DrKの株日記

現役医師が仕事の合間をぬって株と格闘するブログ

タービン建屋は水棺にできない

2011年04月23日 | Weblog
<福島第1原発>トレンチ水位2センチ低下 2号機

トレンチという構造物が東電の隠蔽のために理解できなかったので
それの水位がどういう意味を持っているかわからなかった。

今回、構造図があったので考察してみた。

タービン建屋とトレンチの関係図

タービン建屋の一番下部に位置している復水器の下部からどうやらトレンチを通じて
海へとトンネルが繋がっているようだ。
「トレンチはタービン建屋と海との間にある凹字形トンネルで、非常用電源を冷やすための海水が通る配管や海水をくみ上げるポンプのケーブルなどを納めている。」

重要なのはトレンチの高さ(海抜高度)だ。
図を見る限りどうやらタービン建屋のかなり低い位置が海抜高度のようだ。

タービンの高さ=復水器の最上部がおそらく地上のレベルと書いた。
ここに原子炉の圧力容器からつながる蒸気の配管があり
原子炉建屋ではこのレベルまで水没している。

そこから滝のようにタービン建屋の復水器の下部に向かって汚染水が
流れ落ちていると想像できる。
(復水器の一番下部にピットというのがあるらしい?)

ここで想定外のことが判明した。
図をよく見て欲しい。

トレンチの海側の出口の高さが復水器の半分ぐらいまでしかない。
(あくまで図が、ある程度正確であると仮定する)

サイフォンの原理により(厳密にはちょっと違うけど許して)
トンネルの出口よりタービン建屋の水位が高くなるとトレンチから水が溢れ出てくることになる。

つまり復水器の半分ぐらいまでしかタービン建屋には水が貯められないのだ。
もちろんこの高さは原子炉建屋の汚染水の水位より低いので
原子炉建屋からはどんどん水が流れ落ちてくる。

あの何の変哲もないトレンチの小さな穴は
タービン建屋地下に溜まった汚染水の水位を表しているのである。

だから作業員が必死になってここから汚染水が溢れてこないように作業しているのだ。

しかし、海からわずか55mしか離れてないのでコンクリートから海に染み出てると仮定してよいだろう。
前のブログで引用したところによると
「4月1日、海水スクリーン横から高濃度汚染水が取水口の海に漏水しているのが見つかった。これはセメントで漏れ止めしたが止まらない。吸水性高分子ポリマーを流し込んでも止まらない。コンクリート製トレンチの下に敷いた敷石層が水脈となって流出していると見られる。流出量は7ton/h程度、2号機への注水量とほぼバランスしている。敷石層に水ガラス(珪酸ソーダ)を注入して流量は少なくなり、ついに4月6日完全に止まった。」

汚染水が漏れでてきていたのはトレンチの出口そのものではなくその横あたりからのようだ。
水ガラスで塞いだのはトレンチの出口ではない。
(むしろ出口からポンプで排水しているのか?)

そして今現在がタービン建屋地下の貯水可能な上限レベルのようだ。

結局、タービン建屋を原子炉建屋の地下と同じ水位まで満たすことはできないのだ。
そして、まだ時間的に余裕があると思われてきた
カウントダウンはすでに残り僅かであるようだ。

…で最初の記事
「トレンチの立て坑に設置したポンプで汚染水をくみ上げ、集中環境施設のうちの最も容量の大きいプロセス主建屋地下2階に汚染水を移送している。5月14日ごろまでに計1万トンを移送する予定だ。」

もうすでに
原子炉→原子炉建屋地下→タービン建屋地下→トレンチ→ポンプで排出
→集中環境施設
という汚染水のルートが完成し、最終局面に到達している。

集中環境施設の貯水量は地下だけで約5万4000トン
汚水の流出量は7ton/h程度(2号機への注水量とほぼバランスしている)
トレンチからこの量の汚染水が流出してきていると仮定すれば
ここを塞ぐ手立てがないことが説明できる。

