うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

書だ!石川九楊展。

2017-07-28 19:57:39 | 鑑賞


最後は上野の森美術館。

7月30日まで開催中の「書だ!石川九楊展」です。

全く「書」の知識はないのですが、友人に「とにかくすごい!」と聞いていたので観に行きました。

いや、なんかもう、今日観た中で1番衝撃的で見応えがありました(゜Д゜;)

最初の作品は「エロイ・エロイ・ラマサバクタニ」…

すごく長い紙にびっしりと踊る文字…

書とはいいますが、私には完全にアートです。

K君がいなくなってからは私は聖書(旧約、新約)、歎異抄、何でも読んでいるので特に最初のこの作品は衝撃的でしたね…

イエスが「わが神、どうして私をお見捨てになったのですか」というものですね。

なんというか、石川先生の書は題材をかたちで表しているというか…

例えば歎異抄も1枚の書で表しているのですが、最初はイメージを線で表現している…?と思ったら、よく見ると所々に判読できる漢字がある。
つまり、やはりこれは単なる線ではなくやはり文字…つまり書なのです。

方丈記や徒然草もありました。

徒然草は正直私には判らなかった…(>_<)

でも方丈記は大学生の時にかなり読み込んだので、じっくり見つめると確かに漢字を頼りに読み進めることができました。

そして源氏物語!!

巻ごとに、その巻の内容に合わせて表現方法が違うのは本当に驚きでした。

文字を追える巻もあれば、文字を判読できず、ただイメージとしてズンと視覚に訴えてくるものがあったり、源氏物語絵巻を見ているようでした…すごすぎる!!

最後はアメリカ同時多発テロを表した書とか、東日本大震災の福島原発の事故とか、終戦70年を迎えての思いとか、それらをやはり表現している書があって、思想的にもかなりしっかりされた方なんだと思いました。

やられたらやり返すという思想は本当に恐いです。
私も最近の世界を見ていてそう思う…。

いや、本当に文字って自由だな、と思いました。

最後にすごいものを観ることができて、友人のおかげでまた違った世界を知ることができました。
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