人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

田村和紀夫『名曲名演論』

2008-07-02 05:54:17 | 読書
物の経済学的価値は何で量るか?物を購入した後の満足度である。これを経済学
的には「効用」(utility)という。
真珠と海草はいずれも海底にある。真珠と海草の価格の違いはどこから出てくるの
か?効用の差である。真珠と海草を「手に入れる手間」(=労働量)は同じにもか
かわらず!である。経済学的価値を労働[量]で量る「労働価値説」の矛盾がここ
にある。

さて、本書(平成20(2008)3月アルファベータ刊、税込\2,730-)は大変<効用>
のある本である。
著者は国立音大楽理科の出身である。したがって、名曲について楽曲分析から名演
(--CDの。)の話に発展している。

取り上げられている曲は、モーツァルト交響曲第40番、ブラームス交響曲第4番、
バッハミサ曲ロ短調、マーラ交響曲第9番、ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界よ
り」、シューベルト交響曲第8番等々15曲である。

音楽を分析的に聴いたりすることが少ないだけに、私にとっては新鮮な話が多い。
西洋音楽史、音楽様式の勉強にもなる。
著者の本では、『名曲に何を聴くか』、『名曲が語る音楽史』(以上音楽之友社)
もおもしろい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 城山三郎『落日燃ゆ』 | トップ | 吉村昭『ポーツマスの旗』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事