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有言・無言の説得力

2016-06-01 05:28:45 | 国際・政治
頭の中は、現実とは別の世界である。この脳裏にある非現実の世界を表現するには、言語に時制 (tense) が必要である。だが、日本語には時制が無い。だから、頭の中の内容を文章にして表現することができない。我々日本人は仏教徒と言われているが、前世や来世の内容の脳裏における展開は良くない。だから、輪廻の苦しみもない。切に涅槃を求めることもない。頭の中の内容を表現しようとすると、’そんなことを言っても駄目だぞ、現実はそうなってはいない’ と反論される。非現実の内容を現実に変換することができれば、我々は創造力を手に入れたことになる。だから、非現実の内容の文章化は重要である。

文章があれば意味がある。話に筋が通る。相手に対して説得力がある。交渉力がある。
文章がないと意味がない。説得力がない。交渉力が無い。相手の言いなりになるしかない。
だが、日本語の文章にならないバラバラな単語だけでも、それらはある気分・雰囲気を伝えることができる。以心伝心か、歌詠みか。おかげで細工物の仕上りが良い。海外に対しても無言の説得力がある。これは、文句なく非言語の力である。かくして、世界中から我が国に金が還流してくる。我が国は経済大国になることができた。

交渉力を高めるには、大同を相手に提示する必要がある。お互いに小異を捨てて大同につくのが狙いである。
小異は現実であるが、大同は非現実・理想である。この非現実の内容に筋を通すのが雄弁である。言語に時制がないと、非現実の内容は文章にならない。矛盾も排除できない。この難関を突破するのが我々の当面の課題である。我々は時制のある英語の力を借りる必要がある。だから、我々は英語教育に力を入れなくてはならない。さすれば我々は、無言の説得力の上に、有言の説得力を持つにいたることになる。

言語を使うと、理屈を通して言語的に、理性による説得を行うことができる。
言語を使わないでも、理屈を通すことなく非言語的に、感性による説得を行うことができる。
学問 (verbal) と芸術 (nonverbal) は、どちらも我々の生活に必要である。


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