人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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ヴェルディ『椿姫』

2008-07-08 06:09:49 | 音楽

平成14(2002)年1月(ヴェルディ生誕100年)、渋谷のオーチャードホールに若手
(まだ20代?)の大岩千穂(ソプラノ)演ずる『椿姫』を聴いた。大変素晴らし
く、いっぺんでファンになった。アルフレードはベテランの市原多朗(テノー
ル)、ジェルモンはチェ・ジョンウ(バリトン)だったが、完全に二人を食ってし
まった。それほど大岩の素晴らしさだけは印象に残っている。カーテンコールの拍
手もひときわ多かった。



当時のチラシ


その後、平成16(2004)年1月には佐野成宏・大岩千穂ジョイントリサイタルも聴
きに行き、これも満足したことを覚えている。大岩千穂のことを後輩のSさん(く
ん)に教えたら、その演奏会を聴きに行き、生まれて初めて歌を聴いて泣いたと言
っていた。


『椿姫』は人気演目であり、『ナクソス島のアリアドネ』、『ペレアスとメリザン
ド』などと違って、年1回はどこかで演奏される。ストーリーも簡単だから、ぜひ
生を聴きたいものである。なお、原題は「道に迷った女」という意味である。



さて、『椿姫』のCDは、K.クライバー指揮コトルバス(ヴィオレッタ)、ドミン
ゴ(アルフレード)、ミルンズ(ジェルモン)の演奏(1976、77年録音)で持って
いる。

第1幕舞台があける導入部からしてゾクゾクする音楽(CD1のトラック2)であ
る。また、「乾杯の歌」(同1の3)の前奏4小節目で微妙なディミヌエンド(しだ
いに弱く)をかけているところなどなんとも言えず、ドミンゴの後に歌うコトルバ
スも同じところでディミヌエンドをかけるのがたまらない。「これこれっ、これ
(です)よ」と言いたくなる。クライバーはコトルバスに歌ってもらいたかったの
であろう。

ミルンズ(アメリカ人)のジェルモン歌う「プロヴァンスの海と土地」(同1の
21)もこう歌ってほしいというように歌っている。教わってできるものでない、な
んとも味のある歌い方である。他にも第2幕のジプシーの女たち、ガストーネとマ
タドール(CD2のトラック2、3)の合唱も練習十分である。

第3幕、ヴィオレッタとアルフレード、ジェルモンの掛け合いなどライヴであれ
ば、間違いなく聴衆のすすり泣きが聞こえてきそうである。

ラ・スカラなどイタリアの演奏などとはちょっと違うかもしれないが、何回聴いて
も飽きない演奏である。



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