その1 の続きです。
引用部は、○印・・・毎日新聞連載時 ●印・・・単行本 で区別します。 異なる部分は下線を引きます。 その後、変更部分を指摘する、という形式です。
メインは加納祐介さんに関連するところですが、大空翼くんには岬太郎くんが欠かせないように、加納さんには合田雄一郎さんが欠かせない部分が出てくるので、その点も取り上げている場合があります。
ついでに加納祐介さんに該当する固有名詞・名詞・単語等は強調しています。
○教室へ向かう廊下の窓の外に晴れた空があり、小型機が見える。その同じ空の下で入院している旧友へと思いが飛び、気分がふさぐのはあいつのせいもある、と自分に言い訳をする。手術は来週だ。 (第1章 21)
●教室へ向かう廊下の窓の外に晴れた空が広がる。白と青の小型機が飛び立ってゆく、その空の下で入院している男へと思いが飛び、気分がふさぐのはあいつのせいもある、と自分に言い訳をする。手術は明後日だ。 (単行本p41 4)
【相違点】
○晴れた空があり、小型機が見える。その同じ空の下で
●晴れた空が広がる。白と青の小型機が飛び立ってゆく、その空の下で
○旧友
●男
○手術は来週だ。
●手術は明後日だ。
単行本は「教室へ向かう~」の前に、新規追加があるんですが、合田さんの描写なのでカットしました。ご自身でお確かめください。
○一日は府中の榊原記念病院へ友人の見舞いに行った。友人は十五日にペースメーカー埋め込みの手術を受けたところだ。寝たきりではないが、それほど自由に動けるわけでもないのがかえって所在ないようで、抜糸したらすぐに職場へ復帰するつもりで枕元に積み上げた裁判資料を放り出したまま、巷でベストセラーになっている新書『応仁の乱』を読んだりしているのは、いかにも仕事一途の男らしくないことだった。 (第1章 28)
●一日は府中の榊原記念病院へ加納の見舞いに行った。加納は十五日にペースメーカー埋め込みの手術を受けたところだ。寝たきりではないが、それほど自由に動けるわけでもないのがかえって所在ないようで、抜糸したらすぐに職場へ復帰するつもりで枕元に積み上げた裁判資料を放り出したまま、巷でベストセラーになっている中世史の新書を読んだりしているのは、いかにも仕事一途の男らしくないことだ。 (単行本p51 6)
【相違点】
○友人
●加納
(2回とも変更)
○新書『応仁の乱』
●中世史の新書
○男らしくないことだった。
●男らしくないことだ。
書名、カットされたんですね。この新書、当分の間は中公新書のドル箱の1冊、ロングセラーになるでしょう。
○心臓を病んだ身体を養生しながらでは、やはり、仕事もこれまでのようにはゆかないに違いない。それだけでも不本意だろうが、そろそろ独り身が不安になってくる歳なのは自分も同じだ。病気になったときは、どうする──? そんなことを考える傍では、友人がわざわざパジャマの前を開いて、触ってみるかと言い、合田はペースメーカーを埋め込んだ友人の胸に手を触れてみた。鎖骨の下から乳首あたりにかけて、薄い皮膚の下で金属の本体とリード線が微妙な凹凸をつくって盛り上がっているのが、エイリアンみたいだとつい口に出た。 (第1章 28)
●心臓を病んだ身体を養生しながらでは、やはり、仕事もこれまでのようにはゆかない。それだけでも不本意だろうが、そろそろ独り身が不安になってくる歳なのは自分も同じだ。病気になったときは、どうする──? そんなことを考える傍らでは、加納がわざわざパジャマの前を開いて、触ってみるかと言い、合田はペースメーカーを埋め込んだ友人の胸に手を触れる。鎖骨の下から乳首あたりにかけて、薄い皮膚の下で金属の本体とリード線が微妙な凹凸をつくって盛り上がっているのが、エイリアンみたいだと、つい口に出た。 (単行本p51~52 6)
【相違点】
○仕事もこれまでのようにはゆかないに違いない。
●仕事もこれまでのようにはゆかない。
○考える傍では
●考える傍らでは
○友人
●加納
(2度目の「友人」は単行本も「友人のまま」)
○胸に手を触れてみた。
●胸に手を触れる。
○エイリアンみたいだとつい口に出た。
●エイリアンみたいだと、つい口に出た。
義兄弟、最大にして最高の官能的な場面。
ここは悶えましたよねえ……。
もしも合田さんが触るのを拒否していたら、二人の信頼関係にひびが入ったかもしれません。
加納さん登場場面、新聞連載の第1章はここまで。次回は第2章です。
