本書については8月12日に取り上げたが、その2として終戦直後のことについて、
触れておきたい。
歴史の教科書では紙面の制約のために2、3行で記述されていることが生き生きと
語られている。
『詳説日本史』(山川出版社)
昭和天皇のいわゆる「聖断」によりポツダム宣言受諾が決定され、8月14日、
政府はこれを連合国に通告した。8月15日正午、天皇のラジオ放送で戦争終結が
全国民に発表された。9月2日、東京湾内のアメリカ軍艦ミズーリ号で日本政府お
よび軍代表が降伏文書に署名して、4年にわたった太平洋戦争は終了した。
→本書には8月15日前後の日記--内田百、広津和郎、小林一三、矢部貞治、斎
藤茂吉、山田風太郎等--が引用されて、当時の「臨場感」が表現されている。ま
た、8月17日の出来事として・・・・・・
日本人というのは、まことにあっさりしているというのか、「鬼畜米英」とい
ってあれだけ憎悪を抱き、アメリカを仇敵として戦った日本人がスパーッと銃を
置いたんですね。厳密に言うと8月17日、天皇陛下命令つまり大元帥命令として
日本陸海軍に対して武器を置け、これ以上抵抗するべからず、武装解除の命令が
出ました。それが実行されるのに反乱らしい反乱はほんのわずかしかなく、命令
を受け賜って、日本の軍隊はどんどん解散していきました。・・・・・・現代のイラク
を考えますと、なんと日本人は素直に敗北を認めたか、日本人の民族性はもとも
と戦争が嫌いじゃないかと思わないでもないんです。(p18~19)
余談だが、小泉首相(当時)さんが『日米戦争と戦後日本』(五百旗頭 真)を読
んで、アフガンニスタン復興計画を早く進めるようブッシュ大統領(当時)にアド
ヴァイスした。しかし、やはりアフガンやイラクと日本ではいろいろな意味で状況
が違うようである。
半藤一利『昭和史 戦後篇』
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