外出自粛で遠出することもないこの頃、久しぶりに、中嶋嶺雄(1936
-2013。76歳)の『北京烈烈』(講談社学術文庫、H14[2002]刊)
を読む。
本書は、簡単に言えば、「冷静なチャイナ・ウォッチャーとして」、
同時代史的に、中国の「文化大革命」(1966-1976)を分析したも
のである。
「同時代史」(「現代史」)は難しいが、本書は今でも価値を失っ
ていないのではないかしらん。第3回サントリー学芸賞受賞作。
当時、日本には毛沢東の「文化大革命」を礼賛する人々もいた。
(ウィキペディア参照→こちら)。
朝日新聞の広岡知男社長(当時。1907-2002)は、文化大革命時、
自ら訪中記を掲載。
「日中友好は大切であり、中国の意向に沿わない記事は書かないの
は当然」と発言(公言)していた。
朝日新聞は、林彪事件(1971年)についても、その報道姿勢は消極
的だった。
朝日新聞秋岡家栄特派員は、当時、北京に残った唯一の、日本の特
派員だ。
(注)産経新聞柴田穂記者(1930-1993。後、論説委員長)は、
昭和42(1967)年9月に北京を追放になった。
(当時、わが家は、朝日新聞を購読しており、私はそれを読んでい
た)。
個人的には(個人など小さいものだが[笑]。)この時代は、私の
高校~大学時代とほぼ重なるものであり、いささか感慨を覚える。
中嶋嶺雄『北京烈々』(講談社学術文庫)★×5
高文謙『周恩来秘録--党機密文書は語る』(文春文庫、H22[2020])
本書によれば、著者は、80年代から十数年にわたり中国共産党中央
文献室に勤務。周恩来生涯研究小組組長を務めた。89年の天安門事
件をきっかけに渡米、亡命。本書の原題は『晩年周恩来』。
07年、本書により第19回アジア・太平洋賞大賞受賞。
sensationalな帯(帯は常にsensational?)には「元・公式伝記著者
がアメリカに亡命し著した、衝撃の書」とある。
大平正芳だったか、「No.1はNo.2に嫉妬する」と言ったが、毛沢東
は常にNo.2に嫉妬していた?
(「会社」でもままある?)
(注)遵義(じゅんぎ)会議(1935)年頃までは、毛沢東より周恩
来の方が序列が上だった。
本書は★×5。
テーマは「昭和史」から「中国」へ?
これからは、時々「中国」ネタも?
ブログに書いたら、本は古本屋へ??「終活」の準備???
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