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誤訳・誤報と安倍政権

2018-12-23 18:07:47 | より良き我国のために
 2015年4月28日に米国ホワイトハウスで日米首脳会談があり、更に共同記者会見がありました。記者会見の席上、オバマ大統領は沖縄の米軍基地問題に関して次のように発言しています。「And I reaffirmed our commitment to move forward with the relocation of Marines from Okinawa to Guam.(沖縄に駐留する海兵隊のグアムへの移転を前進させることを再確認した)」
 至ってシンプルな英語で誤訳などおよそ考えらるものではありません。

 これを生中継したNHKは同時通訳で「沖縄の普天間基地の移転について、より柔軟に対応したいと思います」と誤訳したのです。NHKはその7時間後の朝8時にこの誤報を正しい文章に訂正しています。
 読売新聞は29日の朝刊でこの部分を「沖縄県の普天間飛行場移設問題に、より柔軟に対応する」と誤訳し、翌30日の朝刊で「沖縄の(米軍基地)負担軽減を進める」と訂正しました。しかしこの訂正文もまだ間違っています。
 産経新聞、朝日新聞、日経新聞の3紙も29日の朝刊でこの部分を概ね「沖縄県の普天間飛行場移設問題に、より柔軟に対応する」と誤訳しましたが、それぞれ5月1日の朝刊で正しい文章に訂正しています。
 つまり日本の5つの大手マスメディアが揃って同一内容の誤訳・誤報をしたと言うことです。しかも原文とは似ても似つかぬ訳文です。思い切った「意訳」だとしてもその限度を逸脱しています。

 オバマ氏の発言が正しく報道されて困るのは安倍政権です。海兵隊をグアムに移すなら普天間飛行場の代替施設である辺野古飛行場は不要ということになり得るからです。普天間は返還、辺野古は不要なのです。本当に辺野古飛行場を造りたいのは米軍でなく、安倍政権だと言う事が分かります。
 これらの誤訳は安倍政権の意を汲んで報道5社が忖度したか、或は安倍政権の指示・依頼に従った結果だと思われます。特に同時通訳での誤訳はとても難しいのですが、先立つ首脳会談での感触を掴んだ安倍政権が予めNHKに指示・依頼していれば可能です。5社は夫々訂正報道をしてはいます。中には日本報道検証機構からの指摘を受けて訂正した社もありました。しかし特に新聞の場合、最初の誤報は大々的に朝刊1面にあり、訂正文は翌日の2面以降で小さく載せるだけです。かくして大多数の読者は訂正文に気が付かないのです。事実私自身もこの問題を最近まで知りませんでした。

 「国境なき記者団」が毎年発表している「報道の自由度ランキング」では17年の我が国は72位です。民主党政権時代の10年は11位でした。これほどの極端な下落は安倍政権による報道への締め付けが原因です。特に13年に公布された「特定秘密保護法」が効いています。更に安倍政権は憲法を改定して明治憲法に近づけようとしています。戦前、戦中の様に国民の上に「国体」を位置づけようとしています。「国体」を守る為に国民は「滅私奉公」を強いられます。それが彼らの言う「美しい国日本」なのです。報道の自由を制限することはその為の必須要件です。

 国民の皆さん、そんな息苦しい日本に、人権を軽視する日本に戻して良いのですか?


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