青い空。広い海。どこまで続いているのだろう。私はこのまま永遠に夏を過ごしていたい。
大きな海を見ていると入道雲がモクモクと襲いかかって来そうなくらい大きく広がっていた。
サトシとミノルと夏という事で海に泳ぎに来ていた。子供がたくさん泳いでいて、中には若い女の子も泳いでいた。
サトシとミノルは、その辺のビキニギャルをナンパしていることだろう。
私は、ボンヤリと海を眺めていた。
どうして光はこんなに眩しいのだろうかと疑問が浮かんでいると、ビーチボールが私の所に飛んできた。
「すみません。」振り返るとそこには、白い水着を着ていた少女が立ち止まっていた。太陽の光で最初見えなかったが、紛れもなく、夏にしか見れない美しい女性だった。
「あっどうも。」水着姿に見とれていたわけではなかったが、ぎこちない返事をして、彼女が笑っていた。私がボールを手で渡すと、にこやかに「ありがとうございます。」と言って、女のグループの所に戻っていった。
私は一瞬時が止まってしまった。子供のガヤガヤとした声も聞こえなくなった。 それから私はずっとその子を見ていた。無邪気に微笑んでビーチバレーをしている姿にうっとりとしていた。
ジッと見ていたら、ミノルとサトシが帰ってきた。
「駄目だな。誰も相手にしてくれない。」
「後一押しのところで彼氏が来たりしてムカつくよな。」そんな会話があったりなかったりしていたが、私はどうでも良かった。
「おい。あそこでバレーしている子かわいいな。」私が見ている子を指差してサトシが言った。
「いいね。」ミノルがジュースを飲みながら答えた。
「声かけてこいよ。」
「俺が。もう疲れたよ。」
「そんな事言っているから彼女がみつからねんだよ。」サトシとミノルがどっちつかずの話しをしていた。
「俺が行ったら駄目かな。」私が手をあげて言うと二人とも驚いたような顔をした。
「お前どうしたんだ。暑さで可笑しくなったのか。」
「ナンパなんてしなかったよな。」二人で戸惑っていた。
「いい子みたいだから大丈夫だよ。」私がきっぱりと言った。
「分かった。お前の勇士を見届けよう。」サトシとミノルが手を合わせて合掌した。
「縁起でもないからやめろよ。」二人は笑った。私が近づいていくと、さっきの彼女が微笑んだ。
「さっきはどうも。」近くで見ると人魚の様に美しかった。
「いえいえ。あそこで座っている男二人が君達とバレーがしたいと言ってね。どうかな。」私がモテナイ二人を指した。
「別にいいですよ。ボールも拾ってもらったし。」彼女が言うと、他の女性達もオッケーと迎えてくれた。
私はサトシとミノルを手招きした。二人ともタコみたいな顔をして驚いていた。
走って二人が近寄って来た。
「いやいや。どうも。熱いですね。」サトシがお決まりの文句を無邪気に言った。
「そりゃ、夏だからな。だから海に来ているんだろう。」ミノルが突っ込みを入れると女性達は楽しそうに笑った。
三対三のビーチバレーの対決をする事になった。
サトシとミノルは結構スポーツマンタイプだが、女性達の方がうまかった。砂浜になれてないという事と女に弱いという事が関係があるようだ。
夕暮れになり、バレーが終わってしまった。こんなに心から楽しんだことは久しぶりだった。
話しの流れで、バーベキューをみんなで楽しく食べて、私が話しかけた人魚と夜の海辺を二人っきりで散歩していた。
夜の海辺は、少し冷たい風が吹いていた。
彼女とこうやって砂浜を歩いているとせつなくてどうしようもなかった。出会ったのはいいが、別れがつらかった。明日になれば赤の他人同士に戻ってしまうのだろうか。
二人とも夏のバカンスで海を楽しんでいたのだ。こんなにせつない想いをするんだったら、海なんて来ないとよかった。
月のボンヤリとした光で海全体が妖艶に輝いていた。
昔聞いた御伽噺が映画になったような気分がした。
二人で座って海を眺めていた。
彼女が私の肩に頭をつけた。私はそっと彼女の肩を包んで、海の音と共に静かにキスをした。
彼女は涙の雫を一つ流した。それは宝石のように貴重な感じがした。私は壊れないように涙を手で拭き取ると、「寂しい。」と彼女が呟いた。きっと言葉に表せれないくらいに悲しかったのだろう。その涙を見て私も辛かった。
このまま永遠に夏が続きそうな気がしていた。
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大きな海を見ていると入道雲がモクモクと襲いかかって来そうなくらい大きく広がっていた。
サトシとミノルと夏という事で海に泳ぎに来ていた。子供がたくさん泳いでいて、中には若い女の子も泳いでいた。
サトシとミノルは、その辺のビキニギャルをナンパしていることだろう。
