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人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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5/6 第66回東京六大学合唱連盟定期演奏会

2017-05-10 05:00:00 | 音楽

5月6日(土)、東京六大学合唱連盟定期演奏会を聴く(於東京芸術
劇場)。
今年は数えて第66回だという。私が現役の頃は、20回とか20回代
前半であった。
法政が今回単独ステージに復帰したのは喜ばしい。法政に限らず、
ぜひとも人数を増やす、不断の努力を継続願いたいものだ。


<プログラム>
エール交歓
(1)東京大学運動会歌「大空と」
(2)法政大学校歌
(3)明治大学校歌
(4)慶應義塾塾歌
(5)St.Paul's will shine tonight
(6)早稲田大学校歌
1.東大 イザークの4つのモテット
2.法政 「A Little Jazz Mass」
3.明治 「フェニックス」
4.慶應 「シベリウス男声合唱曲を歌う」
5.立教 「方舟」
6.早稲田 「ブレイブ・ストーリー」
合同演奏 「永訣の朝」


以下には、毎回ながら、つたないコメントにお許しの程・・・・・・

エール交歓
150人以上が左右から登場するので、出てくる出てくる、2分ほどか
かる。
(1)東京大学運動会歌「大空と」
運動会歌となっているが、そもそも東京大学には校歌があるのか?
という疑問を持ったら、ネットで調べることができた。→こちら
それはともかく、「大空と」は北原白秋・山田耕筰の「ゴールデンコン
ビ」によるものだ。編曲は福永陽一郎となっているが、「六連」ができ
たころかしらん。
それもともかく、東大の人数は20人ほど。速いテンポで、1番、2番
(?)を歌った。
(2)法政大学校歌
作詞佐藤春夫、作曲近衛秀麿による校歌。プログラム上、団の紹介
では3人のメンバーが紹介されているが、エールを歌うのは8人だ。
あとの5人は若手OB?拍手が多かった。
(3)明治大学校歌
こちらも作曲は山田耕筰だが、作詞は児玉花外だ。人数は30人ほ
ど。振り慣れているのか歌い慣れているのか拍を刻まない指揮だ。
(4)慶應義塾塾歌
作詞は富田正文、作曲は信時潔。人数は45人ほどか。柔らかい指
揮ぶりで、力まない塾歌が聴けた。
(5)St.Paul's will shine tonight
人数的には25人ほど--立教にしてはやや少ないかな。指揮はき
っちりしていて、上手かった。
(6)早稲田大学校歌
作詞相馬御風、作曲東儀鉄笛。明治40年制定というから、山田耕
筰や信時潔はまだ二十歳過ぎの若者だった頃だ。人数は55人ほど
で、最も多い。今回、あらためて聴くと、1番ではバリトン、ベース中
心のユニゾン、トップは後半に備えている風だった。

1.東大 イザークの4つのモテット
プログラムの紹介ページを見ると、パート分けが、Discantus3人、
Altus 5人、Tenore5人、Bassus8人(計21人)となっている。通常
の(--何が通常か、しばらく置くとして)男声合唱のパート分けでは
なく、カウンターテノールが入っているのかしらん。

15世紀後半から16世紀前半の作曲家イザークは「インスブルックよ、
さようなら」で有名だ。このあたりは、皆川先生の「音楽史」の分野だ。
有村先生は大きな譜面をしっかり見ながら、各パートへの出だしの
キューをきっちり送っていく。ちょっと間違えたら、ぐじゃぐじゃになる
だろうに、9人ほどが譜面を見ながらの歌唱だったが、力まずに歌っ
ていた。ア・カペラのポリフォニーのおもしろさ、美しさを存分に味わえ
た。


2.法政 「A Little Jazz Mass」
3年ぶりの単独ステージ。譜面立て(と譜面)を持った10人が登場、
横一列に並ぶ。プログラムのどこにも書いていないが、エール同様、
若手OBが入っているのかしらん。伴奏は、ピアノに、コントラバス、
ドラムというトリオだ。伴奏者についてはアナウンスがあったが、プ
ログラムには「ピアノ加藤柚太」とあるだけで、あと二人はどこにも
記載がない。