ちなみに約1ヶ月で1万トン排出というのは
1万÷30÷24=14ton/h の排出を想定しているようだ。

集中環境施設は空であったから2号機だけで5ヶ月分。
移送計画に1、3号機が含まれているのか不明だが、これ以上持ちこたえられないのは確実。


結論

①タービン建屋を水棺にすることはできない。
②トレンチの水位はものすごく重要である。
③放っておくとトレンチから高濃度汚染水が溢れでてくる。
④もう時間がない。


原発被害の新たなステージ

2011年04月23日 | Weblog
武田先生の現在の問題とコメント
現在、放射能拡散リスクは空中から海中へと変化している。
すでに空中への放射能飛散は3月下旬の海水の原子炉へのポンプ注入により峠を超えており
遠隔地では今までに降り積もった放射能のみが問題となり
水道水含有のセシウムなども大幅に減少しているようだ。

しかし、放射能の海への放出は現在でも継続しているし
モニタリングが不十分である。
東京湾へは放射能が到達する可能性が低いとはいえ
情報を隠蔽している東電、政府が信用できないので
海へは近づかないのが賢明だろう。
特に浅瀬にいるあさりは千葉、東京ともに危険になるのではないかと想像している。
もちろん東北の魚介類は決して口にしてはいけない。

悪魔の東電のことだ
知らぬ間に放射能物質を海に放出することなど朝飯前だろう。

大量の水の投入で地獄の釜は静まってるように見える。
しかし、熱量は少なくても周りの水が循環していない限り
どんどん高熱になってくる。
しかも、炉はすでに水中に埋没しており
高濃度放射能汚染水で直接近づくことは不可能になっている。

もう、炉を修理するなどといった段階ではない。
後戻りはできないのだ。

すべての地下が水で満たされたとき、
この国の運命が決まる。

すでに、最大の危機へのカウントダウンは始まっているのだ。

地獄の釜の中の火はまだ燃えたぎっていることを忘れるな。

1号機の原子炉建屋地下が完全に水に浸かりました

2011年04月23日 | Weblog
1号機、事実上の「水棺」処理

これ1号機の原子炉建屋地下がすべて水没しましたよっていう報告。

「水棺」のイメージ図
笑えるような図をよくも掲載するな。
実際には水が入ってないように書いてある外の箱(建屋)すべてが水に浸かってると思って欲しい。
窒素注入って書いてあるところの水位が地上と同じ高さ。
それより上には水をいれることができないので
窒素を封入してあります。
「「どこからか空気が抜けている」ともみている。」
バカ!放射能も汚染水もダダ漏れだわ!


今一番気になっているのが海に放流された放射能の動き

日本近海の海流
どうやら、原発から流れでた放射能は黒潮に乗って太平洋に流されてしまうようだ。
ただし、千葉あたりまでは危険だから
このあたりの海産物は近海では壊滅的打撃を食らっているだろう。

福島原発周辺の海水(表層)の放射性物質濃度
をみると
南東部での放射能濃度が高いようだ。海流に流されていると思われる。
この測定値は沿岸より約30kmであることを考えて欲しい。
一般的な排水規制値というのは
当然ながら水の排水口付近での濃度を想定しているに決まっている。
それが遥か彼方の遠洋で驚くべき数値を示していることに注目。

今後は、海水のモニタリング値に注視していこう!

作業員は汚染水をバケツリレーしてるだけ

2011年04月22日 | Weblog
汚染水の流出ルートについてはほぼ理解できた。

ここで自分は恐ろしいことに気づいた。
原発にいる作業員て何をしてるんだろう?
何を修理しているんだろう?


背筋に冷たいものが走る…
結論を書く。

作業員は汚染水をバケツリレーしてるだけ

びっくりした。
正直、ただただ驚いた。

まずは福島原発がどのような構造になっているかを知っていただきたい。
これほとんど詳細が書かれてないので
理解するのにものすごく苦労した。

BWR発電所の鳥瞰図

BWRが福島原発で
向かって図の左にあるのが原子炉建屋で右にあるのがタービン建屋。
ここでものすごく重要になることがある。
図の地面のラインを良く見て欲しい!
なんとこの二つの施設は半分地下に埋まっているのである!

