人生ブンダバー

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祖父母のこと(1) 父方

2020-08-16 05:00:00 | ファミリー・ヒストリー

先日、部屋を整理していたら、父の原戸籍が出てきた。母が何十年
も保存していたものだ。

父と母については、先日少しく書いた(→7/29こちらと7/20こちら)。

今回は、父方の祖父母である。

父方の祖父は「二吉」。祖母は「富」という。
順序から言えば、祖母富が先になる。

祖母富は、明治22(1889)年10月11日、倉田益・ひな夫婦の三女
として、富山県高岡市に生まれた。
明治36(1903)年11月16日、満14歳でうち(×家)の先祖、富山県
高岡市の×恒二・たみ夫婦の養女となる。

(注)
 1.曾祖父「恒二」は、明治35(1902)年4月、高岡市雲枕山教恩
 寺に「先祖代々の墓」を建てた(恒二40歳。下の写真)。
 2.恒二は、文久2(1862)年1月27日生まれ、昭和3(1928)年、
 中国青島(チンタオ)にて死去(66歳)。
 3.先祖は、江戸時代、加賀藩(?)高岡の儒学者だった、と伝わ
 っている。

 高岡には子供の頃に行ったことがあるが、落ち着いたら一度「取
 材」に訪れてみたい。


「×氏之墓 九代恒二建之」とある。(高岡市雲枕山教恩寺)


祖父二吉は、明治13(1880)年1月13日、田辺弥八郎・ヨシ夫婦の
三男として生まれる。
明治44(1911)年11月14日、広島県尾道市田辺弥八郎三男から、
上記×恒二の養女富と婿養子縁組(富と結婚)。
この時、二吉31歳、富22歳だった。

二吉の青少年時代、大きな事柄としては、
1889   9歳:大日本帝国憲法発布
1890 10歳:第1回帝国議会
1894 14歳:日清戦争
1895 15歳:(中国)孫文の興中会による武装蜂起(広州起義)
1900 20歳:(中国)義和団事件
1904 24歳:日露戦争
などがあるが、これらのことが若かりし二吉になにがしかの影響
を与えたのかもしれない。


萱野長知『中華民国革命秘笈(ひきゅう)』第8章「辛亥革命」の
項に
 (1911年10月)此の武漢の戦い起るや、老同士末永節は吉田、川村などを引
 き連れて早く駆け付け漢口を拠点として外交其他に力を尽し、・・・・・・。武昌
 には大原武慶が×二吉を帯同して応援に来り、都督府の付近に事務所を設け、
 軍事上の知識を与え、陸軍歩兵大尉野中保教は林一郎と仮名し・・・・・・

と二吉の名前が出てくる(アンダーライン部分)。

(注)辛亥革命は、1911年10月10日、武昌(武昌+漢口+漢陽=武漢)における
 兵士の反乱(武昌起義)がきっかけだった。


上記の著者萱野長知(1873-1947)は、孫文の辛亥革命(1911-
1912)を支援した大陸浪人・アジア主義者である(→こちら)。


孫文を支援した、日本のアジア主義者は、萱野のほかに宮崎滔天
(1871-1922)をはじめとして、頭山満(1855-1944)、犬養毅
(1855-1932)、大原武慶(1865-1933、元陸軍中佐)、山座円
次郎
(1866-1914)、秋山真之(1868-1918)、梅屋庄吉(1869
-1934)、北一輝(1883-1937)などがあげられる。

(注)余談だが、宮崎滔天の長男が宮崎龍介(1892-1971)であり、日中戦争時、
 蒋介石への密使(未遂)となったことで「昭和史」に残っている。
 もっとも柳原白蓮との駆け落ちの方が有名かもしれない。



「言い伝え」によれば、祖父二吉も中国語(当時は「支那語」と
いった。)が堪能で、孫文の支援で走り回っていたという。

養父「恒二」に「腰を落ち着けなさい」と言われ、外務省の職員
となったラシイ。

<もしかすると>独身時代の二吉もまた、孫文を支援する大陸浪
人(→こちら)、アジア主義者(→こちら)だったのかもしれない。


神戸には孫文記念館(→こちら)がある。
その記念館に「孫文・日本関係人名録」というものがあるが、その
中には「×二吉」の名前もある。
これが祖父二吉であることはほぼ間違いないだろう。


二吉は昭和27年11月17日に世田谷区[宮坂]で亡くなった(72歳)。
富は昭和39年8月14日、四日市で亡くなっている(74歳)。

<参考>

サンケイ新聞社『蒋介石秘録3 中華民国の誕生』


『蒋介石秘録3 中華民国の誕生』 p96より
 萱野長知の「革命秘笈」の中で、姓名があげられている日本人の活躍をみると
 --。

 陸軍少佐・大原武慶は、×二吉をともなって武昌の都督府の近くに事務所を設
 置、革命軍に軍事上のアドバイスを与えた。


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