブログを書いています。
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FLIT 第1回 公開研究会 MOOCと反転授業で変わる21世紀の教育に参加してきました。

2013-10-24 09:24:42 | 日記
 東京大学本郷キャンパス福武ホール(10月23日17:00~19:15)で行われた
FLIT 第1回 公開研究会 MOOCと反転授業で変わる21世紀の教育
学習社会連携講座に参加してきました。
サンノゼ州立大学のMohammad Qayoumi学長の反転授業の実践について
講演を聞き、その後少しグループで意見交換をした後、グループから出た意見の中からチョイスされた質問に
Qayoumi学長並びに東大吉見俊哉副学長が答えるという形式でした。
私も質問も投げかけましたが、大学教育について絞りたいということで質問自体は割愛されました。
しかし、大学教育に対しての質問 「反転授業が成功するコツは」という問いかけで、
授業に対して学生を引き込みそして授業に対する姿勢作りが大切と述べられてました。
実は私が中等教育を意識して問いかけたのは自立的な学習者にする秘訣は何かという答えそのものだと思いました。
engagement encourage inspireなどの単語を用いてお話をされていました。
さらに協働学習には仲間のピアプレシャーは重要という言葉も印象深い言葉です。
高校生に対する反転授業も同じ様に感じます。高校1年生に対して反転授業を行っている私は、彼らは普通の高校生で遊びもしたいテレビも見たい勉強はそこそこにというそのような生徒に対して、少し気持ちを込めて解説動画を見て予習しようということ自体ハードルは高いのです。彼らの精神的な成長を待ちながら、何度も何度もキャリア教育の意味を込めて協働学習する意味や構成主義的な授業が行えるようにしていくことが、大学に学ぶ際いやこれからの社会で生きて行く上で、有効な手段として考えます。
それ以外にも、本校で公開授業とかして聞かれることと同じことが東京大学の公開研究会で尋ねられていました。
 予習をしない学生にはどうするのですか?
 ディスカッションの素地ができていない日本の学生に本当にインターラクティブな授業は可能なのか?
高校でも同じ同じと頷きながら副学長の回答を聞いていました。
 あと単刀直入な質問で、インターラクティブの授業ができない大学教員は淘汰されるかといった質問には
多様性が大学には大事という変化球的な回答をされていました。

 大学生の方が自立的な学問をする姿勢ができているという意味では、東京大学の反転授業およびアクティブラーニングが成功して、
それがやがて中等教育、初等教育に波及するという構図はありかなと思っています。
ただ、大学生だからできて中高校生にはできないという固定観念みたいなものはできないようにしていかないと思います。

    

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次は期末に向けて始動です

2013-10-21 10:30:16 | 日記
 中間試験もおわり、期末試験に向けて始動です。
早速、2時間使って三角比の拡張を数学Ⅱの範囲も含めて
教科書7ページ分のおさらいをしました。
 反転授業をおこなっているので、いきなり問題演習でも良かったのですが、
三角比の拡張の定義はなかなか定着しないので、ライブの授業を織り込みました。
このことを記述しているのは、反転授業においては授業時間をバリエーション豊かに
活用できることと、2時間あまりで数学Ⅱを含めて三角比の拡張ならびに相互関係ができたことを
お知らせするためです。3時間目は三角方程式・不等式の解き方について確認しました。
数学Ⅰは、これから演習の毎日です。しばらくして、次の確認授業は正弦定理・余弦定理・三角形の面積
のあたりで考えています。期末までに三角比の範囲でプリント18枚用意できました。
 数学Aの整数の性質についてはまた改めて記述しますが、単位数に比して問題演習プリントが28枚にもなって
います。授業時間だけではこなせられない量なので課題にしながらやってもらおうと思っています。



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中間試験の結果について

2013-10-11 23:13:15 | 日記
 今回は十分演習ができたので、出題内容に比べて平均点が高く出ました。
狙っていたとおりと言えばそれまでですが、演習量が多ければやはり得点は伸びます。
1学期中間試験で15点差ついた2クラスでしたが、今回は71点72点と高い平均点で1点以内に2クラスともなりました。
やっと、反転授業で予習を自主的にして、授業で演習を積んで定着させることに慣れてきたからかもしれません。
ただ、自立的な学習者になったかと言えば、どちらのクラスも約3割10名弱の生徒は40点前後の生徒たちがいます。
課題プリントの提出も甘く、その辺りも積極的な声かけが必要です。できない生徒ほど授業中にもっと1対1で関わっていくことが大切だと考えていて、そこが期末試験までの私の課題です。
 よく反転授業は、成績のいい生徒は伸びるだろうけどできない生徒はますますできなくなるのでは?と質問されます。
私はむしろできない生徒に時間をかけるために、授業があると考えているので、その課題についてこれから期末まで
取り組みたいと思います。まずは、数学が苦手な生徒を指導しやすい場所に替ってもらって指導重点座席を作ろうと考えています。
 完全習得学習までの道のりはまだまだ遠いですが、究極の目標に向けて少しずつ授業形態を変化させながら中間以降も
取り組んでいきます。
 来週、月曜日に外部模試を利用した実力試験を実施します。昨年の問題で、対策を立てるために生徒に自主課題を出しました。
いままでなら、解答プリントを配布するにとどまっていましたが、今回は解説動画を一問ずつ作成し、自主課題にさらに
理解が深まるように用意しました。本校ではインフラが整備されているおかげで、このような取り組みができます。


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