マスコミの報道を見ているとなんか地下室みたいなのが原子炉やタービン建屋の下の方になぜか分からないけど作られてるってニュアンス。
これが全くの誤解である。

原子炉建屋、タービン建屋の地下ってのはそれぞれの施設の地面より低い所のことをそう呼んでいるのである。

原子炉建屋の一番低いところには格納容器に入ってるサプレッション・チャンバーがある。
ここから汚染水が流れでたらどうなるか?
地下にたまるのである(笑)
だってサプレッション・チャンバーって地下にあるんだもの。

…でよく見ると配水管て格納容器の真ん中よりちょっと上
圧力容器のあたりから赤いパイプがタービン建屋に伸びていて
どうやらそのレベルが地面と同じレベルに見える。
何のことはない
原子炉建屋の地下が全部水没して地面と同じ高さまで水が満たされ
配水管を伝ってお隣りのタービン建屋に入っていったんだ。

右のほうのコイルみたいな形してるのがタービンだと思う。
これほぼ地面と同じ高さ。
これの下に構造から言って復水器があるようだ。
廃棄物処理施設ってのがどこにあるかは不明だが
おそらく海の近く図の奥のほうにあるんじゃないかな?

なにもしないでいたらおそらくタービン建屋が地面と同じ高さまで
水が満ちてきてその地下が水没するんだろう。
それで打ち止め。
あとは海に流れでるだけ。

原発の写真に騙されてるけど実際は地下に埋まってるとこが
ものすごく大きいってのがミソ。

作業員はなにやってるの?
結局、タービン建屋の中でポンプを設置して
同じ建屋内で汚染水の場所を移動させているだけなんです!
そうバケツリレーしてるだけ。
何も修理なんてしてません。
最終的にはタービン建屋の地下が水でいっぱいにならないように
屋外に汚染水を汲み出す準備してるだけ。

循環なんて100%不可能です!
水棺って
結局タービン建屋もすべて水没させて水を外に流す施設を作るってこと?
放射能どれだけ出るんですか?

でもこれだけ水で埋もれてたら爆発はないか…
この図の地面より低いとこが全部水で満たされてるとこ想像してください。

1~3号機建屋、がれき散乱 ロボット映像で判明

ねえ、ロボットってどこ見てたわけ?
圧力容器の配水管のあるところが1階じゃないかな?
だから、水がなくってロボットが入っていけた。
だって地上だし…でその下は全部水没ね。
ロボットのいたところって
圧力容器のてっぺんあたりの階ってことね。

もし海への放水路が地上より低いところにあったら
汚染水が全部海に流れちゃうの当たり前じゃない?
…っていうか本当に他には地上より低い外への配管はないのか?

作業員は水中じゃ作業できないし
外への水の流出を食い止めることはできるのか?

格納容器と圧力容器の地面より上の部分は
水で浸すことができないだろう
それが一定以上水位が上がらないってことか?
地面までで打ち止め。
ここは爆発しないのか?


まとめ。

原子炉建屋とタービン建屋という地面の高さででつながっている
二つの大きなバケツの中に
ひたすら海水をポンプで入れ続けているのが現状。
作業員はそのうちタービン建屋の方のバケツから
少しづつ中の汚水を小さなバケツで外に汲み出す準備をしている。



なんの役にも立たない集中廃棄物処理施設(集中環境施設)

2011年04月22日 | Weblog
福島第1原発 トレンチ水位2センチ低下 2号機

まずは本日の記事から見ていただこう
東京電力は20日、東日本大震災で被災した福島第1原発2号機で、トレンチ(トンネル)内の高濃度の放射性物質を含む汚染水を集中廃棄物処理施設(集中環境施設)に移送する作業を続けた。午後6時現在、トレンチの水位は前日より約2センチ下がった。東電は「移送作業は順調に進んでいる」と話す。

この記事を読んだ人はどう思うだろうか?
汚染水は処理施設に運ばれて順調に処理されている…
恐ろしいミスリードである。

<福島第1原発>「集中環境施設」建屋を汚染水タンクに利用
「集中環境施設は本来、1~4号機から出た放射性物質を含む水を処理する施設。地下だけで約5万4000トンの水をためることができる。汚染水の貯水先として候補になっている建屋は、汚染水を蒸気にし、放射性物質を分離して取り除いたり、フィルターを通すことで放射性物質を除去する設備を持つが、津波で被災した。
処理施設というのは名ばかりでただ単に汚染水の貯蔵タンクとして利用されてるだけ!
だから、処理作業が順調なのでなく処理水を移す作業が順調なんだよ。

福島第1原発:2、3号機の復水器は満水…汚染水移せず
現在、原発で起きている事について理解に困難を極めているのは
東電が敢えて理解させないように仕向けているからだ。

