メルツのドネルケバブログ

ドネルケバブの話をざっくばらんに書いてます

ケバブのスタイルについて語ってみた Part 2(バケットとバーガースタイル)

2017-05-23 23:33:34 | ケバブの話題

ケバブを注文する時。

 

「ケバブをどうやって食べるか」という決断を、私たちはしています。私はお客さんサイド側の人間として人一倍、ケバブを注文する方々を見ているのですが、ケバブ屋の店頭にあるメニューを見て自分のお腹や財布の空き具合を伺いながら、「サンド」なのか「ラップ」なのか、はたまた「丼」…そのチョイスには人生が垣間見えるなと勝手に思っています。

 

それはさておき、ケバブを食べるスタイルというのは列挙すると意外と多いもの。自分が思っているだけでもこれだけの種類があります。

 

▼Part 1

・ピタパン

・トルティーヤ(ラップ)

▼今回

・バケット

・バーガースタイル

▼Part 3

・丼 or ライス

・弁当

▼未定

・おつまみ or ボックス

・その他

 

それぞれについていくつかパートを分けながら、思いつくままに書いてみたいと思います。

 

●バケット

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バケットは、トルコではスタンダードな食べ方で、トルコ系のケバブ屋でたまに見られるスタイルです。フランスパンのような形のパンに、お肉、玉ねぎ、トマトを挟んで食べるのが主流。ちなみにソースは無しを推奨しているお店もあり、トルコにはソースをかける文化は無いので、ソース無しにするとよりトルコに近付けます。

 

トルコではチェイレク・エキメキ(çeyrek ekmek、クォーターのパンという意)に、具材を詰めてファーストフードや軽食として食べるようで、例えばサバやココレチ(刻んだ羊の腸のスパイス炒め)、キョフテ(トルコ版ハンバーグ)など、ドネルケバブ以外にも種類があります。

 

腹持ちが良く、噛みごたえもあるので、量的には1食分として考えていいでしょう。体感的には、バケット>ラップ>サンドの順で食べごたえがあります。本場感を味わいたい方にもオススメできるスタイルです。ただ、量が多くパン自体の原価も恐らく高いので、値段はラップと同等あるいは少し高くなる場合が多いです。

 

普段通っているケバブ屋にこれがあれば、1回は頼んでみたいメニューです。

 

●バーガースタイル

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ハンバーガーのようにパンズで挟むスタイル。何と呼べばいいか迷った末、暫定的にバーガースタイルと名付けております。こちらはドイツなど中欧ではこのスタイルが一般的なように見受けられます。日本ではあまり普及しておらず、自分も東京に3店舗しか知りません。

 

正直な話、こちらのほうがピタパンよりも食べやすく、見栄えも遜色なく、ポテトや飲み物など様々なサイドメニューとも合わせやすいのではと考えています。ただ作り手視点を想像すると、ピタパンよりもお肉を含む具材を詰め込む作業が大変になって、回転率的に問題なのではと思ってしまいます。

 

海外では基本的にソースは入れないことが多く、私が知っているお店もソースをかけない店、かけているけどソースがそもそも控えめな店、普通にソースをかける店と三者三様。どちらでも美味しく食べれそうですが、中欧などの味でということなら、やはりソース無しが本場感を味わえるでしょう。

 

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ケバブのスタイルについて語ってみた Part 1(ピタパンとトルティーヤ)

2017-05-21 23:07:05 | ケバブの話題

ケバブを注文する時。

 

絶対に「ケバブをどうやって食べるか」という決断を私たちはすることになります。私はお客さんサイド側の人間としては人一倍、ケバブを注文している方々を見ているのですが、ケバブ屋の店頭にあるメニューを見て自分のお腹や財布の空き具合を伺いながら、「サンド」なのか「ラップ」なのか、はたまた「丼」…そのチョイスには人生が垣間見えるなと勝手に思っています。

 

それはさておき、ケバブを食べるスタイルというのは列挙すると意外と多いもの。自分が思っているだけでもこれだけの種類があります。

 

▼今回

・ピタパン

・トルティーヤ(ラップ)

▼Part 2

・バケット

・バーガースタイル

▼Part 3

・丼 or ライス

・弁当

▼未定

・おつまみ or ボックス

・その他

 

それぞれについていくつかパートを分けながら、思いつくままに書いてみたいと思います。

 

