蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「くに」

2009年12月04日 | 「語句」「言葉」~名詞編(あ行~な行)
【「くに」】

≪辞書で調べてみます≫

<国・邦>
(1)一つの政府に治められている地域。国家。国土。
「―を治める」
(2)地域。地方。
「北の―」
(3)(地方自治体に対して)中央政府。
「―から県に管轄が移る」
(4)古代から近世に至る日本の行政単位の一。
大化の改新の国郡制によって定められ、明治維新後郡県制に変更された。
「武蔵の―」
(5)自分の生まれ育った所。故郷。郷里。
「何年ぶりかで―に帰る」
(6)任国。領国。知行所。
(7)任国を治めること。国務。
「国司くだりて―の沙汰どもあるに/宇治拾遺 3」
(8)(天に対して)地。大地。
(9)国の統治者。天皇の位。また、その政務。
(10)国(4)ごとにおかれた地方行政府。
(11)国府。


≪「くに」と訓読みする漢字≫

国 國 圀
コク/* guo2
くに くにする
字統:333
常用字解:209-1
0266/01799・01800-0268/01803

<解字(常用字解)>
或は、囗(都市を取り囲んでいる城壁の形)の周辺を戈で守る形。∴國の元の字である
混同を避けるために、「囗:くにがまえ」を加えて「國」にし、武装した国の都のことをいう。
※“国”は、國の草書体から生まれた略字である。
<圀という字の成立>
唐代の則天武后は、限定するという「或」を不満とし、
代わりに「八方」の字を入れ替えて、「圀」を作らせた。
∴日本では、徳川光圀(黄門さん)の名に残っている。
☛国・國・圀は本字 囯は俗字 囶は古字 
☛囗(くに)は国・國の古字



①イ/* ②コク/*
①wei2 ②guo2
<めぐる><かこい>≪くに≫
0261/01769
<解字>
“國・国”参照
● 囗は国・國の古字


邦 邦
ホウ/* bang1
くに <くにする>≪いく≫
字統:814
常用字解:580-1
1319/12008・12009

<解字(常用字解)>
神を祭る社の“土”の上に、若木である“丰”を植え、その傍らに“邑”を加える。
天子の領土の一部を分け与えて諸侯に任命し、国を作る“封建”の儀礼を意味する。
“邦”は、封建することにより作られた「くに」の意味。
⇔“国”は、武装した国の都のこと。
●邦 (12008:邦)・(12009:邦)は同字


那 那
①②ダ/ナ ①nuo2 ②na4 / nei4
<多い><美しい> なんぞ いかんぞ <いかん><おいて><なに><あれ><あの>≪とも≫≪くに≫
字統:690
1319/12005・12006

<解字(字統・蜻蛉)>
“冄(ゼン)”+“阝(おおざと、邑)の形。
“冄”は、しなやかで多いものを意味する。
木の枝のしなやかで美しく花の咲く場所(邑)。???
※中国語では、「あれ、これ」の意味に用いる。



ト/ツ dou1 du1
みやこ みやこする <おる、いる><あつまる、あつめる><すべる>(すべて)<みやびやか><ああ>≪くに、さとし≫ 
常用字解:474-1
1323/12058

<解字(常用字解)>
者(者)は、曰(エツ)の上に木の枝を重ねその上に土をかけて作ったお土居(土の垣)で、外部からの侵入者に備えて作られた。
阝は、邑(むら)で城壁に人がいる形。「集落・村」。
“”は、周囲にめぐらしたお土居で守られる大きな集落。「人の集まり」⇒「くに:國・国」



イク/* yu4
かぐわしい <さかん><あたたかい>(あや)<地名>≪かおる、みやこ、いくみ、くに、たかし、ふみ≫
字統:027
1320/12022

これも「くに」:訓・匡
おまけ:久邇~東久邇宮


≪意味合いが「くに」の漢字≫

囯 [国:玉→王]
コク/* guo2
【くに くにする】
0264/01789
☛国・國・圀は本字 囯は俗字 囶は古字
 (●囗は国・國の古字)



コク/* guo2
【くに くにする】
0268/01801

<解字>
“國・国”参照
☛国・國・圀は本字 囯は俗字 囶は古字
(●囗は国・國の古字)



ヨク/イキ yu4
(くぎり)さかい <くぎる><くぎられた土地><くに>
字統:026
常用字解:014-3
0280/01954

<解字(蜻蛉)>
“或”自体に「くに」乃意味があり、さらに土(国土)を加えた。



シュウ/ス・シュ zhou1
す <行政区画の称><むら>(くに)
常用字解:280-2
0402/02987

<解字(常用字解)>
川の流れの中にある中州の形。
三筋の流れの中央に土や砂が堆積して水面上に現れた中州を楕円形でかいている。
大河の下流のデルタ地帯をも「州」と言った
∴ 陸地の意味に



ホウ/* fang1
かた <むかう><ところ><くに><てだて><わざ><薬の調合><よも><土地><しかく><かど><いた><ただしい><ほしいまま><みち>(ならべる)<並んだふね><いかだ>(くらべる)<わける><たぐい><あたる>(まさに)<さからう>≪がた、たもつ、ただし≫
常用字解:579-2
0577/04506



①チョウ/* ②チョウ/ジョウ ①zhao1 ②chao2
あさ あした <はじめ><まつりのにわ><まつりごと><つかさ><朝廷にまいる><一人の天子が在位する期間><くに><あつまる>≪とも、とき≫
字統:625
常用字解:450-3
0634/04942
☛朝(04942)は常用字体 ?(04943:朝)は旧字体


≪「くに」関連≫

社 社
シャ/ジャ she4
<くにつかみ><土地の神> やしろ <祭りの名><社日><団体・組織><ほこら シャ
常用字解:264-2
0944/08149・08150


祇 祇
①キ/ギ ②シ/* ①qi2 ②zhi1
くにつかみ <大きい><やすらか> ただ まさに
0945/08155・08156
☛(08155:祇)は本字 (08156:祇)は俗字

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