空気調和設備の設計を仕事にしている。
と言っても、エアコンの機械を設計しているのではなく、建物にどう言った空調機を設置していくかを計画していくのが仕事なのだ。
空調機を選んでいくのに、大事な工程があります。それは、計画する建物に、どのくらいの能力の空調機が必要かを計算する<空調負荷計算>なのだ。
この時期部屋の中って当然暑くなりますよね?
その熱はどこから来ているのか…。大きく分けると以下の通り。
・外からの熱の侵入。外気に触れている壁の構造、及び面積と東西南北の方向
・外気が部屋に侵入する量はどのくらいか
・部屋の中に熱を発生する器具がある
と、この様な要因を建築からいただく図面から読み取ります。
細かい作業ですが、この作業が空調が利く利かないの基本中の基本。抜けがない様に、しっかり拾って後はPCに入力。
ここで触れたいのは、上記で書いている外からの熱の侵入。
部屋の中の温度と、外の空気の温度。当然温度差が大きい方が、大きな空調機が必要になります。
問題は…
過去10年の平均最高温度と言う数値を採用、外の空気の温度として計算していたんですが、その温度が関東では33℃前後となっていました。
ん?一昨年辺りから最高気温は、平気に35℃を越えちゃってますね。
北関東の前橋では、一昨日確か37℃。
そうなんです。過去使っていた最高金の設定…33℃を4℃も越えちゃってるんですよぉ。
この4℃、空調機を選定する場合、計算結果には大きく影響を及ぼします。設定をもっと上げるべきか…設備設計屋の雑談に、特に最近話題に上ります。
「外気温度が33℃まで上がっても、空調が利いていれば良し。35℃になったら空調が利かなくなっている…これは設計屋の計算精度が高い証拠!エアコンが利かないって文句が来たら、堂々と“空調機の選定ピッタリですね”と胸張っちゃいましょう!」
↑ 冗談交じりですが、空調設計屋さん達はそっと話してます。
でも本当は…35℃なんて温度になると、電話が鳴るのが怖くなります。
「エアコン利かないぞっ!計算ミスじゃないのかっ!」
怖いですねぇ(笑)