<福島第1原発>トレンチ水位2センチ低下 2号機
トレンチという構造物が東電の隠蔽のために理解できなかったので
それの水位がどういう意味を持っているかわからなかった。
今回、構造図があったので考察してみた。
タービン建屋とトレンチの関係図
タービン建屋の一番下部に位置している復水器の下部からどうやらトレンチを通じて
海へとトンネルが繋がっているようだ。
「トレンチはタービン建屋と海との間にある凹字形トンネルで、非常用電源を冷やすための海水が通る配管や海水をくみ上げるポンプのケーブルなどを納めている。」
重要なのはトレンチの高さ(海抜高度)だ。
図を見る限りどうやらタービン建屋のかなり低い位置が海抜高度のようだ。
タービンの高さ=復水器の最上部がおそらく地上のレベルと書いた。
ここに原子炉の圧力容器からつながる蒸気の配管があり
原子炉建屋ではこのレベルまで水没している。
そこから滝のようにタービン建屋の復水器の下部に向かって汚染水が
流れ落ちていると想像できる。
(復水器の一番下部にピットというのがあるらしい?)
ここで想定外のことが判明した。
図をよく見て欲しい。
トレンチの海側の出口の高さが復水器の半分ぐらいまでしかない。
(あくまで図が、ある程度正確であると仮定する)
サイフォンの原理により(厳密にはちょっと違うけど許して)
トンネルの出口よりタービン建屋の水位が高くなるとトレンチから水が溢れ出てくることになる。
つまり復水器の半分ぐらいまでしかタービン建屋には水が貯められないのだ。
もちろんこの高さは原子炉建屋の汚染水の水位より低いので
原子炉建屋からはどんどん水が流れ落ちてくる。
あの何の変哲もないトレンチの小さな穴は
タービン建屋地下に溜まった汚染水の水位を表しているのである。
だから作業員が必死になってここから汚染水が溢れてこないように作業しているのだ。
しかし、海からわずか55mしか離れてないのでコンクリートから海に染み出てると仮定してよいだろう。
前のブログで引用したところによると
「4月1日、海水スクリーン横から高濃度汚染水が取水口の海に漏水しているのが見つかった。これはセメントで漏れ止めしたが止まらない。吸水性高分子ポリマーを流し込んでも止まらない。コンクリート製トレンチの下に敷いた敷石層が水脈となって流出していると見られる。流出量は7ton/h程度、2号機への注水量とほぼバランスしている。敷石層に水ガラス(珪酸ソーダ)を注入して流量は少なくなり、ついに4月6日完全に止まった。」
汚染水が漏れでてきていたのはトレンチの出口そのものではなくその横あたりからのようだ。
水ガラスで塞いだのはトレンチの出口ではない。
(むしろ出口からポンプで排水しているのか?)
そして今現在がタービン建屋地下の貯水可能な上限レベルのようだ。
結局、タービン建屋を原子炉建屋の地下と同じ水位まで満たすことはできないのだ。
そして、まだ時間的に余裕があると思われてきた
カウントダウンはすでに残り僅かであるようだ。
…で最初の記事
「トレンチの立て坑に設置したポンプで汚染水をくみ上げ、集中環境施設のうちの最も容量の大きいプロセス主建屋地下2階に汚染水を移送している。5月14日ごろまでに計1万トンを移送する予定だ。」
もうすでに
原子炉→原子炉建屋地下→タービン建屋地下→トレンチ→ポンプで排出
→集中環境施設
という汚染水のルートが完成し、最終局面に到達している。
集中環境施設の貯水量は地下だけで約5万4000トン
汚水の流出量は7ton/h程度(2号機への注水量とほぼバランスしている)
トレンチからこの量の汚染水が流出してきていると仮定すれば
ここを塞ぐ手立てがないことが説明できる。
ちなみに約1ヶ月で1万トン排出というのは
1万÷30÷24=14ton/h の排出を想定しているようだ。
集中環境施設は空であったから2号機だけで5ヶ月分。
移送計画に1、3号機が含まれているのか不明だが、これ以上持ちこたえられないのは確実。
結論
①タービン建屋を水棺にすることはできない。
②トレンチの水位はものすごく重要である。
③放っておくとトレンチから高濃度汚染水が溢れでてくる。
④もう時間がない。
トレンチという構造物が東電の隠蔽のために理解できなかったので
それの水位がどういう意味を持っているかわからなかった。
今回、構造図があったので考察してみた。
タービン建屋とトレンチの関係図
タービン建屋の一番下部に位置している復水器の下部からどうやらトレンチを通じて
海へとトンネルが繋がっているようだ。
「トレンチはタービン建屋と海との間にある凹字形トンネルで、非常用電源を冷やすための海水が通る配管や海水をくみ上げるポンプのケーブルなどを納めている。」
重要なのはトレンチの高さ(海抜高度)だ。
図を見る限りどうやらタービン建屋のかなり低い位置が海抜高度のようだ。
タービンの高さ=復水器の最上部がおそらく地上のレベルと書いた。
ここに原子炉の圧力容器からつながる蒸気の配管があり
原子炉建屋ではこのレベルまで水没している。
そこから滝のようにタービン建屋の復水器の下部に向かって汚染水が
流れ落ちていると想像できる。
(復水器の一番下部にピットというのがあるらしい?)
