人生ブンダバー

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11/21 新日本フィル第550回定期

2015-11-24 05:00:00 | 音楽

11月21日(土)、新日本フィル定期のトリフォニー・シリーズ第2夜へ。
2015/2015シーズンの第2回目である。(以下長文)

今シーズンのトリフォニー・シリーズは、D.ハーディングの「戦争レク
イエム」と「千人の交響曲」という大作中の大作が組まれており、これ
を聴き逃すわけにはいかない。


13:15開場に合わせて行ったら、今回初めての企画として13:30
から「ロビーコンサート」が行われることが分かった。

演奏曲目は、コダーイ作曲「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」
より第1楽章
 ヴァイオリン;崔 文洙 チェロ;森澤 泰

--なるほど後から新日本フィルのHPをよく探すと発表されていた。


レオン・フライシャーは、プログラムのプロフィール等によれば、ユダ
ヤ系アメリカ人で、1928年7月生まれの87歳。8歳でデビューし、
16歳でモントゥー/ニューヨーク・フィルと共演。アルトゥール・シュナ
ーベルに師事。

1952年アメリカ人として初めてエリザベート王妃国際コンクールで
優勝。ジョージ・セル/クリーブランド管弦楽団とベートーヴェン、ブ
ラームス、ラフマニノフのピアノ協奏曲等をレコーディング。

1965年、37歳の時に、右手の2本の指が動かなくなってしまい、指
揮者と左手のピアニストに転向。クリーヴランド、ボストン、シカゴ、
サンフランシスコ、モントリオールなどを指揮。新日本フィルともたび
たび共演。
2000年、「ボトックス療法」により、右手の機能を回復、両手のピア
ニストに戻る。
今回は1998年5月以来の共演となる。この時は、ラヴェルの「左手
のためのピアノ協奏曲」と今回同様「ラフ2」だったようだ--両手で
弾けるようになり、カムバック!

この日の客席はおそらく90%程度の入りだろうか。よく入っていた。

<プログラム>
1.モーツァルト ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414 (1782年作)
(1)Allegro
(2)Andante
(3)Rondeau:Allegretto
--休憩--
2.ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 op.27 (1907年作)
(1)Largo-Allegro moderatoホ短調
(2)Allegro moltoイ短調
(3)Adagioイ長調
(4)Allegro vivaceホ長調



プログラム 写真右がレオン・フライシャー

1.モーツァルト ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K.414
(1)Allegro(10分)
やや猫背で長身のフライシャーがゆっくり小股で登場。おじぎの後
に、弾き振りのために、ゆっくりとピアノのイスへ。
弦楽は、下手から1st9、コントラバス2、チェロ4、ヴィオラ6、2nd
8という対向配置。チェロに木越洋さんが入っていた。
Allegroではあるが、速さよりも「優しさ」を感じるものだった。

(2)Andante(10分)
これも作為というものが感じられない、すばらしい演奏。テンポ感が
速からず、遅からず、これしかないのではというものだ。

(3)Rondeau:Allegretto(7分30秒)
この曲はモーツァルトがアマチュア演奏家も意識して、「易しすぎず、
難しすぎず」書いたという。いささかも「派手さ」のない、心に染み入
るモーツァルトだった。

演奏が終わると会場が静まり返り、拍手と同時にオケが足踏みを
始めた。


拍手が続くうち、退団のために、この日で最後となる安保龍也さん
にフライシャーから大きな花束が贈呈された。
フライシャーが、聴衆の拍手を制して、ゆっくりした、短い英語のス
ピーチ--
「コントラバス奏者であるMr.安保は定年のため、これが最後のコ
ンサートになります。彼のためにジェローム・カーンの『All The
Things You Are』を贈ります。左手用の編曲です」。
暗譜の演奏--左手だけで、なんとも味わいのあるバラードに、安
保さんも傍らのイスに腰掛け、感無量の面持ち。会場も同じ想いに
浸った。

下手に下がる際に、フライシャーが安保さんの肩を抱くのだが、安
保さんはいえいえマエストロがお先にと・・・・・・。それでもフ氏は安
保さんと友達のように肩を組んで退場した。


--休憩--

2.ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 op.27
「ラフ2」はピアノ協奏曲第2番より後、ロシア革命より前の作品で
ある。好きな作品。2年前のキタエンコ/東響の演奏もよかった
(→こちら)。
フライシャーは高いイスに腰掛けての指揮。弦楽は1st14、コント
ラバス6、チェロ8、ヴィオラ10、2nd12の対向配置。

(1)Largo-Allegro moderatoホ短調(20分)
優しさあふれる音楽。フライシャーはfでも大きく振らないが、デュ
ナーミクが徹底している。

(2)Allegro moltoイ短調(11分)
リズミカルなAllegro。崔さんがリードする。中間部のModerate
は甘い。

(3)Adagioイ長調(18分)
映画音楽と言われてもおかしくないメロディー。ドミソシドラー、シレ
ソラシソー、ラドミソラファー。チャイコフスキーの「悲愴」Adagioを
長調にしたようだ。
ソーーミーファソー、ソーラソファソー。重松さんのクラリネットソロ
がすばらしかった。吉永さんをはじめとするホルンもまた然り。
フライシャーの指揮は息の長い、微妙なデュナーミクがすばらしい。
第3楽章へ山を持ってきた?最後はdim.でpp。コントラバスのピ
チカート。
--My Favorite。CDではこの楽章だけ聴くのもいいものだ。

(4)Allegro vivaceホ長調(16分)
明るく華やかに始まるフィナーレ。ズンジャジャジャンとfで終わると
すぐにブラボーが来た(いささか早すぎ?)。その後に大拍手。
崔さんがフライシャーに抱き着く。フライシャーはオケに向かって拍
手の後、ゆっくり指揮台から降り、折り目正しく聴衆におじぎ。
カーテンコールではクラリネット、オーボエ、ホルン・・・・・・と紹介さ
れていった。

演奏時間は、プログラムには約55分と書かれていたが、実際は
65分と長い(ゆっくりした)ものだった。

実は私はフライシャーを知らなかったのだが、2ステージともに、指
揮者は、「70歳、80歳を過ぎた人がすばらしいのでは?」と私に思
わせる、「どや顔」のないと言うのか、しみじみとした深みのある演
奏だった。

「もっとも長生きする者がもっとも多く見る」。


なお、平成20(2008)年5月に観た、映画『ラフマニノフ ある愛の
調べ』もおもしろかった。→こちら。DVDのレンタルをおすすめ!



11:46 この日の紅葉


11:49 ユリノキもだいぶ葉が落ちて。


11:49 八重桜の木


12:03 あざみ野駅西口


12:06 あざみ野


12:56 錦糸町


13:02 錦糸公園の紅葉


13:03


13:03 東京スカイツリーが見える。


13:04 「ラジオ体操広場」


13:04 四ツ目通り


13:07 北斎通り


13:08 同上


13:10


13:12 すみだトリフォニーホール入口


13:13


13:16 ロビーコンサート案内


13:22 ステージ中央にピアノが置かれている。


13:23 
ロビーでは新日本フィルの方がリーフレットを配布して、積極的に声
掛け勧誘中。


13:32 ロビーコンサート


13:47


14:49 アンコール曲


14:49 ティンパニ奏者山口浩一さんのお別れ会;12月9日

演奏会後は、叔母さんとつばめグリルで反省会。私の誕生月だとい
うので、今回はご馳走になった。


16:30


16:36 ピルスナー


16:36 豚肉料理いろいろ盛り合わせ


17:03 ブイヤベースのおじや グツグツ



17:32


17:46 錦糸町


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