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『詳説日本史』(山川出版社)

2009-04-28 05:25:28 | 近現代史
高校レベルの日本史をあらためておさらいしようと山川の『詳説日本史』を購入し
た。今まで手元に持っていた『新詳説日本史』と較べると、新しい「歴史的事実」
が記述されている。あらためて読むと結構ハイレベルである。


『詳説日本史』2008年版(左)と1993年版(右)

2008年版は、15年前の1993年版と比較して、近現代史の記述が25ページも増え、詳
しくなっている。その例を二つあげてみよう。

<太平洋戦争「大東亜共栄圏」の実態>
(1993年版)
このいわゆる「大東亜共栄圏」内でも、欧米列強にかわる日本の支配に対する反抗
がしだいに表面化していった。(p.331)

(2008年版)
欧米列強にとってかわった日本の占領支配は、アジア解放の美名に反して、戦争遂
行のための資材・労働力調達を最優先するものだった・・・・・・(略)。タイとビルマ
を結ぶ泰緬鉄道の建設・土木作業などや鉱山労働への強制動員もおこなわれた。こ
とにシンガポールやマレーシアでは、日本軍が多数の中国系住民(華僑)を反日活
動の容疑で虐殺するという事件も発生した。その結果、日本軍は仏印・フィリピン
をはじめ各地で組織的な抗日運動に直面するようになった。(p.341)



<朝鮮戦争>
(1993年版)
1950年1月、アメリカは大韓民国と相互防衛援助協定をむすんだが、同年2月中華人
民共和国とソ連も中ソ友好同盟相互援助条約をむすび、東西両陣営の緊張が高まっ
た。同年6月、朝鮮半島の北緯38度線で戦闘がはじまり(朝鮮戦争)、ついに「冷
たい」戦争は現実の「熱い」戦争となった。(p.345)

(2008年版)
南北分断状態となった朝鮮半島では、1950年6月、中国革命の成功に触発された北
朝鮮が、武力統一をめざして北緯38度線を越えて韓国に侵攻し、朝鮮戦争がはじま
った。
北朝鮮軍はソウルを占拠し南朝鮮を席巻したが、アメリカ軍は国連軍として介入し
た結果、北朝鮮軍を押し返した。アメリカ軍は同年9月の仁川上陸作戦を転機とし
て北緯38度線を越えて中国の国境に迫った。これに対し、中国人民義勇軍が北朝鮮
側に参戦し、北緯38度線付近で戦線は膠着した。1951年7月から休戦会談がはじま
り、1953年7月に板門店で休戦協定が調印された。(p.358~359)

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