恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

10.夕暮れ

2015年11月01日 | 秋の物語
 昼は温かいが、夜になるとヒンヤリとした風が部屋の隙間から入り込んでくる。  アパート四畳半の狭い部屋、薄い壁から甲高い声で、怒鳴り声が聞こえてきた。  「お前なんか生まなきゃよかった。どっかに行ってろ。」ガタンと机をひっくり返すような音が響いた後、錆びれた玄関のドアが開いた音がした。そっとドアを開けて見ると、耳が片方ちぎれたウサギを抱いて、裸足の少女がいた。涙目で、じっとこちらを見ている。  隣 . . . 本文を読む