木のように生きよう!!

「世界の巨樹を見に行く会」で巨樹を訪ねるとともに、日本の写真が海外のアート市場で認められるように頑張っています……。

アンコール・ワットより古いの?

2006-12-04 12:42:30 | 取材日記
Img_0323じつは、今日から、『世界の巨樹を見に行く会』での今年2回目の海外ツアーでみなさんとニュージーランドに行きます。戻りは12日になるのですが、帰国したら、初夏のニュージーランドのきれいさに圧倒されてしまって、きっと、タイやカンボジアのことなんか、すっかり忘れてしまいそうなので、急いで、プログを書いています。

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Img_0334今回、カンボジアのアンコール遺跡に行く前に訪れたのは、タイ東北部にあるクメール遺跡。アンコール・ワットやアンコール・トムもクメール王朝時代の遺跡(10~12世紀に建築)なのですが、タイの遺跡はクメール王朝の遺跡のなかでも、アンコール遺跡よりも古い時代に建てられたものがほとんどでした。

Img_0365時代が新しくなるほど、アンコール遺跡のような精密な彫刻が施されていくのですが、それ以前には砂岩の石組み(アンコール遺跡と同じ石)だけの遺跡になっているのだそうです。

上から右までの写真は、ピマーイ遺跡というタイ東北部ではもっとも有名な寺院。これは10世紀後半、アンコール・ワット完成以前に建てられたともいわれていますが、彫刻が施され、大蛇神やライオンのいるテラスなどもあり、アンコール・ワットによく似ています。

Img_0366こちら(右の写真)は、タイのなかでももっとも保存状態がいい最大のクメール遺跡「パノムルン遺跡」。「パノムルン」とはクメール語で「大きな丘」。死火山の山頂に位置していて、長い参道の階段を登って行きます。10世紀前半、ピマーイ遺跡以前に建てられているので、彫刻はほとんどありませんが、あまり人のいない静かな山頂にある遺跡は寺院らしい神聖さが漂っていました。

Img_0314_1そして、右は9世紀前半に建てられたパノムワン遺跡です。1990年に発掘され、2001年に修復されたばかりですが、時代が古くなるほど、アンコール遺跡よりも素朴な感じになっているのがわかりますよね。


タイで最後に訪れたのは、カオプラビハーン遺跡です。
Img_0441じつはこの遺跡、入り口はタイなのですが、標高600mのカンボジア領ダンレック山頂にあるので、入るとすぐにカンボジアになります。
92年に一旦開放されたものの、ポルポト軍に占拠されて閉鎖。98年にようやく見学が可能になりました。

Img_0386ここはいまだに戦禍の跡が残り、崩れたままになっているところもあります。
長くて急な石段を登ると、巨大な大蛇神が横たわるこれまた長~い参道が続き、かつての栄華が感じられます。
遺跡の周囲には、「地雷に注意」の看板があり、そのせいで片足をなくした人などが露店を出したりもしていて、ポル・ポト時代の悲惨さに胸が痛む思いもしました。


Img_0437_1でも、延々と長い参道を登って、たどり着いた本殿は静かで、じっくりと遺跡を見て回れます。組まれた石には運ぶときに鉄の棒を通すために開けた穴がひとつひとつ見てとれ、100年も前の人々がこんな山頂まで、苦労してたくさんの重い砂岩を運んだことが忍ばれました。

山頂の本殿から見下ろすと、眼下には、広大なカンボジアの平原が緑に煙っていて、すがすがしい気分にもなりました。飲み物や土産物の露店を出している若いカンボジア女性のラジカセからは、カンボジアで流行しているラブソングが流れていて、いまのこの国の平和もまたとても強く感じられました。

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というわけで、なんとか出発前に、先月の取材で訪れたタイの遺跡のご報告だけはできたかな?
まだ、カンボジアの遺跡で3月のツアーとは別の遺跡で、スポアンの巨木を発見したことなど書きたいのですが、12日に帰ってきて、すっかり頭がニュージーランド・モードになっていたら、ごめんなさ~い!!
では、行ってきま~す、ね。