人生ブンダバー

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10/19 N響第1922回定期(長文)

2019-10-23 05:00:00 | 音楽

10月19日(土)、N響定期第1922回を聴く。
8月に予約した自由席(1,500円)だ。

開場15分前にNHKホールに着くと、既に自由席の50人以上が並んで
いた。
開場と同時にやや息を切らしながら、3階席へ。C9-41の席が取れた。
40年前は感じなかったが、3階は傾斜がきつく、階段が高い。

ステージには上手寄りに8丁のコントラバスが置かれている。
開演までには、3階席もほぼ満員になった。

この日の指揮者は、注目のトゥガン・ソヒエフ(41→こちら)。既に
ウィーン・フィル、ベルリン・フィルに招かれている。N響は5年連続。
私が聴くのは初めてだ。
この日はオール・ロシアン・プログラム。

<プログラム>
1.バラキエフ(リャプノーフ編)東洋風の幻想曲「イスラメイ」
2.ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
--休憩--
3.チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調 op.36
指揮;トゥガン・ソヒエフ
ピアノ;ニコラ・アンゲリッシュ
コンサートマスター;伊藤亮太郎


いつものことながら、つたないコメントを・・・・・・

1.バラキエフ(リャプノーフ編)東洋風の幻想曲「イスラメイ」
ピアノ独奏曲である原曲をリャプノーフ(1859-1924)が編曲した
ものだ。音楽的には、自由なソナタ形式で、急-やや緩-急の構成。

弦楽五部は16型だ。ソヒエフは、指揮棒を持たない指揮ぶり。

出だしは、細かな音符を一人でピアノを弾くが如くのN響の一体感が
すばらしい。
中間部ではチェロパートに引き継がれる「タタールの恋歌」にウット
リ。再現部に現れる各パートの小気味よさもすばらしかった。
ジャンで終わる。(概算演奏時間;8分30秒)

2.ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
弦楽五部は14型に。
ゆっくりした足取りで登場したN.アンゲリッシュはまことに深々とし
たおじぎ。

序奏と主題(--パガニーニの、ヴァイオリンのための「24の奇想曲」
の第24番の主題)、24の変奏からなる変奏曲。--聴くのは初めてで
はないかしらん。第18変奏に入ると、「ああ、これか」となる。ラフ
マニノフが好きな人にはたまらない。

ピアノと一体のオーケストレーションもすばらしい。カラフルな世界
(急)とモノクロの世界(緩)が入り混じる。

ソヒエフによるオケのコントロールというか仕切りというかビシッと
引き締まった演奏がすばらしい。

アンゲリッシュのピアノはタッチが強く、ややデッドな会場に3階まで
しっかり届く。アンゲリッシュの上体はまったく揺れない。遅まきなが
らアンゲリッシュを知った。
最後の最後は、ポンとpで終わった。

すぐに3階の後ろの席から「ブラッ」という声がする。私は前へ乗り
出して拍手した。

カーテンコールが繰り返される。アンゲリッシュが座ると、大拍手が
一瞬にして静寂に。
アンコールのショパンの弱音に吸い込まれた。


--休憩(20分)--


3.チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調 op.36
チャイコフスキーの4番は、フォン・メック夫人との文通で有名だ。

チャイ4を生で初めて聴いたのは、昭和52(1977)年(3月4日[金])、
岩城/N響の演奏だった。
同じ年、6月15日(水)にも小澤/新日本フィルで聴いており、いず
れも耳に残る。

CDでもムラヴィンスキー、G.セル、小澤、フルトヴェングラー等々
(甲乙付けがたいが、男性的で、媚びないセル/ロンドン響がいい)。


「耳タコ」というか、先の先まで分かっている曲の一つと言えるかし
らん(--吉田秀和さんは、「新世界より」のような「耳タコ」は聴
きたくないという趣旨のことを書いておられたが、「耳タコ」でも演
奏が違えば、また別物だ。もっとも吉田さんと私ではレベルが違うけ
れど[笑])。

(1)弦は16型。ホルン奏者は、向かって右から男性3人と女性1人。
ソヒエフは、気持ちゆっくりと、ロシアの指揮者には似つかわしくな
い(?)、あまり力まない、柔らかい自然体の出だし。休符も拍を振
る。前へ流れる音楽だ。ジャンジャンジャッの切れがすばらしい。

1stヴァイオリンのピッチが見事に薄い。
途中から高揚してきた。hard部分とsoft部分の対比もすばらしい。

(2)三部形式。第1部はオーボエソロ(青山さんかな?)のほの暗い
「歌」が心に染み入る。テーマが弦(チェロ、ヴィオラ、1stなど)
に展開されて行く。この日は、とくに第1部に聴き入った。

(3)弦はピチカートの三部楽章。弦の腕の見せ所かしらん。ソヒエフ
はほとんど振らなかった。オケのコンセントレーションが伝わってく
る。

(4)やや間を置いた。「ここぞ」の出だしが見事だ。明らかに力を入れ
た演奏が現れる。ソヒエフが動く。hardとsoftの対比。アンサンブル
を壊さずに集中力を発揮した。

終わるや、ブラボー、ブラボーが飛び交う。ソヒエフは、オケに片手
をあげながら退場。

再び登場すると、オーボエ、ファゴット、クラリネット、・・・・・・と立
たせていった。
最後は、拍手の続く中「最敬礼」で退いた。

ソヒエフ、恐るべし。



プログラム


気になるチラシ


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14:03  3階ーC9-41を取る。


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