中途半端な税制の改革だとか、政策にまったく関係ない政界再編の動きだとか、鬱になりそうなニュースがつづいているが、ふと、最近の日本の問題の根源は、政治でも経済でも自浄作用が働かないことにあるのではないかと思う。
通常は何か問題が発生すれば、それを解決するための代替案や代替システムが示され選択されるわけだが、昔と異なるのは、いかなる選択であっても国内の利害対立が以前よりも避けがたいものとして存在し、そもそも選べないし、選んだとしてもどちらかを選択した場合の利害調整を柔軟に行う機能が失われているのだ(利害調整できないから選べないのかも)。
ヴェネツィア共和国が、一個人のリーダーに頼らず集団指導体制のまま1千年にもわたり環境変化に対応できたのはなぜだろうかと考えてみたが、結局のところ全体のパイを増やすという線に合意しえたためではないかという思いに終始する。
というわけで別に解も無いわけだが、読み物として非常に面白いし、長続きしうるコミュニティというものの要諦を見る気がする。
通常は何か問題が発生すれば、それを解決するための代替案や代替システムが示され選択されるわけだが、昔と異なるのは、いかなる選択であっても国内の利害対立が以前よりも避けがたいものとして存在し、そもそも選べないし、選んだとしてもどちらかを選択した場合の利害調整を柔軟に行う機能が失われているのだ(利害調整できないから選べないのかも)。
ヴェネツィア共和国が、一個人のリーダーに頼らず集団指導体制のまま1千年にもわたり環境変化に対応できたのはなぜだろうかと考えてみたが、結局のところ全体のパイを増やすという線に合意しえたためではないかという思いに終始する。
というわけで別に解も無いわけだが、読み物として非常に面白いし、長続きしうるコミュニティというものの要諦を見る気がする。
海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) | |
塩野 七生 | |
新潮社 |