人生ブンダバー

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満州事変を読む

2023-05-23 05:00:00 | 近現代史

満州事変(*)は昭和6(1931)年9月18日の柳条湖事件(九・一
八事件とも)を発端として始まった。
(*)正式な表記は「満洲」。

「現代史は歴史ではない」と言われているが、満州事変について
は既に多くが語られ、「歴史」の範疇になってきた。

私も、このあたりで関連本をコメント付きで整理しておきたいと
思うようになった。



1.H.シュネー『「満州国」見聞記』(講談社学術文庫/原1933→2002)
著者はリットン調査団の一員。貴重な同時代記録。
2.森島守人『陰謀・暗殺・軍刀』(岩波新書/1950)
当時の外務省奉天総領事代理の記録。

(注)「原1933→2002」は原書が1933年、当該本が2002年に発刊されたことを表す。



3.『太平洋戦争への道1 満州事変前夜』(朝日新聞社/原1962→1987)
先駆的な研究で当時の大きな業績。
4.『太平洋戦争への道2 満州事変』(同上)
原書は1962年発刊。1987年に復刊されている。



5.緒方貞子『満州事変 政策の形成過程』(岩波現代文庫/原1964→2011)
英語論文の日本語版。著者39歳時(既婚)の力作。
6.島田俊彦『満州事変』(講談社学術文庫/原1966→2010)
『太平洋戦争への道』の執筆者による発展的研究。「満州事変以前」も詳しい。



7.馬場伸也『満州事変への道』(中公新書/1972)
満州事変に至るまでの幣原外交と田中外交についてまとめている。
8.臼井勝美『満州事変』(中公新書/1974)
それまでの研究をベースに新書にまとめたもの。これ一冊で足りる?
9.山室信一『キメラ--満洲国の肖像』(中公新書/1993)
満洲国について、新書400ページの力作。
10.加藤陽子『満州事変から日中戦争へ』(岩波新書/2007)
「満蒙特殊権益とは何か」について詳しい。
11.小林英夫『<満洲>の歴史』(講談社現代新書/2008)
「満洲」の歴史が新書的に概観できる。
12.『満洲国と日中戦争の真実』(PHP新書/2022)
『歴史街道』から満洲国、日中戦争関連をピックアップ。おもしろい。



13.筒井清忠編『昭和史講義』(ちくま新書/2015)
最新の研究成果がまとめられている。
14.井上寿一『昭和の戦争』(講談社現代新書/2016)
当時のさまざまな「日記」を参考に「時代」をよみがえらせている。参考になる。
15.筒井清忠編『昭和史研究の最前線』(朝日新書/2022)
当時の「世論」に関する分析も盛り込まれている。



16.麻田雅文『満蒙』(講談社選書メチエ/2014)
1900年~1930年、満州におけるロシアを中心とした動きを詳述。
17.筒井清忠『満州事変はなぜ起きたのか』(中公選書/2015)
筒井先生がシンプルに整理された「満州事変はなぜ起きたのか」。大変参考になる。



18.秦郁彦『昭和史の謎を追う』(文春文庫/1993

柳条湖事件が関東軍による謀略であることを、著者が「スクープ」した経緯が書
かれている。昭和30(1955)年まで柳条湖事件の「真犯人」は知られていなかっ
た。




19.NHK取材班『「満州国」ラストエンペラー』
20.NHK取材班『満州事変 世界の孤児へ』
昭和61(1986)年放送の「ドキュメント昭和」を文庫化したもの。



21.重光葵『昭和の動乱』(中公文庫)
重光が戦犯容疑で服役中に当時の回想をまとめたもの。すごい記憶力!



22.加藤聖文『満鉄全史』(講談社学術文庫)
文字どおり「満鉄」(南満州鉄道)の歴史。



23.菊池秀明『ラストエンペラーと近代中国』(講談社学術文庫)
当時の「中国」の歴史。参考として承知しておいた方がいい?


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