老麗・美しく老いる

「美しく老いる」を余生の目標として、そのあり方を探る。

林忠彦と『薔薇祭』

2008-12-18 22:44:58 | Weblog
日本テレビの
「おもいっきイイテレビ」を観ていた時の事だ。
「きょうは何の日」のコーナーで
「1990年12月8日は写真家・林忠彦が亡くなった日」
という言葉に、私は、一瞬、聞き耳を立てた。

林忠彦は、
「人物写真の林」と言われたほど、
戦後の日本を彩ったさまざまな人物の写真を撮ることで、
時代を見つめ続けた有名な写真家だ。

私の短歌の師・
大野誠夫の処女歌集に『薔薇祭』がある。
戦後風俗を詠って一躍大野を有名にした歌集だ。
その歌集の表紙や三枚の口絵写真が
すべて林忠彦の写真なのだ。

旧参謀本部の男女、
上野駅地下道の親子、
有楽町ガード下に立つパンパン、
大森駅前で七輪の火を起こしているバーの女将。

戦後、
写真を四枚も使った贅沢な歌集でも話題になったが、
その写真が林忠彦のものである事でも注目された。

林を紹介する場面で、
その中の女将の写真が映されたので、
咄嗟に、妻に画面を注目させようとしたが、
「あっ、そう」とあしらわれた。