木のように生きよう!!

「世界の巨樹を見に行く会」で巨樹を訪ねるとともに、日本の写真が海外のアート市場で認められるように頑張っています……。

6.石焼き風呂の効能

2006-12-29 14:25:16 | 巨樹ドタバタ紀行
2006年もいよいよ押し迫ってまいりました。
私も今日あたり実家に帰ろうかと思っています。
本当にみなさんのおかげで今年もとっても楽しい1年でした。
ありがとうございます。

Kanmu4さて、久しぶりの「巨樹ドタバタ紀行」は台湾です。

来年には台湾ツアーも予定していますが、その台湾に初めて行ったときのお話。
なかには、数年前の台湾ツアーに参加された方もいらっしゃると思いますが、それより以前に台湾でいちばん大きな紅ヒノキを探しに行ったときのことです。

まだ、発見されたばかりで、看板もなく、かなりアドベンチャーな旅でした。

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それは、大学生2人(KくんとNくん)と、カメラマンY氏、私、山岳ガイドの江(こう)さんと出かけたときのことだ。

このとき、私たちは台湾国内に残る1位から10位までの巨木を巡っていた。ちなみに、9位にクスノキが入るが、10本のうちの9本までが紅ヒノキで、この樹種はかつて日本の神社仏閣にも使用された良材。日本で最も太いのは幹周り24.2mの「蒲生の大楠」といわれているが、台湾第1位のベニヒノキは幹周り27.2mでそれを凌ぐ太さである。樹高は55m、推定樹齢2500年だと聞かされていた。

台湾一の巨木は、大雪山(標高3529m)の標高2325mあたりの林道脇にあった。早朝、大雪山登山道の入り口にクルマを停めた私たちは巨木を目指して、林道を歩き始めた。じつは数年後に行なったツアーではこの林道をクルマで走り、大木の脇まで行けたのだが、このときは台風で途中の道が決壊していたため、歩かざるをえなかったのだ。

歩き始めた道は未舗装ではあるが、クルマが通れるように砂利が敷かれていて、傾斜もそれほどない。しかし、そのぶん距離は長かった。そのうえ、ダラダラ登る林道を行くのはつまらない。森のなかの登山道を歩くほうが断然、楽しいものだ。

Kanmu1歩いても歩いても標高はなかなか稼げない。しかも、台風のせいで、途中が川のようになっている箇所ではトレッキングシューズを脱いで、冷たい水のなかを歩かねばならなかった。

ただただ前に進むこと、約10時間。

夕闇が迫るころ、やっと、私たちは巨木の近くにあるという廃屋にたどり着くことができた。

そこは営林署跡のようなところで、かつてベニヒノキの搬出基地でもあったようだった。すでに無人となって久しい廃屋のなかで、その晩は寝袋にくるまって、夜を明かすことになった。

廃屋の前で、私たちは焚き火をし、その火で江さんがインスタントラーメンの夕飯をつくってくれた。それをお腹に入れると、私とKくん以外はすぐに廃屋に寝に行ってしまった。Kくんはかなり冒険好きだし、私もこんな廃屋に泊まって焚き火をしていると、なんだかとても楽しくなってきて、寝るのが惜しくなってしまったのだ。

私たちは早速、焚き火を盛大にしようと材を探して廃屋の周囲を歩き回った。すると、Kくんが「いいもの発見しましたよぉ」と、うれしそうな声を上げた。そうして、「石焼き風呂をつくりましょう」と、薪とともにせっせと大きな石も運び始めた。

Kくんが発見したのは、軒下に置かれていたバスタブのようなもの。都合のいいことにはそこには雨水らしきものが溜まっていた。Kくんと私は苦心しながらも、焚き火で熱くした石をそこにガンガンと入れていった。周囲はもう真っ暗闇だったが、石を入れると、その度にジューっという音がして、雨水がどんどん温かくなっていくのがわかった。

「じゃぁ、KANIEさんからどうぞ!」、Kくんにそう言われて、入った石焼き風呂はじつに心地よかった。10時間歩いた足の疲れもどんどん溶けていくし、標高2000mの冷え込みで固まっていた体もじんわりほぐされていく。露天風呂みたいで最高だわ~んと、私は満天の星を眺めてそう思った。

