たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

ねずみの三銃士 第3回企画公演「万獣こわい」

2014-04-27 23:13:08 | 舞台・演劇
(2014年4月27日 名鉄ホール ソワレ 17時開演)

「鈍獣」(2004)、「印獣」(2009)・・・そして「万獣こわい」(2014) 
三匹は5年ごとにやって来る!

作:宮藤官九郎 演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久 池田成志 古田新太/小池栄子 夏帆 小松和重




客入れの音楽で唯一分かったのが、トレント・レズナーがある映画の為にアレンジした「移民の歌」
これはもしかして…?と思ったら、ある映画はもちろん、あの映画もあの映画も。

全部後味の悪い映画ばかり!

この舞台、構成が落語そのもので、マクラで落語の饅頭こわいを説明して、キチッと下げみたいなものをつける。
饅頭こわいもそうですが、落語って、よく考えると怖い事でも凄くプラスになる事でも常に笑いでもって語られるんですよ。
これもそうで、ひたすら笑っているうちに恐ろしい世界に引きずり込まれ、恐ろしい事ですらも笑える自分がいる。

実在の事件、あれらの映画をモチーフに「饅頭こわい」の世界が展開される。
9年間監禁された少女は、その間に何を見て何をされて、どう変わったのか?

監禁された時期、逃げ出して喫茶店でバイトをしている時期、ある裁判の時と、3つの時制でもって描いていく。
舞台が上下に分かれていて、大まかにいえば上で誰かが操っていて下で誰かが反応するんですよ。
上には裁判中の裁判官がいたり、かつて自分を監禁した男がいたり。その人たちの声に従って答えたり行動したり。

上にだれかがいる限り、この世界ではそれに従って生きていく訳ですよ。
でも、それが究極に達すると人間は考える事を止める。
思考停止した人間は…というのが物語の肝で、行きついた先の真相がとても恐ろしい。

話の下げに当たる部分は、また繰り返される惨劇を思わせます。描き方もすごくうまい。

印獣を観た時も思ったのですが、このシリーズの主役は三銃士ではなく、客演の方なんですよね。
今回で言えば小池さんで、夏帆さんでもある。

名古屋楽と言う事で、カテコの後に生瀬さんからご挨拶がありました。
「5年ごとに公演をやってますが、宮藤君は「印獣」と「万獣こわい」の間にあまちゃんを書いてます。
あまちゃんで宮藤官九郎を知って今日来てくれた方にお詫び申し上げます。また5年後!」だって(笑)


最新の画像もっと見る