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軍備撤廃のコスタリカ方式を!

2024-03-17 16:38:15 | より良き世界のために

 我が国の選挙制度に「コスタリカ方式」と呼ばれるものがあります。一つの政党の中で競合する候補者がいた場合、一方を小選挙区に、他方を比例区に立候補させ、選挙の度に交代させる方式です。しかし本家本元のコスタリカでは有権者と議員との癒着を防ぐために、国会議員の同一選挙区での連続再選を禁じたもので、我が国の「コスタリカ方式」とは別物です。

 話は変わりますが、企業の技術者だった私は国内外の技術者教育に長く携わりました。1993年の実習生の中にコスタリカのディアズさんがいました。歓送会の席で彼は私に「ノーベル平和賞受賞者のアリアス大統領を誇りに思う」と告げたのです。

 中米コスタリカは「コスタ、つまり英語のコースト」と「リカ、つまり英語のリッチ」とで「素晴らしい海岸」という名の国です。1948年の内戦で多くの人命が失われたのを切っ掛けに新政府が常備軍を撤廃しました。時の大統領は「そもそも軍隊があるから戦争が始まる、武器を捨てよう!」と言ったそうです。

 翌49年には憲法で常備軍を廃止し、以来75年、軍隊なしを貫いています。軍隊廃止で余った資金は主に教育や医療に向け、昨年も地球幸福度世界一に輝いています。それだけではありません。米国の基地設置を拒否し、米州機構(OAS)に加盟して積極的非武装中立を保っています。更には86年、アリアス大統領は冷戦下で対立するニカラグアなどの周辺国に働きかけ、和平に導きました。87年のノーベル平和賞受賞はその功績によるものです。コスタリカの平和主義はその周辺国にも恩恵をもたらしたのです。

 「戦争をしない」と言う平和憲法は我が国も持っています。しかしコスタリカには我が国の自衛隊すらありません。日米同盟の相方が圧倒的な強さを誇った時代が過ぎ、今我が国は「米国と共に戦争する国」への変貌を迫られています。2014年の閣議決定による「集団的自衛権行使容認」、同じく22年の「反撃(敵基地攻撃)能力保持」、そして今、「戦闘機第三国輸出容認」を閣議決定しようとしています。何れも国会の決議を経ず、かつ憲法に違反するものです。自民党と公明党はこれらが憲法違反でなくなるよう、憲法を変えようとしているのです。

 地球幸福度毎年世界一のコスタリカに対し、20年の我が国は57位でした。国の借金がGDP比260%と世界でも最悪レベルの我が国は今後5年間で防衛費を倍増する計画であり、その分教育、医療、介護、年金などの福祉分野にしわ寄せが行きます。益々幸福度は下がることでしょう。「無防備こそ最大の防御」とはアリアス大統領の言葉です。我が国も軍備撤廃のコスタリカ方式を取り入れ、積極的非武装中立を宣言して自衛隊を「災害救助隊」に改編し、憲法前文と第九条に書かれた平和主義に戻りましょう。

 戦後78年、我が国は一人の外国人兵士も同民間人も殺していません。平和憲法が守ったのです。それを世界の人々が認め、称賛してくれています。しかし今後「集団的自衛権」、「反撃(敵基地攻撃)能力」、「戦闘機第三国輸出」を行使すれば、外国人兵士や同民間人を殺す危険性が出てきます。戦闘機は最大の人殺し兵器です。その時世界は我が国が平和主義を捨てたと思うことでしょう。そして我が国は遠慮なく攻撃されるのです。

 我が国は真の平和国家を目指しましょう。核兵器禁止条約に加わり、更には国連改革の先頭に立って旗を振るべきです。それは先ず安全保障理事会常任理事国の拒否権を無くして多数決方式に改めること。更には国連軍を組織して世界各国の軍備を撤廃することなどです。そこまで来れば現在のウクライナやガザでの様な悲惨な事態は無くなることでしょう。

 そのための第一歩としてこの4月から始まる国政選挙で自民・公明勢力を減らし、立憲民主を柱とする勢力を伸ばして政権交代を目指そうではありませんか。