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恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

05.再会

2007年05月05日 | 再会
 それから3年後。  準は、ビシッとしたスーツに身を包んで、よりこの成人式に出席していた。  三年前の約束を果たすためだ。  文化センターの館内は広く、千人くらいの成人がこの日を迎えていた。市の偉い人が何人か挨拶があった後、よりこが成人代表でスピーチをしている。   振袖を着ているよりこは、読者モデルのように綺麗だった。  挨拶が終わると、市長が礼をして、よりこがステージから私たちの方を見て、微笑 . . . 本文を読む

04.再会 ~冬~

2007年04月28日 | 再会
 サンタクロースが今にも目の前を通り過ぎていきそうな夜。行きかう人は何かを忘れているかのような錯覚をして、この年が無事に過ごしてきた事を感じる。  準は、小さな白いショートケーキを買った。  亜矢子とクリスマスを祝う為だ。時間通りに彼女はやってくる。歯医者が終るのが8時で、心の準備をする時間はタップリあった。  今日こそは、亜矢子に告白をすると準は密かに思っていた。  BARのドアが開くチリンチリ . . . 本文を読む

03.再会 ~秋~

2007年04月22日 | 再会
 北風が通り過ぎていく。紅葉が色づく並木道を通り、鉄平は大学の学園祭のステージで熱唱していた。  駅で歌っていた甲斐もあって、先輩からバンドをするからボーカルしないかと誘われてこうやって歌う事が出来た。  歌手になる夢の前座だと思えばやる気が出た。  鉄平が歌を歌い終わると拍手が鳴り止まないくらいに凄かった。思ったよりお客のウケがよかった。  アンコールをもう一曲歌って、鳴り止まない拍手の中ステー . . . 本文を読む

02.再会 ~夏~

2007年03月22日 | 再会
 ジメジメとした梅雨が終わると、入道雲がモクモクと上がり、蝉の声が聞こえてくる夏になるのだった。  白の半そでにチェックのミニスカートの学生服を着ているよりこは、学校の帰り、コンビニによってファッション雑誌を立ち読みした。木村タクヤが表紙でかっこよかったので目についたからだ。  大人の恋愛について書かれてあった。  私にはよくわからないと雑誌を置き、一通りドリンクまで一周して、何も買わずにコンビニ . . . 本文を読む

01.再会 ~春~

2007年03月19日 | 再会
 純は、朝は高校の非常勤講師をしている。大学の頃に国語の教員免許を取っていたからだ。近くにある高校に一日2、3時間の授業を受け持っている。子供が好きだという事と、教師に憧れを抱いていた事が関係があるのかもしれない。  夜になると実家がBARを開いている事もあり店を手伝っていた。  夜の7時から開くBARは、長いカウンターがあり、店内では静かなジャズが流れていた。親父がジャズが好きなので、流している . . . 本文を読む