それはともかくとして、「Kyrie eleison」のユニゾンで始まった曲は、
伴奏にムードがあって、文字どおりジャズだ。薄暗いバーでカクテル
を飲みながら聴いているようだ、と表現すればいいのかしらん。昔、
タンゴミサを聴いておもしろかったことを思い出す。
蓮沼先生はジャズのリズムに乗って、身体を動かしながら振ってい
く。途中では会場一体の手拍子となった。ニューオリンズ少年少女
合唱団のために作曲された曲だという。さほど難曲ではなさそうだ
ったが、おもしろく聴かせてくれた。


3.明治 「フェニックス」
常任指揮者の佐藤先生が作詞、作曲、指揮をするステージ。原詩は
3~4世紀の作家ラクタンティウス--初期のキリスト教著述家によ
るものだ。オリジナルは「世界音楽の祭典in浜松」のために作曲され
たオーケストラと混声合唱曲だという。

30人ほどが譜面を片手に、胸を張って入場。アルペジオと言えばい
いのかしらん、ハープのような前奏から始まった。イージーリスニング
と言うとちょっと語弊があるかもしれないが、ひたすら美しい和音進
行の、「いい曲」だ。佐藤先生は合唱とともに歌っていく。伸ばす音が
多いので、歌う方には意外とキツイかも。後半は大きな盛り上がりを
見せた。まことに美しかったが、やや予定調和的だったカナ?

~休憩~
OBのO先輩、Tさんと談笑。ジンジャーエールを飲む。


4.慶應 「シベリウス男声合唱曲を歌う」
スウェーデン語によりシベリウスのア・カペラ合唱。45人ほどが3列
に湾曲型に並ぶ。スウェーデン語によるシベリウスは初めて聴いた
かしらん。
1曲目は速い曲。「声」がやはりすばらしい。パートの音色が統一さ
れている。2曲目は、ゆっくりしたもの。ベースの低音が五線の下(?)
で、すごい。基本的には急緩入り混じる構成だ。3曲目は速く、早口
言葉に身体が揺れる。4曲目は、大久保さんが前後に動くのに伴っ
てのアゴーギク。最後のfに向けて、お腹でのクレッシェンド終始。と
いうように、いろいろな表現で聴かせてくれた。退場まで長い拍手が
続く。後ろの席のご老人が「発声がきれいだね」とつぶやいていた。


5.立教 「方舟」
立教を田中豊輝さんが振るのは初めてかしらん。前列14人、後列
13人とやや少ない人数。田中さんは柔らかな指揮ぶり。木下牧子作
曲の伴奏譜が(も)すばらしい。人数的な制約もあり、男声合唱的な
デュナミークと音の厚みには欠けるが、やや明るい母音(日本語らし
い母音と言ってもいいのか?)で美しい合唱だ。
子音の立て方も上手く、上品な合唱で、まったく破綻はない。ただ、
いささかアシュケナージ的だったかも。
岡本太郎曰く、「芸術は美しくあってはならない」となると哲学的
になるけれど。
演奏後は客席の木下牧子先生が紹介された。


6.早稲田 「ブレイブ・ストーリー」
早稲田の「エンタメ路線」の一つだろうか。宮部みゆきの『ブレイブ・
ストーリー』(--私は未読だが、宮部の冒険ファンタジー小説だ。
宮部の作品は、時代物、推理小説、ファンタジーとある。)から男声
合唱にしたもので、作曲は川井憲次氏に委嘱したものだ。
人数は最も多く、55人ほど。左右にスタンドマイクが1本ずつ運ばれ
てきた。スタートはそれぞれのマイクに一人ずつ出て、「ねえ、お父さ
ん、もう家には帰ってこないの?」というセリフから始まった。曲の合
間に、マイクを使ったセリフが入る(--マイクなしでもよかったので
はないかしらん)。10数人中心に動きも入る。