引用部は、○印・・・毎日新聞連載時 ●印・・・単行本 で区別します。 異なる部分は下線を引きます。 その後、変更部分を指摘する、という形式です。
メインは加納祐介さんに関連するところですが、大空翼くんには岬太郎くんが欠かせないように、加納さんには合田雄一郎さんが欠かせない部分が出てくるので、その点も取り上げている場合があります。
ついでに加納祐介さんに該当する固有名詞・名詞・単語等は強調しています。
○教室へ向かう廊下の窓の外に晴れた空があり、小型機が見える。その同じ空の下で入院している旧友へと思いが飛び、気分がふさぐのはあいつのせいもある、と自分に言い訳をする。手術は来週だ。 (第1章 21)
●教室へ向かう廊下の窓の外に晴れた空が広がる。白と青の小型機が飛び立ってゆく、その空の下で入院している男へと思いが飛び、気分がふさぐのはあいつのせいもある、と自分に言い訳をする。手術は明後日だ。 (単行本p41 4)
【相違点】
○晴れた空があり、小型機が見える。その同じ空の下で
●晴れた空が広がる。白と青の小型機が飛び立ってゆく、その空の下で
○旧友
●男
○手術は来週だ。
●手術は明後日だ。
単行本は「教室へ向かう~」の前に、新規追加があるんですが、合田さんの描写なのでカットしました。ご自身でお確かめください。
○一日は府中の榊原記念病院へ友人の見舞いに行った。友人は十五日にペースメーカー埋め込みの手術を受けたところだ。寝たきりではないが、それほど自由に動けるわけでもないのがかえって所在ないようで、抜糸したらすぐに職場へ復帰するつもりで枕元に積み上げた裁判資料を放り出したまま、巷でベストセラーになっている新書『応仁の乱』を読んだりしているのは、いかにも仕事一途の男らしくないことだった。 (第1章 28)
●一日は府中の榊原記念病院へ加納の見舞いに行った。加納は十五日にペースメーカー埋め込みの手術を受けたところだ。寝たきりではないが、それほど自由に動けるわけでもないのがかえって所在ないようで、抜糸したらすぐに職場へ復帰するつもりで枕元に積み上げた裁判資料を放り出したまま、巷でベストセラーになっている中世史の新書を読んだりしているのは、いかにも仕事一途の男らしくないことだ。 (単行本p51 6)
【相違点】
○友人
●加納
(2回とも変更)
○新書『応仁の乱』
●中世史の新書
○男らしくないことだった。
●男らしくないことだ。
書名、カットされたんですね。この新書、当分の間は中公新書のドル箱の1冊、ロングセラーになるでしょう。
○心臓を病んだ身体を養生しながらでは、やはり、仕事もこれまでのようにはゆかないに違いない。それだけでも不本意だろうが、そろそろ独り身が不安になってくる歳なのは自分も同じだ。病気になったときは、どうする──? そんなことを考える傍では、友人がわざわざパジャマの前を開いて、触ってみるかと言い、合田はペースメーカーを埋め込んだ友人の胸に手を触れてみた。鎖骨の下から乳首あたりにかけて、薄い皮膚の下で金属の本体とリード線が微妙な凹凸をつくって盛り上がっているのが、エイリアンみたいだとつい口に出た。 (第1章 28)
●心臓を病んだ身体を養生しながらでは、やはり、仕事もこれまでのようにはゆかない。それだけでも不本意だろうが、そろそろ独り身が不安になってくる歳なのは自分も同じだ。病気になったときは、どうする──? そんなことを考える傍らでは、加納がわざわざパジャマの前を開いて、触ってみるかと言い、合田はペースメーカーを埋め込んだ友人の胸に手を触れる。鎖骨の下から乳首あたりにかけて、薄い皮膚の下で金属の本体とリード線が微妙な凹凸をつくって盛り上がっているのが、エイリアンみたいだと、つい口に出た。 (単行本p51~52 6)
【相違点】
○仕事もこれまでのようにはゆかないに違いない。
●仕事もこれまでのようにはゆかない。
○考える傍では
●考える傍らでは
○友人
●加納
(2度目の「友人」は単行本も「友人のまま」)
○胸に手を触れてみた。
●胸に手を触れる。
○エイリアンみたいだとつい口に出た。
●エイリアンみたいだと、つい口に出た。
義兄弟、最大にして最高の官能的な場面。
ここは悶えましたよねえ……。
もしも合田さんが触るのを拒否していたら、二人の信頼関係にひびが入ったかもしれません。
加納さん登場場面、新聞連載の第1章はここまで。次回は第2章です。
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