特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

前書き・運動方程式は「すべての慣性系は平等である」を支持するのか?

2024-09-05 01:48:00 | 日記

運動方程式は「すべての慣性系は平等である」を支持するのか?

というのもこれまで見てきたように「時間の遅れはすべての慣性系は平等であるを支持してはいない」のです。(加えて「同時性の相対性」もまた「静止系は客観的な存在である」を排除していません。)

それで「時間の遅れ」という現象が「客観的に存在する静止系を支持している」のであれば「時間の遅れにとってはすべての慣性系は平等であるという宣言は成立してはいない」となります。

さてそうなりますと通説で言われている様な「ローレンツ不変な運動方程式=相対論的な運動方程式が存在するのですべての慣性系は平等であるが成立している」という認識は疑わしいものになります。

 

事実ここまで見てきましたように「ミュオンの異常磁気モーメントの測定」においては「ミュー粒子のストレージリング内での運動状態が実験担当者の予想した動きと異なっている可能性があること」が明らかになっています。

つまり実験者は「ミュオンをγ=29.3という一定速度でストレージリング内を円運動させた」と主張しているのですが、事実は「実験者が想定した様にはミュオンは運動していなかった」という事です。

さてそのことはつまりは「地球上に設定された実験室という慣性系の上では運動方程式はうまくミュオンの運動状態を表すことができていなかった」という事になります。

さあそうなりますと「運動方程式は『すべての慣性系は平等である』を支持するのか?」と通説の主張する認識の正当性を問う事になるのです。

ちなみにここで言っている運動方程式は相対論対応版ですので「相対論的運動方程式」(Relativistic Equation of Motion)と呼ばれるものです。

 

さてそれでニュートンの運動方程式の場合はガリレイ変換によっては影響を受けない、つまりは「ガリレイ変換に対して不変な形になっている」という事はよく知られている内容です。(注1

つまりは「すべての慣性系においてニュートンの運動方程式F=maが成立している」のです。(注2

そうであれば「F=maにとってはすべての慣性系は平等である」となりこれが「ガリレイの相対性原理」と呼ばれるものであります。(注3

 

さてそれですべての慣性系は平等であるという時に「それは具体的には一体何を意味しているのか?」と問う必要があります。

アインシュタインの認識は「全ての慣性系で同じ形式で物理法則は書かれる」という事を意味していました。

さてその様に認識した場合、「それゆえに優先する慣性系=客観的に存在する静止系はない」という事になるのかどうか?

そこがポイントなのであります。

ちなみにアインシュタインは「客観的に存在する静止系」については「ない」と主張している様に見えます。

というのも「任意の慣性系に立つ観測者は自分が立っている慣性系を静止系であるとして良い」と主張している様に見えるからであります。

あるいは「特殊相対論では客観的に存在する静止系についてはそれを不要にした」と理解する向きもあります。

他方で通説の認識では「客観的に存在する静止系はない」=「優先する慣性系は無い」と言う認識が「『全ての慣性系で同じ形式で物理法則は書かれる』というアインシュタイン宣言が意味する内容である」という事になっている様です。

そうしてもちろん当方の問いかけは「この通説の認識は正しいのか?」という事になります。

あるいは「客観的に存在する静止系があると、全ての慣性系で同じ形式で物理法則を書く事が出来なくなるのか?」と問う事でもあります。

 

注1:座標変換: https://archive.md/dEs6A :あるいは:ガリレイ変換: https://archive.md/ePBUU :参照の事。

注2:「一定の力Fが質量mの物体に作用することによって物体が直線運動をして速度Vに到達する」という前提の話です。

ただしこの場合力Fによって最終的に到達する速度Vが光速Cに対して十分に遅い場合に限ります。

最終的に到達する速度Vが光速Cに近い場合はニュートンの運動方程式F=maではなくてF=γ^3*maを使わなくてはならない、というものが相対論の結論でした。

もちろんここでγは1/sqrt(1-v(t)^2)となっています。

注3:「ガリレイの相対性原理」という呼び方について、チャットGPToによれば

ガリレオ・ガリレイ自身は「相対性原理」という言葉を使っていません。彼が提唱したアイデアは、後の科学者たちが「ガリレイの相対性原理」と呼ぶようになったものです。

ガリレオのアイデア
ガリレオ・ガリレイは、運動する物体や観測者に対する物理法則の普遍性を説いていました。彼の著作『対話』の中で、以下のような実験を提案しました:

船上の実験
船が静止している場合でも、一定の速度で滑らかに航行している場合でも、船室内で行うすべての実験(例えば、水滴の落下や魚の動き)は同じ結果を示すということを述べています。
ガリレオは、この考え方を用いて、観測者の運動状態(例えば、地球上の観測者が地球の自転や公転に伴う運動状態)によらず、同じ物理法則が適用されることを示そうとしました。