指揮は文化構想学部4年の中島さん(--余談だが、文化構想学
部という学部があることを初めて認識した。「総合政策学部」と似て
いるのかしらん)。宮部みゆきのストーリーがしっかりしているせい
か(?)、よくできたステージだった(--過去に聴いた、ワセグリの、
この路線では一番よかったのでは)。中島さんもよく振っていた。終
わった後、中島さんはドヤ顔もせず、きっちりしたおじぎ(最敬礼)が
大変好ましかった。演奏後は川井さんが紹介される。


合同演奏 「永訣の朝」
150人以上の大合唱ステージ。全員が暗譜。ピアニストの平林さん、
雨森先生が登場。拍手後、平林さんが落ち着いて、準備する。(ピア
ノ)譜面を整え、ぐ~っと集中するとpからfへと前奏が始まった。「け
ふのうちに とおくへいってしまふわたくしのいもうとよ」という出だし
が、いかにも男声合唱らしく、大きなデュナミーク、というよりも激しい
パトスにあふれた合唱で、曲の途中にもかかわらず、「これこれっ」
と拍手したくなる。「心の歌」というよりも「心からの叫び」である。
雨森先生はピアノにはまったく指揮しない。よほど平林さんと打ち合
わせてあるのだろう。雨森先生と平林さんが音楽を作り上げていく。

合唱へのザッツの指示はあるが、ほとんど拍を振らない指揮ぶりだ。
素人が真似したら、無茶苦茶になるだろう。客演の合同演奏で、よく
こういうことができるものだ、と考えてしまう。「泣いてわたくしにさう言
ってくれてくれ」などは宮澤賢治が雨森先生に降りてきたようだった。

演奏が終わると時間がストップした。10秒・・・・・・15秒・・・・・・。このい
いところで、バシャッと何かを落とす人、パチパチと拍手をしかかる人、
チロチロと携帯が鳴り、隣りから「電源切ってなかった?」という人が
いた。

演奏後の拍手が続く中、平林さんがTopパートへ移動、雨森先生が
ピアノをパラパラ。先生の手がゆっくり上がると、多田武彦作曲「雨」
がゆっくり始まった。深い呼吸のスケール大きい演奏。2番のソロで、
先生は指揮をやめ、ピアノのところで、「たたずん」だ。ソロは明るく
リリックでなかなかのもの。3番もスケールの大きく、ライヴらしいザッ
ツの乱れがややあったが、しかし聴き合おうとする合唱だった。
最後は、先生の指示出しで、先生も含め、全員のおじぎ。



些末なことだか、アナウンスによるステージ紹介の「指揮」が毎回
「始期」になっているように、私には聞こえた。



プログラム
















































花束受付





モニターより


ジンジャーエール


休憩中(1回目)


お開き





帰りは副都心線で渋谷へ


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2 コメント

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Unknown (KenkoNAGOYA)
2017-05-10 22:21:04
東大の運動会の歌、白秋と耕筰のほんと、ゴールデンコンビですね。さすが帝国大学。白秋はこの依頼を受けたとき校歌あるいは学歌を頼まれたと思い込み、帝国大学と共に後世に残る名詞をとそれこそ心血を注いで作詞に当たったということですが、いざ出来上がってみると校歌ではなく、運動会の歌という変な扱いとなったため、大変気落ちし、またひどく立腹もしたと言うことです。何年か前にこの顚末を記した白秋の手紙が見つかったという新聞記事を見たことがあります。運動会の歌というのは一種の逍遙歌でしょうか。
巷󠄀の俗説に、三流校ほど校歌の中で学校名を連呼するというものがありますが、その謂でいうなら東大の歌は(校歌ではないものの)まさに一流校のもの。さすが東大、帝大、栄光の最高学府。一方、W田、W田と校名を7回もがなりたてるところの程度や如何。また我らが母校の程度や如何。失言ご容赦。
けど、法政がステージを持てて良かったですね。
返信する
Re;Unknown (katsura1125)
2017-05-12 05:49:58
kenkoさん、長文コメント、有難うございます。

kenkoさんのお話は、いつも有難く、勉強になります(笑)。

ちなみに北原白秋・山田耕筰が作った関学の校歌「空の翼」には、「関西、関西、関西、関西学院」になってますナ。--慶應より一つ多い(笑)。
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