●ピタパン

日本のケバブと言えば、まずはこのスタイル。よく「サンド」と呼ばれています。日本の無数のケバブ屋は、ピタパンにお肉や野菜を入れてケバブを提供しています。やはり見た目のインパクトは、トルティーヤで巻いたりバケットで挟んだりするよりも大いにあります。

 

ケバブの本場であるトルコ、ドイツなどの中欧では一般的ではないのですが、韓国や台湾など近隣のアジア諸国や南ヨーロッパ等、案外ピタパンスタイルは世界的に広く分布しているのではないかと思っています。

 

さてこのピタパンですが、まず温め方が個性豊か。ホットプレートや鉄板上で焼いたり、ケバブ焼き器の火元にかざして温めたり、変わり種だとケバブ焼き器の上に網を置いて温める人も。

 

ちなみにピタパンに挟める量ですが、平均は260g前後。体感では290gを超すとピタパンが内側から破ける可能性が跳ね上がってきます。おやつから1食レベルまで、幅広くカバーできるあたりが優れていますね。お店によってはピタパンのサイズが選択できるお店もあります。

 

実は仕入先は国内でも数えるぐらいしか無いようで、ほとんど同じパンを使っています。なので、近所にある他のケバブ屋に「ごめんパン貸して」と駆け込む光景を見たことが2度あります。

 

●トルティーヤ

よく「ラップ」と呼ばれるスタイル。日本国内では、関東よりも関西や札幌で普及が進んでいる印象です。

 

ピタパンが「挟む」のに対して、トルティーヤは「巻く」。なので、トルコ語でも巻くという意味のドゥルム(Dürüm)と呼ばれています。ただトルコの場合はユフカというトルコのパンで巻くのですが、日本を含む外国では手に入りにくいのでトルティーヤで代用しています。

 

本場のトルコやヨーロッパはこちらが主流。1990年代に開発された食べ方と言われていて、150年以上のドネルケバブの歴史の中でも、だいぶ新しいスタイル。トルコでは他にもシシケバブやアダナケバブ、ブルグルなどをファーストフードとして食べる場合には、このように巻いて食べています。

 

▼ラムのシシケバブを巻いたもの(ケバブファクトリー(浅草))

ピタパンよりも多くの量を入れられるため、多くのケバブ屋さんではラップの値段はサンドに比べて高く設定しています。ただケバブ屋さんごとに直径が異なるので、一概にピタパンよりも多いとは言えないということもご了承ください。

 

ケバブラップを包むものは紙の場合とアルミの場合があります。アルミの場合は、ソースが染み出て底にたまっていても外からではわからなかったり、湿気でトルティーヤに引っ付いたアルミを取るきれずにそのまま食べたりするなど危険もあるので、食べる際は慎重さが求められます。

 

ちなみにケバブとよく似ていると言われるメキシコのタコスは定義上、「トルティーヤで巻いたもの」がタコスになるらしく、トルティーヤで作られているケバブラップは、広い意味でタコスと言えます。さらに言うと、メキシコにはレバノン系移民がドネルケバブにヒントを得て発明して広めた「アル・パストール」というケバブラップそのままの食べ物が、1970年代に誕生しています。ただ「アル・パストール」の場合はお肉が豚肉になることがあります。

 

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お祭りの屋台のケバブを食べたことが無い

2017-05-14 22:46:03 | ケバブの話題

「お祭りの屋台で見たことある」

「お祭りで食べたけどそんなに美味しくなかった」

 

ケバブの話をすると必ずと言っていいほど登場するお祭りのケバブ。いまケバブはお祭りでもメジャーな存在になりつつあります。今年の正月に明治神宮に行ったのですが、ケバブをやっている屋台を3店見かけました。

 

実は、私はお祭りの屋台のケバブを1食べたことがないです。

 

理由は2つ、「安全への不安」と「美味しいかどうかという不安」です。これから理由について書いていこうと思いますが、まず当記事は私の経験が基になっておりますのでご了承ください。また、安全に十分に配慮し、丁寧なケバブづくりをしているお祭りの屋台のケバブも多くあること、併せてご理解いただけたら幸いです。

 

・「安全への不安」

法律や衛生などを遵守して、安全な食べ物を提供して欲しいと私は常に思っています。事実、屋台を含め多くの事業者の方は最善を尽くして下さっていると信じているのですが、正直私の目で見た範囲では、お祭りの屋台全般について安全面での印象があまり良くないのです。

 

