染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

永六輔氏と尺貫法

2016年07月12日 | 店主の一日
僕たちが着物の寸法を計る時は「鯨尺」を使います。一寸が約3.78センチ。イコールではないので、長くなるほどに誤差が出ます。
僕がこの仕事に入った時は「鯨尺」の存在を知らなくて、曲尺と勘違いをして一寸が3.3センチで長さが合わず混乱しました。 幸いにも大過に至らず。
また福島の相馬地方約山形の庄内の一部に布を計るのに曲尺を用いる地域があります。

昨日、永六輔さんが亡くなりました。松之山に講演にみえたのを聞きに行ったことがあります。或いは佐渡を新潟県から独立させようと考えたり。それほど詳しくはないのですが、独自の視点で文化や地方の存在を考えたかたであったかと。
今朝の日経新聞に永氏を悼む記事がありました。
1959年に尺貫法が廃止されメートルやグラムに統一され、これによって曲尺や鯨尺の「製造が禁止」されたのだそうです。
これに対し永氏が講演やラジオで反対を訴え続け、賛同する声も高まり1977年に再度、製造販売が認められる様になったとあります。
永氏の見識を含めて改廃の経緯を初めて聞きました。生地で鯨尺がないのも困りますが、織物に使う筬などはきれいにセンチに置き換えが効かないので余計に厄介です。

実際にメートル法がどの程度浸透してるのかわかりませんが、欧米でも肉を量るにはポンドを使うし、生地を計るにはヤードを使うので日本人は制度やお上に真面目なのだなと。

合掌
コメント
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