蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「みせ」

2009年12月29日 | 「語句」「言葉」~名詞編(は行~わ行)
【「みせ」】

≪辞書で調べてみます≫
<店・見世>
〔「見せ棚」の略〕
(1)商品を並べて売る所。商店。また、転じて、商売。
「繁華街に―を出す」
(2)江戸時代、妓楼で、遊女が客を誘うために格子構えにした所。道路に面している。張り見世。
(3)「見世女郎」の略。

<慣用句>
店をたたむ
店を張る
店を広げる


≪「みせ」と訓読みできる漢字≫


テン/* dian4
みせ たな <はたごや、やどや>
字統:651
常用字解:469-3
0426/03118

<解字(常用字解)>
中国文献の「玉篇」では、「酒杯を置く所」とする。
その意味では、坫(テン)を用いる~“店”は異体字。
“店”は、堂(建物)の隅に商品を並べる場所
※「建物の一画を占める」という意味にも取れる。


舗 舖 鋪
①②ホ/フ ①pu1 ②pu4
<把手の金輪を付ける金具> しく <とめる><あまねし><器物の名~たかつき> みせ 
<たな><宿場>
字統:809
常用字解:577-1
0256/01689・01690-1354/12415

<解字(常用字解)>
“甫”は、根を包み込んだ苗木の形。  ※苗木は、田んぼに敷き並べる
“舍・舎”は、建物。
“舗・舖”は、商品を並べて売るための建物 ∴「店舗」
● 舗(常用)・舖(旧字体)は本字 鋪は正字
説文では、“鋪”を使い、「門の金具」としている。


廛 壥 鄽
テン/デン chan2
みせ <店舗税>(すまい)≪やしき≫
字統:654~鄽:656
0432/03173-0294/02138-1327/12105

<解字(字統)>
广+橐(タク、ふくろ)の省略形+土。
“广”は、建物の屋根の形。“土”は、地面。
“橐”は、農作物などを納めた袋。
“廛”は、農作物などを一時的に貯蔵する小屋。
“鄽”は、村中(邑中)にある「みせ」の意味。
∴“店”の字が用いられ出したのは、南北朝末期から。
●廛・鄽は本字 壥は俗字



シ/* si4
ほしいまま <きわめる><のびる><ころす> つらねる <ついに><ゆえに><まこと><ただしい><おおきい><はやい><ゆるめる><すてる><あやつる><突く><つとめる><こじ> みせ <宿><楽器><四の字の代用>
1077/09455

<解字(蜻蛉)>
“店”字統:651文中に、「店肆:テンシ」と言う言葉が載っている。
“肆”が、「ほしいまま」の訓が有るように、店で商いを行って、利益を「ほしいまま」にすることから、“肆”は「みせ、工作所、市場」の意味になったのかもしれない。


≪意味合いが「みせ」の漢字≫


ホウ/ボウ 慣用:ボッ fang1 / fang2
まち <みせ><へや><建物> つつみ <ふせぐ> ボウ
字統:825
常用字解:587-3
0275/01871

<解字(字統)>
“方”に「区分・区画」の意味が有る。
“坊”は、街路の一画を区分された場所のこと。
※寺院の中も“坊”ごとに区切られている。
区切られた場所 ⇒ 物を並べる「みせ」



①②コウ/ギョウ ③④コウ/ゴウ 唐:アン(ヒン)
①xing2 ②xing2 (xing4) ③hang2 ④hang4
ゆく いく おこなう(やる)<みち> ゆくゆく <まさに~せんとす><詩の一体>
<書体の一種><万物を生じる精気> おこない <ならび><みせ><兵士25人の一隊>
<意思が強いさま><次第><同じ世代の人>≪いかす、ゆき、おこなわれる≫
常用字解:190-1
0449/03317
∴「行商」


団 團
タン/ダン 唐:トン tuan2
まるい(まろい)<まどか><あつまる> かたまり 
<ころがる><まろぶ><みせ=店>
常用字解:430-3
0264/01779・01780
 


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