蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「とら」 ∴「とら年」に因んで

2010年01月03日 | 「語句」「言葉」~名詞編(あ行~な行)
【「とら」】

≪辞書調べ≫
[寅]
(1)十二支の第三番目。年・日・時刻・方位などに当てる。
(2)時刻の名。今の午前四時頃。また、午前三時から五時までの間。または午前四時から六時。七つ。
「―の刻」
(3)方角の名。東から三〇度北寄り。
→寅の日

[虎]
(1)ネコ科の哺乳類。北方に産するものは大きく、体長2.8メートルに達するものがある。胴が長く足が短い。体は赤茶ないし黄褐色で、胴には黒色の横縞(よこじま)がある。森林や深い茂みに単独ですみ、主に夜活動して鳥獣を捕食する。インド・東南アジアから朝鮮・シベリアまで分布。
(2)俗に、酔っ払いのこと。

<虎に翼>
〔韓非子(難勢)〕勢力あるものにさらに勢力を加えることのたとえ。

<虎になる>
ひどく酔う。酒に酔って意識が乱れる。

<虎の威を借る狐>
〔戦国策(楚策)〕他人の権勢をかさに着て威張る小人(しようじん)のたとえ。

<虎の尾を踏む>
〔易経(履卦)〕非常に恐ろしいこと、または、非常な危険を冒すことのたとえ。虎の口へ手を入れる。

<虎は死して皮を留め、人は死して名を残す>
<虎は死して皮を残し、人は死して名を残す>
死後に名誉・功績を残すべきである、というたとえ。

<虎は千里往って千里還る>
虎は一日で千里の道を往復することができるということ。勢いの盛んなさまや、子を思う親の気持ちの強いさまをいう。

<虎を画きて狗に類す>
〔後漢書(馬援伝)〕素質や力量のない者がすぐれた人の真似をして、かえってぶざまな結果になることのたとえ。

<虎を千里の野に放つ>
(1)猛威ある者を自由にさせておくことのたとえ。
(2)あとで大きな害になるものや危険なものを野放しにしておくことのたとえ。

<虎を養いて自ら患を遺す>
〔史記(項羽本紀)〕禍根を絶たないでおいて後日に災いを残すことのたとえ。


≪「とら」と訓読みする漢字≫


イン/* ying2
とら <つつしむ>
字統:034
0364/02595

<解字(字統)>
“矢”と“キュウ:両手[収のような文字]”に従う。
“寅”は、両手で矢柄の曲りをまっすぐに直す形。
矢柄を直す行為が神事的な意味を持っている。
十二支の「とら」での「寅」は、仮借の用法である。
“矯:ためる”ことから「のびる」につながるのか?


虎 乕 虝
コ/* hu3
とら <たけだけしい>
字統:286
1145/10246-0040/00081-1147/10259

<解字(漢語林)>
“虎”は、象形文字。
篆書は、虎の皮の文様のある被り物をして、人(儿)が踊る姿。
“乕”は、“遞:たがいに”の新字体の“逓”に使われることから、“虒:シ”と同じ
● 虎は本字 乕は俗字 虝は古字



ヒュウ/ヒョウ biao1
<まだら=虎の皮の斑文><あや><あきらか>~あきら 
<小さい虎>≪たけし、たけき、とら≫
0448/03309

<解字(漢語林)>
“彡”は、「いろどり」の意味。
“彪”は、虎の皮の模様の意味。


≪「とら」を含む語句≫


コン/* 慣用:ゴン
gen4 gen3
<もとる><さからう><止まる><なやむ><かたい>
<易の卦の名> うしとら
字統:338
1089/09578

<解字(字統)>
“目”と“人”に従う。
目は呪的な目的で掲げられている「呪眼」。
その下に後ろ向きに退く人の形を書く。
“艮”は、邪眼をもって侵入者を退けること。
●?(07785)は本字 艮は俗字

◆方角(干支順番に):
子_丑_寅_卯_辰_巳_午_未_申_酉_戌_亥
___艮_____巽_____坤_____乾_
艮:うしとら 巽:たつみ 
坤:ひつじさる 乾:いぬい



コウ/クウ kong1
<怪鳥の名> ぬえ <とらつぐみ>
1499/13982


≪総評≫
虎:虎の皮の模様~象形文字
寅:干支(えと)に用いる~仮借の用法




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