→(9)からの続き
それはともかく、とりあえず、件の“Mail.ru”の掲示板で“9月2日以降”に立った対日戦勝記念日関係のスレを一通り検索した限りでは、
一応、こういう↓風に、殊勝に対日戦勝記念日を祝い、戦没者の霊を追悼しようというものがあるにはあるのですが、
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<教えて!ナロード>
「今日(=2010/9/2)は戦争が終わった日。1941-1945年の戦争の終りが今日だってことを覚えていない人たちのためにも、全ての犠牲者のことを追憶しよう」
原題:сегодня закончилась война,давайте помянем всех погибших. для тех кто не помнит 1941-1945 именно сегодня конец войны
http://otvet.mail.ru/question/44923606/
<ナロードの答え>
回答ナロード1号
大祖国戦争は2つあったんだよ。一つは5月9日に終り、もう一つは8月に終わった。9月に終わったのなんて無いだろうに......※。
※実際には、千島列島付近におけるソ連の軍事行動は9月の5日辺りまで続けられた。
回答ナロード2号
追憶すべきだし、追憶しよう。でも、何で9月の2日なんだ?
回答ナロード3号
ウォッカ注げよ.......
回答ナロード4号
彼らが天国にありますように...有難う。とっても思いやりがあると思う....うちらの人間が、長らくその中にはいかなかったとしても....私は、この戦争が終わったのは5月だと思ってた。でも、それが9月の2日なんて...正直な話、初めて聞いたな。
回答ナロード5号
輝かしき記憶だな。
回答ナロード6号
戦没者に安らかな眠りを。彼らは例外なしに英雄だったよ。うちの爺さんの叔父にあたるゼイナロフ=ハリル※も1944年に戦死した。とても才能のある芸術家だったというのに。
※北カフカス~アゼルバイジャン辺りに多い、ムスリムっぽい姓名。多分、非ロシア人。
回答ナロード7号
うちらの側にせよ、ファシストの側にせよ、戦死者は分け隔てなく追悼しようじゃないか。天国は全ての戦死者に開かれている。
回答ナロード8号
日本との戦争が終わった日だ。爺さんはそれに従軍してた。輝かしい記憶だ!
回答ナロード9号
ロシア人にとって、戦争は1945年5月9日のドイツによる降伏調印をもって終わっている。でも、その後もうちらの兵士が犠牲となった戦いが沢山あったってわけだ。
回答ナロード10号
今日はロシアの精鋭部隊の日だ!
回答ナロード11号
常に区別して、忘れないようにしないとな.....誰がファシズムと戦ったのかを!
回答ナロード12号
で、始まったのは1939年だな。スターリンとヒトラーが、ポーランドに二方面から侵攻したんだ。
回答ナロード13号
あなたは本当に元から知ってたの?テレビの番組とかで偶々聞いたんじゃなくて?ぶっちゃけ、私はTVで知った。
<ナロード・ベストアンサー>
その通りだ!大祖国戦争はドイツの敗北によって5月の9日に終り、第二次大戦は9月の2日、日本の降伏によって幕を閉じた。5月9日以降も、うちらの兵隊に犠牲は出続けてたってことだ。全ての戦没者が永遠に記憶されんことを。
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そういうのはあくまで少数で、大半は日ソ戦争とも北方領土とも関係の無いものばかりですね。
内容としては大まかに二つの流れがあって、その内の一つは、とりあえず、9月2日の祭日の意味とか由来だとかそういうものは置いといて、
“9月2日は休日になるのか否か?”
というものでした。
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<教えて!ナロード>
「9月2日」
原題:2-ое сентября
http://otvet.mail.ru/question/44768959/
こんにちは。
クレムリンの報道局が伝えるところによれば、ロシア連邦大統領ドミートリー=メドヴェーヂェフは、“ロシアの軍事的栄誉と記念日に関する”法の第11条に変更を加える、連邦法への署名を行った。この法により、ロシアには新たな記念日が出現することになる。即ち、9月2日の第二次大戦終結記念日(1945年)である。
この日はカレンダーで赤字になる?休日にはなるの?
<ナロードの答え>
回答ナロード1号
ないな。
回答ナロード2号
いや、ならないだろう!うちらには、カレンダーで“赤字”になってない戦勝記念日なんて沢山あるわけで。
・1月27日-レニングラード(現サンクト・ペテルブルク)が独軍の包囲から解放された日(1944年)
・2月2日-スターリングラード(現ヴォルゴグラード)の戦勝記念日(1943年)
・2月23日-祖国防衛者の日
・4月18日-アレクサーンドル=ネフスキー公の軍勢が、チュード湖のそばでドイツ騎士団を破った“氷上の戦い”記念日(1242年。でも実際に戦いがあったのは4月の12日)
(確かに沢山ある。以下省略)
回答ナロード3号
また一つ口実が生まれたな。
回答ナロード4号
100%、休日になるな。“秋休み”って名前になるかも。
回答ナロード5号
9.11でなくてよかったんじゃない?
