かやのなか

あれやこれやと考える

眼鏡をやった話

2019-08-23 00:21:22 | 日々のこと
 常用している丸眼鏡を壊した。つると本体を繋ぐネジの部分が曲がってしまった。曲がったのは片側だけで、もう片方は無事だが、もはや使用は不可能なダメージであった。
 購入した店に修理を頼んだら、その店舗では直せず、一度工場の職人の元に送り返すという。修理が終わって返ってくるのに一月以上かかるらしい。硬い金属のフレームが気に入っていたのだが、弾性がないうえに特殊な素材なので扱いが難しいらしい。わずか二ヶ月あまり前に思い切って購入した高級眼鏡(といっても当社比)なので、流石に落ち込む。壊れた原因は、床でのうたた寝および寝返りである。象がうっかり人を踏んだときもこんな気分なのだろうか。いや、象はもう少し賢い。

おひさし

2019-08-22 00:54:12 | ショートショート
お久しぶりです。
気づけば東京に引っ越して一年が経っていたりして。
愛宕山登山は、しばらく京都から離れるための登り納めでもあった。


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新しい土地にも大分慣れてきた。
帰り道。
今日は雨で路面が濡れていたせいか、まず歩道橋に今にも階段を踏み外しそうな酔っぱらいの女性がいたので、声をかけた。

私「大丈夫ですか?」
女性「大丈夫!もう酔っ払いだから!もう大丈夫ですから!ありがとう!」

まぁ前後不覚に陥っているわけでもなさそうなので、会釈して通り過ぎようとしたら、後ろから「ありがとう!ありがとう!」としつこいほどの感謝の声。
申し訳ないけども振り切って歩くか、立ち止まって様子を見るか迷っていたところ、十米程も歩かないうちに、「ここなんです!ありがとう!」と聞こえたので振り返ると、彼女は道路脇のシャッターが降りた小売業店舗兼住宅といった建物に入らんとするところだった。会釈してそそくさとその場を離れた。
家路を急いでいると、今度は、歩道の先にしゃがみこんだ老人の背中があらわれた。脇に、中年の男女が立っている。
またか、と思いながら近づき、男女の方に「大丈夫ですか」と声をかけたら、女性から「大丈夫です、救急車呼んだので」とすかさず返事。
みると、座り込んだ老人の額には血がべっとり付着していた。ただし流血は止まっており、意識もしっかりしていそうではあった。
折しも前方から救急車の音が近づいてきた。
そのまま三人を後にし、コンビニに入って水とゼリーを買った。