人生ブンダバー

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田中荊三・平山榮一『ヨーロッパ現代史』とフルトヴェングラー

2018-10-16 05:00:00 | 近現代史

歴史は「原因と結果」の積み重ねだ。オーバーに言えば、何故そうな
ったのか?という原因をさかのぼれば、どこまでもさかのぼることが
できるだろう。

最近、昭和史もさることながら、ドイツのヒトラー時代を中心とした
物を読んでいる。
総論的な物としては、学生時代の教科書、田中・平山『ヨーロッパ現
代史』が役立つ(→下掲)。

 *余談だが、この古書はamazonでは2万円以上もしている。売った
  方がいい?(笑)。

<ドイツを中心とした年表>
1862 ビスマルクの執政(~1890)
1870 プロシア・フランス戦争(普仏戦争)
1871 プロシア勝利、ドイツ帝国建設
1914 サラエボ事件~欧州大戦(第一次世界大戦)
1918 ドイツ降伏
1920 ヴェルサイユ条約
1930 ナチ党の躍進(第2党)
1933 ヒトラー首相(~1945)~ヒトラーへの全権委任法
1934 ヒンデンブルク大統領死去~ヒットラー総統兼首相
1938 ミュンヘン会談
1939 ドイツ軍ポーランド進撃~英仏、ドイツに宣戦
1941 独伊、ソ連に宣戦
1943 スターリングラードのドイツ軍降伏
1945 ドイツ降伏




田中・平山『ヨーロッパ現代史』

ヒトラーは、思い切り簡単に言えば、過酷なヴェルサイユ条約が生ん
だものだ。

(正確に言えば、「過酷なヴェルサイユ条約も一因だ」という言い方
になる。その他、戦前ドイツの「権威服従的」な国民性も影響してい
るようだ)。

戦前のドイツ人(国民)は、ヒトラーに熱狂・興奮したあげく、「惨
敗」を喫しただけではなく、「人道に対する罪」(ホロコースト)も
犯した(「そこ」までは知らなかったという人もいたのだろうが)。

(日本は東京裁判でも[ですら?]「人道に対する罪」は認定されて
おらず、簡単に言えば、ドイツとは異なる。--南京事件がなかった
とは思わないが)。

戦後西独の大政治家アデナウアーは、戦後、プロシアから続く(?)
ドイツ人の国家権力崇拝、ナショナリズムへの傾倒を繰り返し批判
したという。




話は少し変わるが、フルトヴェングラー演奏は、聴く者の「感情」を
ぐらぐらと揺さぶり、まことにすばらしい(音楽は感情だ!)。

一方、戦後に大指揮者となったカラヤンには「感情」がない、と言っ
たのは、ベルリン・フィルのティンパニ奏者だったテーリヒェンだ。

(福永陽一郎先生はカラヤンの演奏は、どれもマチネとソワレ程度の
違いだという趣旨のことを書いておられた)。

吉田秀和さんが、「戦後のドイツ人は、音楽に酔いしれて興奮するのは
『阿保』だという考えを持っている」という趣旨のことをどこかで書い
ていた。


もしかすると、あくまで一つの仮説だが、ドイツでは、戦前の「熱狂・
興奮」への反省が音楽にも影響しているのかもしれない。
そして、戦後ドイツのオペラ演出やドイツ語歌詞の発音口語化にも?



 (念のための注)フルトヴェングラーは、「非ナチ化」裁判では無罪
  となっている。


     *      *      *      *

「カショギ事件」がヤヤコシイことになっている。
サウジアラビアと欧米(とくに米国)の対立が決定的になれば、今後の世
界情勢、世界経済への大きな影響があるのかもしれない。


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