照つける太陽。モクモクと上がる入道雲。
額から流れ落ちる大量の汗。
古びた駅のホームで仕事帰り電車を待っていた。
派遣社員という立場はどうもシックリ来ない。
机に向かい、ひたすら書類作成。コピーをとり、専務、常務の機嫌取りをして、何が楽しいのだろうか。
前の会社でリストラになる前はよかった。
仕事も順調で、何もかもが輝いていた。不景気、経済後退。総理大臣何をやっているのか。もうウンザリだ。
このまま、電車に向かって飛び降りてもいい。俺一人死んでも誰も悲しむ奴なんてこの世にいないだろう。
電車が中々来ない。確か一時間に一本だったか。こんな田舎じゃ当たり前か。
駅の中にある木のイスに座って、線路の中の揺れている蜃気楼を見ていた。
何分かじっと見ていると、いつの間にか隣に女子高生が現われていた。
多分、学校帰りか何かだろう。ブレザーの制服で、ミニスカートがよく似合っていた。バックを両手で前に持っている姿が可愛かった。
私がもう少し若ければ、あんな子と恋をしたかったけどなと思っていると、さっきまで晴れていたのに雷が鳴った。
「キャー。」と叫びかがむ女子高生。
「雷苦手なの?」話しかけると女子高生は、「とっても苦手です。」と答えた。ギコチナイ返事が、自分の歳を感じた。
「そうなの。俺も苦手だよ。」と言うと、女子高生は、笑った。その笑みは、クスクスと漫画でありそうな上品な感じだった。
もう一度雷が鳴り、雨がザーと降り始めた。
「まさかこんな雨が降るとは思わなかったね。」
「えぇ。私も傘持ってきてない。」二人少し濡れて駅の屋根の下へとうつった。
私がハンカチを女子高生に貸すと、「ありがとうございます。」と言って、顔と首筋を拭った。
その姿を見て、不埒な考えが横切った。それをごまかす様に、線路の方へと目をやった。
「ハンカチ可愛いですね。今度洗って返します。」
「いや別にいいよ。あげるよ。」
「優しいんですね。」と言って、二人ひたすら降る雨を見ていた。
「電車がホームに入ります。白線の内側にお下がりください。」というアナウンスが流れ、その後にゆっくりと電車が入ってきた。
二人で雨をよけ、電車に飛び乗った。
電車の中で会話は一切なかった。何かを話したかったが、これ以上話さないほうがいいような気がしていた。
一駅、二駅と過ぎて、隣の女子高生が小さな声で「じゃ、ここで降ります。」と言って降りた。
私がシドロモドロで頷いた。
ドアが閉まり、窓越しで、女子高生がハンカチを握りしめ何度も振っていた。
帰り道、雨に濡れている女子高生の笑顔がずっと頭から離れなかった。
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額から流れ落ちる大量の汗。
古びた駅のホームで仕事帰り電車を待っていた。
派遣社員という立場はどうもシックリ来ない。
机に向かい、ひたすら書類作成。コピーをとり、専務、常務の機嫌取りをして、何が楽しいのだろうか。
前の会社でリストラになる前はよかった。
仕事も順調で、何もかもが輝いていた。不景気、経済後退。総理大臣何をやっているのか。もうウンザリだ。
このまま、電車に向かって飛び降りてもいい。俺一人死んでも誰も悲しむ奴なんてこの世にいないだろう。
電車が中々来ない。確か一時間に一本だったか。こんな田舎じゃ当たり前か。
駅の中にある木のイスに座って、線路の中の揺れている蜃気楼を見ていた。
何分かじっと見ていると、いつの間にか隣に女子高生が現われていた。
多分、学校帰りか何かだろう。ブレザーの制服で、ミニスカートがよく似合っていた。バックを両手で前に持っている姿が可愛かった。
私がもう少し若ければ、あんな子と恋をしたかったけどなと思っていると、さっきまで晴れていたのに雷が鳴った。
「キャー。」と叫びかがむ女子高生。
「雷苦手なの?」話しかけると女子高生は、「とっても苦手です。」と答えた。ギコチナイ返事が、自分の歳を感じた。
「そうなの。俺も苦手だよ。」と言うと、女子高生は、笑った。その笑みは、クスクスと漫画でありそうな上品な感じだった。
もう一度雷が鳴り、雨がザーと降り始めた。
「まさかこんな雨が降るとは思わなかったね。」
「えぇ。私も傘持ってきてない。」二人少し濡れて駅の屋根の下へとうつった。
私がハンカチを女子高生に貸すと、「ありがとうございます。」と言って、顔と首筋を拭った。
その姿を見て、不埒な考えが横切った。それをごまかす様に、線路の方へと目をやった。
「ハンカチ可愛いですね。今度洗って返します。」
「いや別にいいよ。あげるよ。」
「優しいんですね。」と言って、二人ひたすら降る雨を見ていた。
「電車がホームに入ります。白線の内側にお下がりください。」というアナウンスが流れ、その後にゆっくりと電車が入ってきた。
二人で雨をよけ、電車に飛び乗った。
電車の中で会話は一切なかった。何かを話したかったが、これ以上話さないほうがいいような気がしていた。
一駅、二駅と過ぎて、隣の女子高生が小さな声で「じゃ、ここで降ります。」と言って降りた。
私がシドロモドロで頷いた。
ドアが閉まり、窓越しで、女子高生がハンカチを握りしめ何度も振っていた。
帰り道、雨に濡れている女子高生の笑顔がずっと頭から離れなかった。
郊外の風景を思い浮かべています。
この男性の心持ちが
今のわたしにはわかる気がします。
これ以上話さない方がいい。
そんな奥ゆかしさが
とてもせつなく
でも
それがよいのです。
深くてやさしい。
そういうものを
誰もが忘れてはいけないのです。
しみじみと
そんな想いを
抱きしめています
・・・・・。
朝、電車が一緒の可愛い女子高生に好意を抱いていますが、中々難しいところです。
私の方を恥かしそうに見るんですよね。
私がずっと見ているからか(笑)
私はもうオジサンですから、歳を考えないといけないですよね。
どうしましょう。
もう夏だというのに、彼女が出来ていない。
さぁもう一度夢を見る事にしよう。