蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

漢字に関する色々なことを発信して行きます。中国語も有りますよ!

【“隶”を部分に持つ漢字の「ここ」が異なる】

2009年04月19日 | 共通する部分が表すモノ
【“隶”を部分に持つ漢字の「ここ」が異なる】

≪“隶”の部分に関係する漢字には、これらが有ります。≫
“逮”“隷”“隸”や“康”などが有ります。


①タイ/ダイ ②イ/* 
およぶ <追い付く><あたえる><もとー本>
①dai4 ②dai / li4
1398/12896


①タイ/ダイ ②テイ/ダイ 
およぶ <おう>(とらえる)<おくる>
①dai4 / dai3 ②di4
1304/11883


レイ/ライ
<つきしたがう><けらい、奴隷>~しもべ <罪人><ならう><書体>
li4
1398/12897


レイ/ライ
<つきしたがう><けらい、奴隷>~しもべ <罪人><ならう><書体>
li4
1398/12898


コウ/*
やすい <丈夫><やわらぐ><たのしい><大きい><5方に通じる道><むなしい、からっぽ>≪しずか、やすし、たけし≫
kang1
0429/03135


≪また、その他には、これらが有ります。≫


タイ/ダイ
<土で築いたせき>
dai4
0282/01980


トツ/トチ
<滑らか>
tu1
0542/04175


テイ/ダイ
(にわざくら)~<にわうめに似る>≪とおる≫
di4
0680/05412

<日本で扱えない漢字>





≪でも、“康”だけはちょっと違います≫

白川先生刊行の『常用字解』によると、

199-2


会意。庚 と 米 とを組み合わせた形。
庚は、両手で午(杵)を持って穀物を扱き、脱穀・精白する形。
下に米を置くのは、米の皮を取り去り精米するの意味。

古い字形では、米の部分では、糠が散っている形であるから、康は、糠の元の字であることが判る。
古くは、康は、「やすらか」の意味であった。

上記の漢字などでは、中国語ピンインには「d」「t」または、「L」などであり、この“康”の「k」は、音の観点からも、違いと言うことがわかる。

“庚申”のように“庚”には、「コウ:keng」の音を持っていることからも理解できる。


【結論】
篆書体などでの違いは、はっきりしていますが、今日の字体になるとほんとによく似た姿になってしまいました。偶然なのか?作為的なのか?同じ部分を持漢字になりました。

同じ部分を持つからといって、意味合い・音などが、同一だとは限らない。
探して行くともっともっと有るようです。探してみるかちが大いに有るようです。

最後までお読み戴いて、ありがとうございます。敬白





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