イムジンガン、たぶん70年代に青春を過ごした人たちにとって、あのメロディーを思い出すのではないでしょうか? 僕もたしか中学生のころ聞いた覚えがあり、また「パッチギ!」という映画でも有名になりましたね。
さて、イムジンガン、北朝鮮のハムギョンナムドのマシク嶺を水源とし、長さ254キロ、流域面積8,118平方キロメートル、パジュでハンガンと合流し広大な河口を形作っています。とくに、この地域は北朝鮮と接しているため、河口堰などの構造物が一切ない、自然そのままの姿が保たれています。
統一路ぞいにあるオドゥサン展望台からは、広大な河口と北朝鮮がすぐちかくに見えます。他の西海岸と同じようにこの地域も潮の干満の差が激しく、9メートルぐらいの差があり、干潮時には干潟がはるかかなたまで広がります。
CBD-COP12に参加する中部地方のNGOの方々といっしょに、民間人統制区域の中まで入って、イムジンガンとその周辺の自然を満喫してきました。
この先にゲートがあり、ここでチェックをします。僕ら外国人の場合はパスポートを預けます。以前、ケソンに行ったときもこの道を通りました。
ここからケソンはソウルより近いんですよね。
それなのに、自由に行き来ができない分断の重さを痛感します。
これは統一村の出張所と集会所のまえの駐車場からとりました。ずっと先は北朝鮮です。
地下避難所の入り口、ヨンピョン島への砲撃のあと、急遽作ったそうです。
看板に避難所の規模が書いてあります。
村の中心にある、豆腐と味噌の工場。これも協同組合形式で村の人たちが出資して作ったそうです。
道端で米を乾かしている農民。車もほとんど通りません。
集会所(兼食堂)の2階には展示室があり、この村の歴史に関する展示があります。
手前が、今回案内をしてくれたパジュに住んでいるチョーさん。
これが、イムジンガン。
左側の林は実は島(中洲)です。個人の所有だそうですが、地雷の撤去をしていないので、立ち入りは危険だそうです。
最後に記念写真。実は、写真を撮っている間も、南側の砲弾射撃訓練が行われていて、すごい音でした。これは、現場に行ってみないと分かりませんね。この写真のすぐ後ろも、いま開発をしようという話があるそうです。統一に備え、また洪水に備え、川底を掘り下げて、掘り出した砂利を周辺の用地のかさ上げに使うという、どこかで聞いたことがある土木工事をしようとしているそうです。
日本人にはなかなか実感できない、南北の分断と、分断によって’守られてきた’イムジンガンの自然。これから冬になると凍った川が、満ち潮のときに逆流してどんどの上流に上がってくるそうです。その上がってくる氷(流氷)が中州の島にぶつかる光景は見ものだそうです。マナズルなども越冬しますので、ぜひ一度、来て、イムジンガンの生態系をいっしょに守りましょう。