だが、懐中電灯で風呂を照らすと、風呂のお湯がなんとなく黒っぽい。さらにボウフラのような虫の姿もチラホラ。しかし、この気持ちよさには変えられない。すぐに懐中電灯を消して、「いまのは幻だ」と私はすぐにその映像を頭から消し、見なかったことにして、ただただ熱いお湯だけを堪能することにした。

私の後にKくんもすぐにお風呂に入り、その間に、私は寝ていたみなさんにお風呂を薦めに行ったのだが、誰も入る人はいない。Y氏は清潔好きだし、Nくんは小心者だ。「断られてもしかたないか」私とKくんは言い合い、「でも、こんなに気持ちにいいのに、もったいないよねぇ」と言いながら、私たちはホカホカした体で気持ちよく寝袋へ入った。

翌朝、ぐっすり眠って、機嫌よく起きると、私とKくんの顔だけがなんとなく黒い。こわごわ、昨夜の風呂を見に行くと、それは石についたススで真っ黒になっていた。一瞬、こんなのに入ったのかぁと我ながらゾクっとしたが、これもすぐに忘れることにした。なんてったって、気持ちがよかったし、体が軽い。それにもう入っちゃっんだから、いまさらしかたないもんねぇ~。

朝食を摂ると、私たちは林道の下に見える森のなかから、ナンバー1の巨木を探すことになった。上から、眺めていちばん大きな樹冠を見つけると、すぐに私とKくんだけがその木に向かって滑り下りた。密集した低木の枝にバンバン当たるし、思わぬ急傾斜で尻餅をつきながらである。しかし、お尻を真っ黒にして、顔に擦り傷をつくって下りた先には、大迫力の紅ヒノキが待っていた。

顔は黒くなったが、台湾でいちばん大きな巨木を最初に見ることができたのは、前の晩に石焼き風呂に入って、体の疲れを取っていたおかげだった。そうでなくては、きっと無事、着地できなかったろうし、下りる勇気も持てなかっただろう。

神社などで祀られている巨木と違い、ほとんど人の来ない山中で野性的に生きていた木は、ものすごいパワーを発していた。Kくんと私はしばらくふたりだけで、その生命力に圧倒されていた。

この旅では、阿里山鉄道終着駅の駅舎の下で寝て、廃線をたどりつつ山中の巨木も見に行った。かなりワイルドな旅で、楽しい思い出もたくさんあるが、いちばん忘れられないのは、この石焼き風呂の気持ちよさだったことは言うまでもない。







マグロ、まぐろ、マグロ!!

2006-12-26 21:55:55 | 日々の暮らし
Img_1107いやはや、昨夜のマグロ忘年会は楽しかったこと!

参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました~。
そして、お仕事の都合やカゼで来られなかったみなさん、次回の参加をぜひお待ちしておりますね~。

Img_1108中落ちをホジホジしながら、食べるのは初めてでしたが、ホントにさっぱりしていておいしかったです。
こういうのは大人数じゃないと食べられないですし、ね。迫力ありましたよね~。
あ~、楽しかった。
当然、お酒もおいしかった~。

Img_1112かぶと焼も油が乗っていて、最高でしたねぇ。
ホントにみんなで食べるとおいしいこと、おいしいこと!!
女性陣はコラーゲン補給にもなって、みんな最後はお肌ツヤツヤでしたよね。

Img_1115それに、O画泊にマグロのスペアリブが似合うこと、似合うこと。
豪快に食べてくださったので、見ていて気持ちよかったです。

今年はみなさんにホントにお世話になりましたが、最後に、またご一緒できて、とってもうれしかったです。

来年もぜひぜひ、おいしいものを食べて、一緒に旅にいかせてくださいませ。
よろしくお願いいたしま~す。

Img_1111>Sさん、中落ちホジホジ係、お疲れさまでした!!