まずは、原子炉建屋タービン建屋があることを理解しておく。
タービン建屋には復水器がある


そしておなじみ東北地方太平洋地震と福島原発メルトダウンから引用ね。


原子炉建屋地下室に溜まり水はあるか?
1-3号機すべての地下室は水没している。4号機は無論、水没していない。

1-3号放射能とタービン建屋地下の溜まり水の流出経路はどこか?
原子炉建屋地下室から主蒸気配管と給水管を通すトンネル経由でタービン建屋に流れ込んでいると推定するのが妥当であろう。

タービン室地下および配管・ケーブル・トレンチの溜まり水
1号のタービン室には18日ころから溜り水が見られるようになり、水深は40cm、放射能濃度は2.9MBq/ccと判明。炉心から流れ出した水が格納容器の破損部経由で原子力建屋地下室に溜まり、あふれてトンネル経由、タービン建屋地下に流れでていることは組成から断定できる。27日から仮設ポンプで復水器へ戻し始めたがすぐ復水器は満杯になり、30日ではタービン室は水深さは半分になっただけ。

2号のタービン室に27日ころから水がたまり始める。溜まった水の水深は1m、放射能濃度は2.9GBq/cc(通常の10,000,000倍)と発表された。しかしこれは間違いで、通常の100,000倍(29MBq/cc)だという。炉心から流れ出していることは組成から断定できる。もれた水量はタービン室地下で長さ100m、幅10mに溜まり仮に水深1mとすれば100m x 10m x 1m = 1,000tonとなる。復水器は一杯で収容できない。そこで東電はこれを復水タンクに移そうとしたがこれも満水。3日かけてサージタンクに復水タンクの水を移し、復水器の水を復水タンクに移す玉突きをやろうとしている。4月9日にようやく完了した。4月10日にタービン室地下から復水器へ汲み上げ開始するという。

3号のタービン建屋地下で24日作業員被曝。溜まった水の水深は1.5m、放射能濃度は3.9MBq/cc(通常の10,000倍)と判明。炉心から流れ出していることは組成から断定できる。復水器は一杯で収容できない。復水器内の水の組成は発表なし。

さてこの溜まり水を復水器に収容しようとしたところ、1号を除きほぼ満水だった。そこで東電はこれを復水タンクに移そうとしたがこれも満水。3日かけてサージタンクに復水タンクの水を移し、復水器の水を復水タンクに移す玉突きをやろうとしている。4月9日にようやく完了したという。

このほか海水配管を通すトレンチが満水で1号機は大部分海水のようだが、2号機は間違いなくタービン建屋の溜まり水が流れこんだ模様。3号機は未調査。海水ポンプや海水スクリーンの電力ケーブルを通すトレンチにも同じ溜まり水が流れ込み、4月1日、海水スクリーン横から高濃度汚染水が取水口の海に漏水しているのが見つかった。これはセメントで漏れ止めしたが止まらない。吸水性高分子ポリマーを流し込んでも止まらない。コンクリート製トレンチの下に敷いた敷石層が水脈となって流出していると見られる。流出量は7ton/h程度、2号機への注水量とほぼバランスしている。敷石層に水ガラス(珪酸ソーダ)を注入して流量は少なくなり、ついに4月6日完全に止まった。濃度はヨウ素で300,000Bq/cc。セシウムで排出基準の1,100,000倍という。

4号機のタービン建屋の地下には水は溜まっていなかったが4月18日になって溜まりはじめたという。1-3号機の汚染水をこれに移すことを検討中と報道される。

5、6号室の地下にも地下水の湧出はあるという。

東電は4月11日からタービン室地下とピットの溜まり水の排水のとりかかるとしている。たとえこれに成功しても原子力建屋地下に溜まる水をどう排水するという大問題がある。ものすごい放射線の下で働くロボットを投入して、また原子力建屋の外から厚いコンクリート壁に穴をあけて排水を始めても、水面がサプレッションチャンバーの破損個所まで下がれば放射性ガスが多量に大気中に漏れ出す。こうして12-16日の悪夢に戻る。現在、この溜まり水が曲がりなりにも水封の原理でガス漏洩を防止しているわけだ。(無論これは私なりの独自の推論で、東電と政府は認めたくなく、目をそらしているが)だから原子炉建屋の排水はここで頓挫するわけ。

