さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

「水地比」(卦辞)

2024-09-18 | さわやか易・講座
「比は吉。原筮(げんぜい)して元永貞なれば、咎无し。寧(やす)んぜずして方(あまね)く来る。後るる夫(ふ)は凶。」
序卦伝に、「師とは衆なり。衆は必ず比する所有り、故に之を受くるに比を以てす。」とあった。比とは親しみ輔(たす)くるなり。人と人とが相輔けることである。
 
「比は吉。原筮(げんぜい)して元永貞なれば、咎无し。」比は吉である。筮竹で占うように、人々と相談して決め、それが「元」「永」「貞」ならば、咎无しである。「元」と「貞」は「元亨利貞」にあるので、省略するが、「永」は久しくという意味である。いづれも、健全、おおらかである。
 
「寧(やす)んぜずして方(あまね)く来る。」とは、四方から諸侯たちが大急ぎで集まって来る。
「後るる夫(ふ)は凶。」でも、中には抵抗して集まらず、催促されてようやく集まる諸侯もある。そのような諸侯には凶を味わうことになるだろう。
 
卦の形を見ると、上が水、下が地であり、地上が水で潤っている。あらゆる草木は成長し、動物たちも生きていける。水と地が親しみあうことによって、地上の生物は成り立っているのである。
「比」という字は、人が二人相親しんで並んでいることを表している。
 
後半の爻辞で詳しく説明するが、この卦辞は主に主爻である九五について述べられたものである。この卦は九五だけが陽爻で、後は全て陰爻で出来ている。陰爻の中で、初六、六二、六四が急いで集まる爻であり、後れる夫は六三と上六のことである。
 
全体を通して、「地水師」の軍隊を承けて、新しく国を開く時を想定して言葉が作られている。しかし、この「水地比」は新しい人の集団が出来ることを説いている。優れたリーダーが何かを始める時に、「水地比」の世界があるとも言える。色んな「水地比」を想像して見ることも、易の楽しさだろう。
 

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