冬の花火って……

2006-12-24 18:33:22 | 日々の暮らし
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15日に柳家喜多八さんの独演会に行って、その帰りにまた、島根のお店で焼酎「あんぽんたん」をおともに、いつもの落語友達と舌鼓を打って以来、ずっと自宅で、年末までの原稿書きをやっておりました。ブログも放ぽらかしで、すみませ~ん、でした。
とりあえずは終わった~、バンザーイ(って、まだ別の仕事はあるんだけど、しばし忘れておくことにしようっと……)。

で、昨日は1週間ぶりにお出かけ。仕事で熱海へ。家にいて、朝から晩まで文章書いてると、旅好きの私はすっかり気分がへこんでしまうのですが、どこかへ出かけると途端に盛り上がってしまうんですねぇ。

昨日は、今年最後の「熱海の花火」大会ってことで、その撮影のお供をしたのですが、
あんまりにもうれしくって、ついつい仕事を忘れて、カメラマンさんの隣で花火写真を撮ってしまいました。

子どものころに『冬の花火』というドラマを見たことがあって、そのちょっと悲しげな雰囲気に影響されていたせいなのか、冬の花火って、なんとなく寂しいもののような思い込みがあったのですが……。さにあらず、実際は全然違っていましたね。

なんてったって、すごい人でしたし、夜空に大きく広がる様は空が澄んでいるせいか、夏より大迫力!!
途端に胸が躍り、「ウォ~、ウォ~」と叫んでしまいました。

Img_1041そして、花火が始まる前に親水公園で“ヒマラヤサクラ”を撮影。このサクラはヒマラヤ近辺の温帯から暖帯に11~12月に咲くそうで、昭和43年にネパールから寄贈されたものだそう。冬に咲くサクラもまた、なんだか春のサクラより「健気でよろしおす」って感じでした。

Img_1042ついでに、その横に咲いていたデュモルホセカの花の形が変わっていたので、パチリ。じっくり見ていると、小宇宙という感じに見えてなんとも不思議でした。

そして、その足で、熱海梅園へ。

Img_1053なんでも、熱海は日本一早く梅が咲き、日本一遅くまで紅葉が残っているとか。今日まで、紅葉のライトアップがあったので、行ってみた次第です。

というわけで、このとおり。まだ紅葉が残っていましたねぇ。

花火の前には、熱海でおいしい干物やさん「釜つる」で干物を食べ、そして、海上花火に声を上げて……。最後は箱根の温泉と思ったのですが、タイムオーバーで「あら、残念」。てな感じで、熱海プチ旅行報告で、ございました!!

Img_1051PS/いよいよ明日は「マグロ忘年会」だ~。食べるぞ~、飲むぞ~、笑うぞ~、しゃべるぞ~って……、イブより、いまから気合い入ってます。
※写真は熱海梅園水の図でございます。カメラマンさんの横で真似して撮ってみました~。



涙うるるんの宅配便

2006-12-17 12:04:01 | 日々の暮らし
ニュージーランドから帰国して、14日にあわてて、『25日のマグロをいただく忘年会』についてのお知らせメールをみなさんに送らせていただきました。そして、この日は某雑誌編集部の忘年会へ。

取材でお世話になった写真家や編集部の方々にお会いして、今年1年のご挨拶をしていると「本当にいろんな方に助けられ、励まされ、ありがたかったなぁ」と感謝と感激の気持ちでいっぱいに。で、深夜に帰宅すると、『マグロ忘年会』参加してくださるみなさんから、たくさんの返信メールが来ていました。
そして、宅配便がひとつ……。

Img_1031「世界の巨樹を見に行く会」のみなさんには今年もまた、楽しい思い出をたくさんいただいたなぁと、メールをひとつひとつ読みながら、胸がジーン。行間にみなさんの温かさが滲んでいて、お返事を書きながら、「ありがたいなぁ~、うれしいなぁ~」と大きな独り言を連発。そして、宅配便を開けると……。

もう、あまりのお心遣いに、涙がうるうる。
一人暮らし用に考えてくださったのでしょう、いろいろな美味しいものが詰まっているだけでなく、「ニュージーランドからお帰りなさ~い」から始まるお手紙が添えられていました。
「元気な旅ができるように、あれもこれも食べてもらいたくて……、Junmama かあさんの宅配便です」