ケバブは他の食品同様、食中毒など健康被害のリスクがあります。事実、厚生労働省が把握しているだけで、平成27年には2件、平成28年には1件、ケバブによる食中毒事例が発生しました。

 

(出展)

厚生労働省―食中毒統計資料

厚生労働省 より

 

むろんがケバブだけ他の食品と比べて食中毒のリスクが抜群に高いわけではなく、模擬店だけの食中毒事例を集めたWebページを見ても58件中ケバブは3件で、そうめん(3件)と同じ、餅(12件)のほうがリスクが高いです。

 

(出展)

模擬店や野外調理などでの食中毒事例

食品衛生なんでも相談室 より

 

しかし、ケバブと他の食品が大きく違うところは、技術や経験が必要なところです。ケバブは表面を炙って焼けている部分を的確に切る必要があります。逆に言えば、焼けていない生の部分まで切ってしまう可能性があって、ここはケバブ屋がお肉を切る際に一番気をつけている点です。特に屋台では鶏肉を使用する場合が多いですから、生は本当に危険です。

 

屋台のケバブの中にも店名があり、ネットで検索すれば良い評価があるケバブ屋もあります。先ほど取り上げた明治神宮の場合、3店中1店はそうしたお店でした。(ココ超重要)

 

その一方で「ドネルケバブ」とか「ケバブ」しか書いていない、肉の切り方が覚束なかったり、機材のメンテを明らかにサボっていたりなど、見る人が見ると「ヤバい」と思うのお店もあるのです。

 

・美味しいかどうか不安

近年激増した屋台のケバブ。多くは手作りで肉やソースを作っているわけではなく、出来合いのものを買います。そう、野菜さえ切ってしまえば、あとは機材も含めて簡単に手に入るからこそ、激増したと言えます。

 

きちんとされているケバブ屋は、肉、ソースや野菜など食材の特性をよく理解して、こだわりをもってケバブを提供しています。

 

しかし、中には「どうなの?」と思わず問い詰めたくなるお店もあります。パンが食べてて違いがわかりやすいポイントだと思います。というのも、全国のケバブ屋で使われるピタパンはだいたい同じだからです。

 

パンは冷えると固く、常時温めているとバサバサになります。また焼いていない場合は何か生っぽい感じの匂いがして、さらに食感がモゾモゾします。屋台で「ヤバい」と思ったケバブ屋を観察すると、そもそもパンを焼いてすらいないところがありました。

 

食材が簡単に手に入る現在、お肉やソースなど業者が作る部分については、ある程度味が担保されています。しかし、上記のパンなど違いが出るところ。そもそもケバブの肉を美味しく切ること自体技術や経験が必要なので、そういった美味しさに関わる細かいところに見ていて不安を感じます。

 

・まとめ

友人が実施した、ケバブについてのアンケート

以前、友人がケバブについて周囲の人にアンケートを取ったのですが、ケバブを食べないと答えた人の多くは衛生面に不安を感じていました。多くのケバブ屋では、細心の注意を払い安全なケバブを提供しようとベストを尽くしていますし、統計上バブだけが特別危険なわけではありません。ただ、残念ながらそうではないお店もあり、私の目で見たところお祭りの屋台のケバブは、そうした店が多いです。またそういう屋台は、美味しさなど品質的な要素からも問題があります。

 

お祭りの屋台でケバブを食べる場合には、まず店名があるかを確かめる、そしてネットで店名を検索したらヒットするか、この2点は必ず行った良いと思っていて、私は屋台を見かけるたびにやっています。

 




ケバブ見聞録 「バラン バー ケバブ」(札幌・すすきの)

2017-05-06 00:04:19 | 見聞録(ケバブ屋・トルコ料理屋情報)

いつも行っているケバブ屋さんに「札幌に友達はいるか」と聞いたところ紹介を頂いたのが、こちら「バラン バー ケバブ」さん。事前のイメージとはかけ離れた賑やかな外観に思わず立ち尽くしたのですが、勇気を出してお店に入ってみると、そこは日本全国で最もCOOLなケバブバーでした。

 

▼バラン バー ケバブ外観

 

お店は東京・錦糸町にもあった夜のみの営業(18時開店)。夜の街すすきのだからこその営業時間です。またお肉を売り切ったらバーのみの営業になる点もポイントですので、ケバブを召し上がりたい方はその点をご了承ください。

 

▼営業時間

 

バーのメニューは私の好きなイエーガーマイスターもあるなど充実した内容です。たまにビールや簡単なカクテルだけで、バーやバルを名乗るケバブ屋さんがいますが、こちらはむしろ本格的なバーとケバブがそれぞれ両立しているイメージです。