通常、化学プラントでは可燃物を扱うから海水配管やケーブルは直接埋葬して可燃物がたまらない構造にする。しかし東電は土木屋が強いからものすごい金がかかるが、世界一高い電力料金を取っているから意に介さない。土木工事量を多くしようとする社内のパワーバランスなのか、巨大な海水配管すら地中に巨大なトンネルを構築してその中を通すことを好む。直接埋設のほうが周囲の土壌から優しい力で支えられるのだが、コンクリート・トンネル内の配管は固定点に集中加重をうけるので破壊されやすい。著者が係わった東京湾の扇島のLNG基地も世界の標準は配管は海上のトレッスル上に設置するが、東電は海底トンネルを掘ってここにパイプを敷設せよと要求する。いつかガス漏れ事故を起こすのではないかと心配だ。

汚染排水の回収作戦
玉突きのやりくりはタービン建屋の地下の汚染水が危険すぎて多分不可能と考えていたが、案の定、10日間空費した挙句、集中廃棄物処理施設にある10,000トンの低レベル汚染水を海に放流して開けたスペース3万トンに2号のタービン室地下の水を回収するという。総量5-6万トンの汚染排水があるという。不足する2万7000トンのタンクを1ヶ月で新設するという。現時点でも7ton/hという高濃度のトレンチの漏れは発見後4日後の4月6日にようやく止めることができた。静岡市がもっていたメガフロートを東電が買い上げて横浜の三菱重工で漏れなどチェック後、福島に持ってゆくことも決まり、4月7日には横浜港に向け曳航中の映像をみた。これは長さ対深さ比が45もあって通常のバージの12に比べ、極端に薄い。荒天で曳航すればホギングやサギングで折れてしまうおそれがある。防波堤などの守られた海面でないと汚染水と一緒に失うおそれがある。

当初、塩の蓄積を回避するために米軍が提案した横須賀から運んだ米軍のバージは着岸したが、4月3日現在配管接続がまだうまく行っていない。もう1隻並べて着岸させ、汚染排水の一時保管タンクにするようだ。

1号機:4月14日未着手、復水器は満杯。

2号機: 4月12日にようやく汚染排水を復水器に移す作業が開始し、14日に660ton移して完了。地下室のレベルは8cm下がったが、再びもとにもどって上昇中である。国際的非難をあびながら中味を海にすてて空にした次の移送先の集中廃棄物処理施設は水漏れ対策中で当分使えず。移送作業は4日19日にはじまったが1万トン移送するのに26日間かかるという。3万トンの容量がるが漏れの可能性があるので地下水位より低い液面とすると1万トンが限度だという。5月末までに別に1万トンの仮設タンクを建設し、メガフロートも接岸させるという。

3号機:4月14日未着手、復水器は空。

これで役者は揃った。
でも、やはり理解不能なので次にまとめを書く。

<汚染水の流れ>

海→ポンプ車→圧力容器→サプレッション・チャンバー→格納容器
→原子炉建屋地下(完全水没)
→タービン建屋地下 

ここまで同じ、次に別ルートに分かれる

①配管・ケーブル・トレンチ→取水口→海(高濃度汚染水)→水ガラスで封鎖
②集中廃棄物処理施設→海(低濃度汚染水)
③復水器→復水タンク→集中廃棄物処理施設(修理中でまだ使用できず)




政府発表を鵜呑みにせず自分の身は自分で守れ

2011年04月21日 | Weblog
「政府発表を鵜呑みにせず自分の身は自分で守れ」
チェルノブイリ事故処理班の生存者が語る凄惨な過去と放射能汚染への正しい危機感


「――チェルノブイリ事故の死者は4千人と報じられているが、実際には100万人が死亡しているとの報告書も出ている。どちらが正しいのか。

 真実は誰にもわからない。しかし、どちらが真実に近いかと問われれば100万人の方だろう。当時、ロシア、ウクライナ、ベララーシ各共和国では医療制度はモスクワ政府の管理下にあった。多くの医師は、患者が放射能汚染が原因と思われる癌などで亡くなったにもかかわらず、死亡診断書にそれを書かなかったことがわかっている。

原発20キロ以内を「警戒区域」へ法的に立ち入り制限

おなじみニュースウオッチ9で警戒区域の人たちにインタビューしていたが
全く緊迫感がないし、事実を知らされていないようだ。
飼育されていた牛、可哀想すぎる
みんなモーモー泣き叫んでいた。
こんなことすでに分かりきってたことなのに…
餌も与えられず死ぬのを待つだけなんて(泣)
人の命も動物の命も同じだ。

今日のニュースでも高濃度汚染水の原因は追求されなかった。

このままでは日本の海がダメになってしまう。

政府は早急に対策を立ててくれ。
政府じゃなくてもいい。

どうしてそんなに緊張感がないんだ!