ここで想定外のことが判明した。
図をよく見て欲しい。
トレンチの海側の出口の高さが復水器の半分ぐらいまでしかない。
(あくまで図が、ある程度正確であると仮定する)
サイフォンの原理により(厳密にはちょっと違うけど許して)
トンネルの出口よりタービン建屋の水位が高くなるとトレンチから水が溢れ出てくることになる。
つまり復水器の半分ぐらいまでしかタービン建屋には水が貯められないのだ。
もちろんこの高さは原子炉建屋の汚染水の水位より低いので
原子炉建屋からはどんどん水が流れ落ちてくる。
あの何の変哲もないトレンチの小さな穴は
タービン建屋地下に溜まった汚染水の水位を表しているのである。
だから作業員が必死になってここから汚染水が溢れてこないように作業しているのだ。
しかし、海からわずか55mしか離れてないのでコンクリートから海に染み出てると仮定してよいだろう。
前のブログで引用したところによると
「4月1日、海水スクリーン横から高濃度汚染水が取水口の海に漏水しているのが見つかった。これはセメントで漏れ止めしたが止まらない。吸水性高分子ポリマーを流し込んでも止まらない。コンクリート製トレンチの下に敷いた敷石層が水脈となって流出していると見られる。流出量は7ton/h程度、2号機への注水量とほぼバランスしている。敷石層に水ガラス(珪酸ソーダ)を注入して流量は少なくなり、ついに4月6日完全に止まった。」
汚染水が漏れでてきていたのはトレンチの出口そのものではなくその横あたりからのようだ。
水ガラスで塞いだのはトレンチの出口ではない。
(むしろ出口からポンプで排水しているのか?)
そして今現在がタービン建屋地下の貯水可能な上限レベルのようだ。
結局、タービン建屋を原子炉建屋の地下と同じ水位まで満たすことはできないのだ。
そして、まだ時間的に余裕があると思われてきた
カウントダウンはすでに残り僅かであるようだ。
…で最初の記事
「トレンチの立て坑に設置したポンプで汚染水をくみ上げ、集中環境施設のうちの最も容量の大きいプロセス主建屋地下2階に汚染水を移送している。5月14日ごろまでに計1万トンを移送する予定だ。」
もうすでに
原子炉→原子炉建屋地下→タービン建屋地下→トレンチ→ポンプで排出
→集中環境施設
という汚染水のルートが完成し、最終局面に到達している。
集中環境施設の貯水量は地下だけで約5万4000トン
汚水の流出量は7ton/h程度(2号機への注水量とほぼバランスしている)
トレンチからこの量の汚染水が流出してきていると仮定すれば
ここを塞ぐ手立てがないことが説明できる。
ちなみに約1ヶ月で1万トン排出というのは
1万÷30÷24=14ton/h の排出を想定しているようだ。
集中環境施設は空であったから2号機だけで5ヶ月分。
移送計画に1、3号機が含まれているのか不明だが、これ以上持ちこたえられないのは確実。
結論
①タービン建屋を水棺にすることはできない。
②トレンチの水位はものすごく重要である。
③放っておくとトレンチから高濃度汚染水が溢れでてくる。
④もう時間がない。