 

▼バーのメニュー

 

さて肝心のケバブですが、こちらはお肉はチキンのみで食べ方もラップのみです。

 

まずお肉が保温ジャーを使わずに、焼き立てを必要な分にその都度焼いて削ぐ丁寧なスタイル。なので、お肉がパサパサせずに脂とのバランスも良いです。またラップは直火でしっかり焼くので、温かくて食べる時に香ばしい風味がします。普通は鉄板で焼くので、ここまで短時間にしっかりとは焼けません。

 

 

▼ケバブ

 

▼店内でお酒と共に頂くのもOK

※↑写真は常連の方より頂戴しました。ありがとうございました。

 

こちらでもハバネロをかけて頂くことができるのですが、ハバネロをかけて辛口にした方がお酒との相性が良いです。大きさもお酒が入った状態でも食べやすい大きさで、お肉と野菜とのバランスもちょうど私好み。実際結構な人気で、マスターのバランさんとお話ししようとしてもお客さんがひっきりなしにいらっしゃいます。

 

▼金・土・日でオールナイトDJやってます

 

ケバブを食べて飲んで、常連の方やマスターのバランさんとお話して、行った日が日曜日だったのでマスターのバランさんがかける音楽に乗って…気が付けば20時にはお店にいたはずなのに朝の3時を過ぎていました。全国見渡しても納得のオンリーワンなすごいお店でした。

 

バラン バー ケバブ(食べログ)

 

・バラン バー ケバブ(Facebookページ)




ケバブ見聞録 「ドネルケバブ アイチャ」(札幌)

2017-05-05 23:01:12 | 見聞録(ケバブ屋・トルコ料理屋情報)

札幌で気になっていたケバブ屋さんの1つが、「ドネルケバブ アイチヤ」でした。というのも、グルメサイトでお店を確認したところ、営業時間が「完全予約制」という今まで見たことがない形態だったからです。

 

▼グルメサイト(食べログ)からの抜粋

 

札幌到着後、ダメもとでお店に問い合わせをしたところ、この日は大通でお店を出店されているとのことだったので、早速お邪魔しました。

 

▼大通の出店スペース

 

外から見れるメニューは主に4種類でした。

・ケバブサンド

・ケバブラップ

・ケバブタコス

・ケバブライス

 

▼メニュー

 

お店に入り、注文したのはケバブサンド。お肉はチキンのみで、野菜にキャベツではなくレタスを使用しているのが特徴です。キャベツにはない彩りと食感を楽しめます。またトマトが2枚使われているのもポイントです。

 

▼ケバブサンド

 

テーブルにはハバネロやピクルスなど、味のアクセントとなる調味料がずらり。お肉もソースもとても美味しく丁寧にできているのですが、さらに自分流のカスタマイズをすることができます。中にはトルコ産のものもあります。

 

▼テーブルの調味料(緑色の蓋の瓶はトルコ産です)

 

さて、ここでケバブを食べに北海道に来たことをマスターに伝えると、お店のことや札幌のケバブ事情について教えてくださいました。

 

・お店について

まず「ドネルケバブ アイチャ」さんは、古くから札幌でトルコ料理屋とケバブ屋を営まれており、まさに札幌のケバブを引っ張ってきた草分け的なお店です。野菜にレタスを使用したり調味料でカスタマイズできるようにしたりと、本場トルコのスタイルにこだわっています。

 

グルメサイトでの「完全予約制」の意味は、完全予約制のトルコ料理屋を営まれながら、イベント等でケバブ屋を出されているとのことで、マスターお手製のトルコ料理を頂きたい場合は要予約とのこと。電話等で直接ご連絡する形になるのですが、予約の時間や人数、メニュー等は柔軟に対応してくださるとのこと。私も次回札幌を訪れる機会があれば、事前にご連絡してトルコ料理を頂きたいと思います。

 

・札幌のケバブ事情

札幌と本州のケバブが最も違う点は、札幌ではサンドではなくラップが主流な点。本場のトルコや欧州ではドネルケバブといったらラップ一択なのですが、札幌も同じくラップが主流とのこと。お店で最も人気なのはラップなんだそうです。

 

今度訪れる時はぜひトルコ料理を頂きたいです。

 

ドネルケバブ アイチャ(公式ウェブページ)

・ドネルケバブ アイチャ(食べログ)