自分がこんな思いになるのは
あの原発が爆発したとき以来だ。

どうしてみんな分かってくれない!

福島県飯舘村・現地レポート

2011年04月21日 | Weblog
【福島県飯舘村・現地レポート】
持続可能な村づくりを奪われた村――原子力災害の理不尽な実態

コメント不要。
詳細は読んで欲しい。

そのなかで
「飯舘村では20日ごろまでに、自主避難を含めて半数程度の村民が村外に避難していたと見られる。しかし、原発の状況が落ち着き始めると、家や家畜が心配だったり、仕事があったりして戻ってくる人が増えた。
 そんな中、県は放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した長崎大学の教授を村に派遣した。しかし、彼は村内の汚染状況にかなり差があることや、そこに住み続けるリスクを明確に示さず、「安全」、「直ちに健康に影響はない」と村民の前で断言して帰った。「子どもが外遊びをしても何も問題はない」とまで言い切ったという。」

4月1日のブログ参照
やはりあの長崎大の山下教授
現地の人に風評をばらまき大被害をもたらしていたようだ。

無能なやつは役に立たないどころか害になる。
権威だとか大学教授とかそんなモノを信用していては
有事の際にはひどい目にあうということだ。

自分で情報を判断し自分で行動することだ。
もちろんこのブログがすべて本当のことを書いているとも限らないぞ(笑)。

3月25日の謎

2011年04月21日 | Weblog
「東電は3月21日から原発近くの海水の放射能濃度を測定。放射性ヨウ素の濃度は、25日に前日の10倍以上に急増し、タービン建屋地下などで見つかった汚染水の海への流出が疑われていた。」

3月25日付近で何が起こっていたのか?

東北地方太平洋地震と福島原発メルトダウンから時系列に引用してみる。


圧力容器と格納容器内の現状分析

スクラム後1月を経るも、いまだにメクラ運転で、(中央制御室に照明がついても計器電源は死んだまま)炉心に消防ポンプで毎時数トンの海水を注入することしかできていない。この海水は炉心で蒸発し、サプレッション・チャンバーで再凝縮して格納容器内に温水となって溜まり続け、水素や希ガスなど不凝縮ガスは水にとけこまないため、格納容器の圧は上昇する。再度、ベントせざるを得ない事態になると考えられていた。しかし格納容器が破損し、水がジャジャもれで19-25日頃には格納容器内水面も一定になったようだ。一体どのくらい格納容器内に溜まるのか上の崩壊熱から計算してみた。3号機は燃料棒548本のうち32本はMOX燃料だったということなので、崩壊熱を10%増しにしてある。

計算結果が示す冷却に要する最小水量に対し東電はほぼ5倍の水を注入していたことが分かる。これは内部での冷却が効率よく行われていないことを意味する。27日になって発覚した2号機のタービン室の溜まり水はこれだけでなく、配管ピットにもみつかり、未確認だが、原子炉建屋地下を満杯にしているはずなのだ。そしてこの水には炉心の燃料棒と同じ組成の物質が発見された。

地震後20日間経過した時点で原子炉建屋地下、タービン建屋地下、配管ピットに溜まった水はほぼ実際に注入した量に匹敵する。即ち注入した水は全量1-3号機からもれていたということになる。即ち格納容器はジャジャ漏れということになる。冷却する最低限の水の注入でも地震後30日間経過すれば。サプレッション・チャンバーは満杯になり、不凝縮ガスが圧縮されるので早晩ガスをベントせざるを得なくなるはずという危惧は全く的はずであった。注水量と同量の水が漏れ出るのでもはやガスベントはしないで済むようになった。

水の垂れ流しを止めるために循環ポンプと循環水冷却器を動かさねばならない。しかしそれも絶望的だ。なぜなら循環ポンプは原子力建屋の地下に設置され汚染水に水没していると考えると水収支がぴったり一致するからだ。外部電源を10日目の3月21日に引き込みを開始し、23日には接続が完成したがあまり意味がない

