国会周辺には、安保法制案に反対する国民が連日集まっている。法案が衆院特別委員会で強行採決された日はどんなだったろう? ツイートで見てみた。さらに多くの人が集まり、いろんな人が演説したようだ。私も行きたい・・・。
それはともかく、警察への批判が目立った。「参加者の人数が多過ぎるからもう進めない」と嘘をついた・カレーを無料配布している周りを囲んでしまった・法的根拠がないのに嫌がる参加者の写真を撮った・・・など。
6月14日とは状況が違うようだ。あの日も、警察官とこういう間柄で居合わせるなんて初めてだなあ、と戸惑ってはいた。・・・いや。そういえば、自動車免許の路上講習以来、「警官がいるとびびる」癖がしばらく続いたっけ。別に悪いことはしていないのに、気になってたまらなかった。歩いているだけなのに警官がプレッシャーだったり。「免許証忘れてないか?」と心配する癖がついてた。その後の長い長いペーパードライバー生活を経て、すっかり忘れてたなあ・・・。
どうなんだろう? 警察官が集会やデモを不当に扱う場に自分も居合わせたら? 官憲への怒りみたいなものがこみ上げてくるのだろうか?
6月14日に思っていた。「この人達にとっては仕事なんだよなあ」と。
戦争中に敵国兵士を前にしても、もしかすると私は同じようなことを考えるかもしれない。私も相手も自分の国を守ろうとしているんだよなあ、とか。もし、完璧に日本の自衛戦争なら? 敵は侵略しようとしている。敵の兵士は、志願兵だろうが徴兵された人だろうが傭兵だろうが、命令に従っている人が大部分じゃないかなあ。
もちろん、日本を侵略するという意欲を持って攻めてくる敵兵もいるだろう。だが、そんなに多人数とは思えない。根拠はないんですけどね。この時代、武力で他国を占領するために従軍したい人なんて、あまりいないのではないだろうか? ISILは国家ではない。犯罪者集団だから対象外。ロシアはウクライナに侵攻した。しかし、防衛が理由だと言う(ロシアにとって「存立危機事態」だった、と説明するかもしれない)。
日本にとっては不正義な命令に従った、という罪? それを理由に私は敵国兵士を殺したいだろうか? 個人的な恨みの方がまだ殺せるような気がする。
いや、警察官がデモ・集会の参加者に法的根拠もない、不当な扱いをしたら、それは法治国家として許されないはず。その警官が上司から不条理な命令をされているとしても、拒否するべき(国家公務員なら、直属の上司の不当な命令についてその上司の上司に報告して判断を仰ぐという規則がある、というようなことを聞いた。地方公務員はどうなんだろう?)。
問題は、今の政府が、憲法の一部を一方的に無効にしていること。そういう日本の現状で、警察官が法を超えて取り締まっているのは、国としてかなり危険。
第2次安倍政権の前までの政権なら(私が覚えている限りだが)、「警官が法を無視して国民に危害を与えても政府が法にのっとって管理しているから最終的には安心」と安心しただろう。もちろん、冤罪は起こり続けているが、発生率は低い。米軍がイラクで捕虜を虐待するのとフセイン政権が米軍兵士を虐待するのとでは、不安の度合いが異なる。それと同じだ。現場がだめでも政府はしっかり人権と法を守る、というのは理想よりは落ちるが及第だ。現実はそんなところだと思う(つまり、現場も政府もどのメンバーも人権や法をきっちりまもる人達ばかり、という状況は永遠にない)。
しかし。自分の好みだか都合だかに合わせて、憲法の条文を守るか踏みにじるか区別している政権なのだ。かつ、立憲民主主義を理解しておらず、そのくせ個人として一般国民と同様の振る舞いで良いと思っている政権。これは怖いよ。なんで、こんな先祖返りするはめになったかなあ。