私は、ボンヤリと海を眺めていた。
どうして光はこんなに眩しいのだろうかと疑問が浮かんでいると、ビーチボールが私の所に飛んできた。
「すみません。」振り返るとそこには、白い水着を着ていた少女が立ち止まっていた。太陽の光で最初見えなかったが、紛れもなく、夏にしか見れない美しい女性だった。
「あっどうも。」水着姿に見とれていたわけではなかったが、ぎこちない返事をして、彼女が笑っていた。私がボールを手で渡すと、にこやかに「ありがとうございます。」と言って、女のグループの所に戻っていった。
私は一瞬時が止まってしまった。子供のガヤガヤとした声も聞こえなくなった。 それから私はずっとその子を見ていた。無邪気に微笑んでビーチバレーをしている姿にうっとりとしていた。
ジッと見ていたら、ミノルとサトシが帰ってきた。
「駄目だな。誰も相手にしてくれない。」
「後一押しのところで彼氏が来たりしてムカつくよな。」そんな会話があったりなかったりしていたが、私はどうでも良かった。
「おい。あそこでバレーしている子かわいいな。」私が見ている子を指差してサトシが言った。
「いいね。」ミノルがジュースを飲みながら答えた。
「声かけてこいよ。」
「俺が。もう疲れたよ。」
「そんな事言っているから彼女がみつからねんだよ。」サトシとミノルがどっちつかずの話しをしていた。
「俺が行ったら駄目かな。」私が手をあげて言うと二人とも驚いたような顔をした。
「お前どうしたんだ。暑さで可笑しくなったのか。」
「ナンパなんてしなかったよな。」二人で戸惑っていた。
「いい子みたいだから大丈夫だよ。」私がきっぱりと言った。
「分かった。お前の勇士を見届けよう。」サトシとミノルが手を合わせて合掌した。
「縁起でもないからやめろよ。」二人は笑った。私が近づいていくと、さっきの彼女が微笑んだ。
「さっきはどうも。」近くで見ると人魚の様に美しかった。
「いえいえ。あそこで座っている男二人が君達とバレーがしたいと言ってね。どうかな。」私がモテナイ二人を指した。
「別にいいですよ。ボールも拾ってもらったし。」彼女が言うと、他の女性達もオッケーと迎えてくれた。
私はサトシとミノルを手招きした。二人ともタコみたいな顔をして驚いていた。
走って二人が近寄って来た。
「いやいや。どうも。熱いですね。」サトシがお決まりの文句を無邪気に言った。
「そりゃ、夏だからな。だから海に来ているんだろう。」ミノルが突っ込みを入れると女性達は楽しそうに笑った。
三対三のビーチバレーの対決をする事になった。
サトシとミノルは結構スポーツマンタイプだが、女性達の方がうまかった。砂浜になれてないという事と女に弱いという事が関係があるようだ。
夕暮れになり、バレーが終わってしまった。こんなに心から楽しんだことは久しぶりだった。
話しの流れで、バーベキューをみんなで楽しく食べて、私が話しかけた人魚と夜の海辺を二人っきりで散歩していた。
夜の海辺は、少し冷たい風が吹いていた。
彼女とこうやって砂浜を歩いているとせつなくてどうしようもなかった。出会ったのはいいが、別れがつらかった。明日になれば赤の他人同士に戻ってしまうのだろうか。
二人とも夏のバカンスで海を楽しんでいたのだ。こんなにせつない想いをするんだったら、海なんて来ないとよかった。
月のボンヤリとした光で海全体が妖艶に輝いていた。
昔聞いた御伽噺が映画になったような気分がした。
二人で座って海を眺めていた。
彼女が私の肩に頭をつけた。私はそっと彼女の肩を包んで、海の音と共に静かにキスをした。
彼女は涙の雫を一つ流した。それは宝石のように貴重な感じがした。私は壊れないように涙を手で拭き取ると、「寂しい。」と彼女が呟いた。きっと言葉に表せれないくらいに悲しかったのだろう。その涙を見て私も辛かった。
このまま永遠に夏が続きそうな気がしていた。
夜になった瞬間のせつなさがコントラストで描かれていて、
今さらながらにキーボーさんの感性と表現力の巧みさにため息をついています・・・。
誰よりもすてきな夏の、こんなあまくてせつない瞬間・・・
あなたはとうに・・・
味わっているのではないでしょうか・・・。
映画より鮮明に描かれた情景に
今日もうっとりさせてもらったわたしです。
わたしのこの夏の思い出は・・・
キーボーさんの、このブログのこの光景だけかも・・・
うまく伝わってよかったです。
お腹が凹んだらいいかと思いますが、精神的な凹みはウンザリです。
私もこんな感じにナンパをじゃなく(笑)出会って、彼女と夜の海辺を歩きたいですね。
また、いい物語が浮かんだら書いていきますね。ダンダン文章もうまくなっていると思いますが、どうでしょう。