3号機ではタービン室まで放射性コバルト、ヨウ素、バリウム、セシウム、プルトニウム238、239、240など燃料棒に含まれる物質を含む高濃度の水が溜まり、作業員のベータ線熱傷などあった。毎日750人の作業員を投入して4月1日になるも循環冷却システム稼動にむけ努力するという政治的発言をしている。タービン室地下室の水を炉心に注入すれば循環運転できるが塩が炉心に蓄積するのでそれもできない。格納容器から水が垂れ流しでは結局なにもできない。


消火ポンプ車による炉心への海水注入そして真水への切り替え

非常用ディーゼル発電機(400V、6,000V)が燃料タンク流失で停止したのち、東電は工事用ディーゼル発電機(200V、100V)を持ち込んだ。しかし電圧が違うため、当然つかえない。電力会社としては基本的なことが分かっていないドへま。そこで消防車を岸壁に置き、海水をくみあげてシビアアクシデント対策で用意されていた追設の消火系または復水補給系から残留熱除去系に送水するラインを使って圧力容器を冷却した。水は循環していなく、温まった温水をワンスルーで溜め込む方式だ。ホウ酸をどのように添加したかは不明。

25日、1-3号機は圧力容器のヘッドスプレイヘ送っていた海水を真水に切り替えた。しかし消防ポンプは同じものを連続使用している。ホウ素はもう充分だろうと真水に切り替えてからは添加していない。しかしこれは危険だ、圧力容器底部がこわれて注入水はジャジャ漏れだからホウ素は流れさってしまう。再臨界の心配は残る。27日、消防ポンプはそろそろ寿命が来るので仮設電動ポンプに交換することを検討していると報道される。

2号機を真水に切り替える準備をしていると25日に発表したが27日になるもできていない。

25日、米軍は沖合いにバージを浮かべ、バージと発電所をパイプで結び、真水を供給することを提案。自衛隊が運営をすることになった。曳航される映像はTVにでた。その後、岸壁に2隻接岸したTV映像が4月6日海上30kmからNHKが撮影して紹介した。接岸は多分タグボートの支援があったのだろう。これを真水の供給と汚染水の一次貯蔵に使うと報道されている。その後、バージは姿を消した。


分かりにくいと思うがよく理解して欲しい。
25日あたりは消防ポンプ車による海水の注入が本格的に行われた頃だと思って欲しい。
(それまではヘリコプターや放水車で屋上から水をぶっかけてた)
すなわち今の状況もこれに変わりはない。
ポンプ車(電動ポンプ)が水を炉心に注入し続けているだけだ。
(そしてダダ漏れ…)

バージはどこに行っちゃったんだろう?
汚染水の回収が不可能であることがわかったのだろう。

外部電源が回復したという報道で
我々はもともと施設にあった循環施設が復旧したような気になっていたし
わざとミスリードしてきたのだろう。

どうだろう?
これが安全な状態だろうか?

海に流れた汚染水、4700兆ベクレル 低濃度の3万倍!

2011年04月21日 | Weblog
海に流れた汚染水、4700兆ベクレル 低濃度の3万倍

「東電は3月21日から原発近くの海水の放射能濃度を測定。放射性ヨウ素の濃度は、25日に前日の10倍以上に急増し、タービン建屋地下などで見つかった汚染水の海への流出が疑われていた。東電は「4月1日以前の汚染は、大気中に放出された放射性物質が海に落ちたか、土壌から雨で流れたためではないか」と説明していたが、高濃度汚染水が何らかのルートで1日以前から漏れ始めていた可能性もある。 」

東電さんこのブログ見てました?
数週間どころではありませんでしたね…翌日でした。

しかも搬出が問題になるどころか
高濃度汚染水が海に流れてるのがバレちゃいました。

理由は不明…ではありません!
もうわかってます。
東電さんも分かってましたよね。
隠蔽していただけです。

これで逃げ道がなくなりました。
海にこっそり流すことができなくなりました。

循環していない大量の汚染水をどうやって処理するつもりですか?

処理問題が大きく報道される前に
水棺の作り方を考えないと国民が大暴動を起こしますよ。

このブログを見に来る人の数が減ってきているのが心配です。
原発問題の解決はまだ始まったばかりで
スタートラインにもついてないんですよ!