私のHPにいちばんコメントをしてくださるJunmamaさんは、もっとたくさん書き込みたいけど、あんまり書き込むと私とふたりの交換日記のようになるからと、いつも細かい配慮をしてくださる方。3月のツアーでもその控えめなやさしさで、みなさんのマッサージまでしてくださいました。

お年寄りの方にヘルシーなお弁当を宅配するNPOもやっているJunmamaさんは、今年は300人におせちを届けるそうです。お忙しいのでなかなかお会いできませんが、今年お知り合いになれた方のなかではいちばんの人です。

Img_0756_1吉田さんといつも言っているのですが、「世界の巨樹を見に行く会」は私たちではなく、参加してくださるみなさんのおかげで、いつもとても楽しくて……。そして、みなさんの笑顔のおかげで、私たちはたくさんの幸せをいただいています。私にとっては、その年その年、出会えてよかったなぁと思う人の集団でもあります。

25日には、そんなみなさんとまたお会いして、楽しいお話をしながら、ひとときを過ごせると思うと、うれしくて……。
ニュージーランドで会ったワンちゃんのように、いい子にして(=ちゃんと年末の仕事を片づけて)、みなさんと楽しく呑んで食べられるひとときを心待ちにしていま~す。


ニュージーランドツアー無事終了!

2006-12-13 11:55:29 | 巨樹の旅
Img_0812 昨日、今年2回目の「世界の巨樹を見に行く会」海外ツアーから戻りました。今回は4~12日の約9日間でニュージーランドの北島と南島を巡る旅でした。

北島では、ニュージーランド最大の巨木カウリを見学し、南島では、世界一美しいといわれるミルフォード・サウンドとともに、ケプラー・トラックにある南極ブナの森を歩きました。右上は7番目に大きいカウリ「ヤカス」です。

Img_0790最大(体積)のカウリは幹周り13.8m、樹高51.5m、推定樹齢2000年。「タネ・マフタ(森の神)」と呼ばれているだけに大きくて、とても間近で木全体を写すことができないほど。

少し離れたところから撮影した右の写真をクリックして見ていただくと、その大きさがわかるかもしれません(右下に写っているのは金沢から参加してくださった北島さんご夫妻。これぐらい離れてやっと、木の上のほうが写るんです!)。

Img_0792今回もまたいい天気に恵まれ、森をゆっくりと楽しむことができました。食事もおいしくて、いつもみんなで笑ってばかりの旅でした(右はタネ・マフタの近くでスーパーで買ってきた食材でサンドイッチをつくって食べているところ)。

Img_0919南島ではまず南極ブナの森を歩いたのですが、クライトチャーチに住むガイドのアービーさんには、いままでいちばん森をリラックスしてエンジョイしながら歩くグループだと感心されてしまいました。こんなに植物に興味を持って、ゆっくり歩きながら、ずっと笑いながら歩く人たちはめずらしいのだそうです。

Img_0965そのうえ、南島では山頂まですっきり見渡せるほどの晴天でした。これにもガイドさんは驚いていました。いつもそうなのですが、どんなに雨が多い地域でも私たちが行くと「こんなに晴れたことはない」といわれてしまうほど。今回もかなりのラッキーでした。晴れ女晴れ男のみなさんのおかげですね。ありがとうございま~す。

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Img_0948夜の食事も毎晩、町のレストランにみんなで出かけました。これは南島のステーキハウスでの1コマ。おいしいワインを選んでくれる岩田さんのおかげで食事の味もアップしましたよ~。

あちらでは来年のツアーについてもみんなで話していました。7月のドイツツアーのほかにも台湾の巨木ツアーや、中国、コスタリカなどの候補が上がりました。
国内ツアーを案内してくださる金沢の濱野先生とは10月に富山の巨木・紅葉ツアー2泊3日をする約束を。4月には諏訪大社の歴史と周辺の巨木と温泉の旅1泊2日をする予定になりました。
みなさん、どうぞ、よろしくお願いいたしま~す。

PS/東京近郊のみなさま、15日は喜多八さんの独演会、25日は築地・マグロのお店でぜひお会いしましょう!!