回答ナロード6号
いや。今のところ、うちらにとって赤字の日(休日)は5月9日(←ドイツが降伏した日=“大祖国戦争”の戦勝記念日)だけで十分だ。その内、休日になるかもしれないけどな。
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さらに、もう一つ。
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<教えて!ナロード>
「9月2日は第二次大戦終結の日だけど、まさかその日が公休になるってことはないのかな?」
原題:А 2 сентября -день окончания второй мировой войны, случайно не сделали официальным выходным днем?
http://otvet.mail.ru/question/44882274/
で、もしそうだとしたら、大統領令へのリンク、プリーズ(原文ママ)。
<ナロードの答え>
回答ナロード1号
現に、なってないぞ。
回答ナロード2号
えーと、やはりあんたはバカだと思う。ロシアには17の戦勝記念日があるけど、その中で休日となっているのは2日のみだ。
(延々と記念日が羅列されるので、省略。ただ、独ソ戦絡み以外で面白いものをいくつか挙げてみると、)
・7月1日-ピョートル1世指揮下のロシア軍がスウェーデン軍を破った、ポルタヴァの戦勝を記念する日(1709年、実際に戦闘があったのは7月8日)。
・9月21日-ドミートリー=ドンスコーイ大公指揮下のロシア軍が、クリコヴォにおいてモンゴル=タタール軍を破った日(1380年、実際には9月8日)。
・11月4日-全国民団結の日※
※ 2005年制定。1612年、ロシアの帝位継承の内紛に介入してモスクワを占領していたポーランド王国の軍隊に対し、“愛国的な”貴族と人民が起こした蜂起を記念したもの。この蜂起がきっかけとなってポーランド軍は完全に駆逐され、翌年には有力貴族のミハイル=ロマノフが即位。その後、十月革命まで300年に渡って続くロマノフ朝の礎を築くことになる。
・12月24日-オスマン帝国との戦争における、スヴォーロフ元帥指揮下のロシア軍のイズマイル要塞(今のウクライナとモルドヴァの国境付近にあった砦)攻略を記念する日。
回答ナロード3号
俺にとっては、戦争が終わったのはいつも5月の9日って感じなんだよな。9月の2日ではなく....。
回答ナロード4号
噂というのは、あれだ...俺が分かってる限りだと...どの日になるかは既にネットで広まってるという...。
回答ナロード5号
余計な休日が増えて、困るなんてことは無い。でも、悪名高いあの9月1日※が休日になるっていうなら、もっと分かるんだけどね。うちらにとって、あの日は本当に喪に服すべき日だと思う。
※恐らく、2004年9月1日に北オセチアのベスラン市内の学校で起きた、テロ事件のことを指している。
回答ナロード6号
大体、何でこんなに休日が多いんだよ?何でこの国の人間は働くのが嫌いなんだ?“うちらが一番、一番...”と喚くくせに、働くのは嫌い。当然のことながら、労働の対価を払うのも嫌いときてる。お陰で、未だに土曜労働(=ザービス労働)なんてものがあるわけだ。酷いもんだな!無償の労働なんてものは、侮蔑と同じだ。
回答ナロード7号
うちらの国は、休日が多すぎるんだよ。
<ナロード・ベストアンサー>
いやいや、いかにそうあって欲しいと願っても、それはないなw。
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中高生(ロシアでは小中高が全部一緒になってるけど)辺りが立てたスレもありました。
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<教えて!ナロード>
「9月3日に学校は休みになるの?対日戦勝記念日っていう新しい祝日ができるって話だけど」
原題:3 сентября мы учимся или нет. Говорят новый праздник День Побуды над Японией.
http://otvet.mail.ru/question/44854588/
<ナロードの答え>
回答ナロード1号
くだらん。もちろん、授業はある。
回答ナロード2号
本“祭日”は休日じゃない。まあ、“職工の日”みたいなもんだな。
回答ナロード3号
いやいや、何を寝言を言ってるんだ。授業はあるぞ。
回答ナロード4号
お前は休んじゃダメだ。行って歴史を勉強しろ。
回答ナロード5号
勉強しろ、勉強しろ、そしてさらにまた勉強しろw※
ソース:脳w
※レーニンの格言“一に学習、二に学習...”をもじった表現。
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今まで知らなかったのですが、どうやらロシアでは、この千年くらいに起こった、ロシア国家による歴史的な戦勝記念日は全て、祝日扱いになっているようですね。といっても、一番目のスレで例として挙げられている“氷上の戦い”(1242年)の頃なんて、今のロシア国家の原型にあたる“モスクワ大公国”すら存在してなかった訳ですが......。
もし日本で同じことをやったら、隣国との関係は大変なことになりそうです。“竹島の日”程度でもあの騒ぎですから、“碧蹄館の戦勝記念日”とか想像するだに恐ろしい......。
でもって、それら歴史的戦勝記念関係の祝日の中で公休扱いになっているのは2つだけであり、例の“対日戦勝記念日”は諸々ある“休みにならない祝日”の一つに過ぎないということです。
それに加えて、公式の祝日名から“対日”の名称が外されるという配慮も一応は取られているわけで、制度の上でも日本で騒がれているほど大したことではないのかも。
→(11)に続く
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ロシアは仮想ではなく、実務的に敵国だと知りました。
経済協力なんてとてもできたものではないと思います。
日本をこんなにも敵視しているのに、なにも抗議しない民主党もおかしい。