自分の危険の煽り方が足りませんか?

武田先生は昨日の夜のブログでやっと給食問題に気がついてくれました。
だから、原発の今の危険性についても早く気がついてください。
残念ながら自分には力がありません。


絶望的な状況

2011年04月20日 | Weblog
今朝、新聞記事を見て原発廃止の必然性を初めて確信した。
そして以下の資料を見て欲しい。

東北地方太平洋地震と福島原発メルトダウン
これは、現在におけるすべての情報を網羅していると言っていいと思うが
非常に専門的で一般の人がこれを理解することは非常に困難だと思う。

そのなかで 京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞くというビデオインタビューは非常に分かりやすいので1時間に及ぶ動画だが必ず見ていただきたい。

要点は二つ。
①現在、原子炉は冷却はされているがその冷却水は循環されてはいない。
②メルトダウン→水蒸気爆発の可能性があり、その場合は日本全土が危険にさらされる可能性がわずかながら存在している。(これが本当の最悪シナリオだった!)

それ以外にも原発なんて中止しても何も困らないよとかあるけどまずは後回し。

①について
福島第1原発事故 東電、工程表 「水処理」「循環ルート」が課題
これが公表されても、難しすぎて自分にはわからないんだろうなと勝手に思って
チェックしてこなかったのを反省している。

これ、なんにも工程が示されてない!
「こうなったらいいな~」っていう東電の夢?が書いてあるだけ。
言葉を失ったよ。

冷却水が循環していないとはどういう事か?
これはチンチンに熱しているお釜を水で冷やす場面を思い浮かべて欲しい。
今やってるのはお釜に上から水(海水)をただひたすら掛け続けている状態。
循環とはお釜を大きなタライの中に入れてタライの水を氷を入れたりして冷やし続けるということ。
現在、放射能の飛散が低下しているのは放射能(大部分が希ガス)がポンプで汲み上げられた海水に溶けて下に流れ落ち、地下に溜まってるだけじゃん。
あるいは海に流されてるだけ。
炉から放出されるのが空気中か海中(地下水)かの違い。

だから、解決方法としては「圧力容器、格納容器、建屋地下室を一体とみなし」それを完全に覆ってしまう大きなタライを用意し→これが「水棺」ということ。

その放射能が大量に含まれたタライの水から常に放射能を除去しながら中の水を冷やし続けるというのが「循環」と「水(の放射能)処理」

分かっていただけるだろうか?
東電はその方法について何も述べていないのである!

どうやってタライを作るのか?
それが今回の事故の最大の難関である。
その解決法がまだわかってないのに「3ヶ月で出来たらいいなぁ~」って発表したんだぞ!

それが解決されるまで放射能がただひたすら漏れ続ける。
溜まった地下水はタンカーで搬出する?
地下水は放射能高すぎて作業員でさえ近づけないのに?

はっきり言って武田先生の予想は、楽観過ぎて間違っていると思う。
空気中の放射能濃度の低下は遠隔地の人々の安全にはなると思うが
原発事故が収束に向かっているわけではない。

確かに第一段階=爆発は避けられているし冷却はされているので
このまま日数が経てば炉の放射能が低下することも考えられる
しかし外部への放射能の漏出は継続することになる。
その間上から掛けた水は下に溜まりそれを運びだしてまた新しい水を掛けるという作業をし続けるんだぞ。
もちろんその一部は海に流れ出るだろう。
それって収束?
それがちょっとでも滞たら爆発ね。

「循環してない」ってことは絶望的な状況だ。

②について
もう疲れちゃったから動画見て。
最悪の最悪の最悪であるシナリオというのがまだあったとは!

自分は危険を煽るわけでも
みんなを安心させようとか思って書くことはない
それはこれまでこのブログを続けてみてくれた人は分かってくれると思う。

自分が安心だと思ったら安心という。
危険だと思ったら危険だという。

今の状況は絶望的な状況だと思う。

テレビでも原発事故の扱いが減ってきた
海に放射能が流されてるだけなのに…

予言しよう。
ここ数週間以内に、溜まった高放射能汚染水の処理(搬出)が大問題になるだろう。

それは、あたかもくみ取り式トイレの汚水が溢れ出す状況に似ている。