「相対性原理」の言葉の起源
「相対性原理」という言葉は、後の科学者、特に19世紀と20世紀の物理学者によって使われるようになりました。例えば、アルベルト・アインシュタインは、ガリレオの考え方を基に特殊相対性理論を構築しました。彼は、「相対性原理」という言葉を用いて、すべての慣性系において物理法則が同じ形で表現されることを示しました。

まとめ
ガリレオ・ガリレイ自身は「相対性原理」という用語を使用しませんでしたが、彼の考え方は明らかに後の相対性原理の基礎を成していました。彼の実験的アプローチと運動に対する物理法則の普遍性の概念は、後の科学者たちによって「ガリレイの相対性原理」として認識されるようになりました。となります。

 

ちなみに「ガリレイ変換という言葉もガリレイが言い出したものではない」とチャットGPToは言います。

「ガリレイ変換」という言葉を誰が最初に使い始めたかを特定するのは難しいですが、この用語は19世紀末から20世紀初頭にかけて、特殊相対性理論の発展とともに広く使われるようになったものです。

ガリレイ変換とは
ガリレイ変換は、ガリレオ・ガリレイの運動の相対性に関する考え方を基にしたもので、異なる慣性系間での座標変換を表します。具体的には、1つの慣性系から他の慣性系への変換を次のように記述します:

x′=x−vt
y ′ =y
z ′ =z
t ′ =t

ここで、v は2つの慣性系間の相対速度です。

歴史的背景
ガリレオ自身はこの形式的な変換を提案しませんでしたが、彼の運動の相対性の原理(すべての慣性系で物理法則が同じように見えるという考え方)がガリレイ変換の基礎となっています。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、物理学者たちは光の速度と電磁気の法則の不変性を理解しようとする中で、異なる座標系間の変換について研究を進めました。この中で、ローレンツ変換と比較するために、ガリレオの考え方に基づいた変換が「ガリレイ変換」として明確に区別されるようになりました。

用語の普及
「ガリレイ変換」という用語は、特殊相対性理論の登場とともに一般的になりました。特に、アルベルト・アインシュタインが1905年に特殊相対性理論を発表した後、物理学者たちはローレンツ変換とガリレイ変換の違いを強調するようになり、これらの用語が広く使われるようになりました。

したがって、「ガリレイ変換」という言葉が誰によって最初に使われたかを正確に特定するのは難しいですが、19世紀末から20世紀初頭にかけて物理学の文献でこの用語が広まったと考えられます。特に、特殊相対性理論の発展に伴い、ガリレイ変換はローレンツ変換と対比される形で普及しました。by チャットGPTo

 

追記:ガリレイとニュートンそうしてマッハとアインシュタイン

ガリレイは1564~1642年に活躍した方です。その方が対話の中で運動する物体や観測者に対する物理法則の普遍性を説いていました。

 

ニュートンは1643~1727年に活躍した方です。その方が自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)の中で運動方程式F=maを始めて示しました。

さてそうであれば「ガリレイ変換を数式で表す事」は「プリンキピア発行以降で可能になった事」となります。

 

マッハは1838~1916年に活躍した方です。その方が『力学の発達』1883年を書きました。アインシュタインはその本から大きな影響を受けた、とされています。

ういき: https://archive.md/MUBcu :によれば『「力学の発達」1883年では、当時の物理学界を支配していた力学的自然観を批判した。

ニュートンによる絶対時間、絶対空間などの基本概念には、「形而上学的な要素が入り込んでいる」として批判した。この考え方はアインシュタインに大きな影響を与え、特殊相対性理論の構築への道を開いた。・・・

マッハは、ニュートンが自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)で主張して後に、哲学者や科学者らに用いられるようになった「絶対時間」「絶対空間」という概念について、「人間が感覚したこともないものを記述にあらかじめ持ち込んでしまっている、形而上的な概念だ」として否定した。・・・

 

アインシュタインは1879~1955年に活躍した方です。その方が1905年に運動物体の電気力学について(特殊相対性理論)を発表しました。

ういき: https://archive.md/Qtsk2 :によれば以前から論理的に展開されていた相対性原理(アンリ・ポアンカレ、ジョゼフ・ラーモア、ヘンドリック・ローレンツなどによるもの)を明確化して採用し、ニュートン力学とマクスウェルの方程式に基づく当時の古典論的物理学の体系に対し、相対性原理に基づく時空概念の修正を前者へ施すことにより、(重力場を除いて)両者は理論的に統合され、古典論的物理学の体系の完成に成功した。

特殊相対性理論では、「質量、長さ、同時性といった概念は、観測者のいる慣性系によって異なる相対的なもの」であり、「唯一不変なものは光速度 c のみである」とした。となります。

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「相対論・ダークマターの事など 記事一覧」

「その2:ダークマター・相対論の事など 記事一覧」

 

 


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