老麗・美しく老いる

「美しく老いる」を余生の目標として、そのあり方を探る。

NO.529くつろぐ時間

2009-06-14 07:08:36 | Weblog
街のあちこちに櫓が見え、
100度の温泉を激しく噴き上げている光景は壮観だ。
湯煙と硫黄の臭いを街中に漂わせているのも
温泉情緒たっぷりである。

お湯かけ弁天様の傍の噴泉櫓では、
湯の花が分厚い板を形成していた。
無料の足湯もあり、
笑顔の美しい女性たちが幾人も使っていた。

11日伊豆熱川温泉へ行った。
新装なった熱川駅から海辺に降りた所に
太田道灌の銅像がある。
何故こんな所にあるのかと不思議に思って
傍らの掲示板を見ると

「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞかなしき」

という、太田道灌の山吹伝説から説き起こして、
その道灌が怪我をいやす猿の湯浴みを見て
発見したのが熱川温泉なのだ、
という。

ホテルの部屋は、901号室。
大島、利島が眼前に横たわる最高の眺望だ。

翌朝4時半。
東の海上に棚引く雲が真っ赤に輝く。
やがてお天道様が雲の上に現れる。
その荘厳さに思わず両手を合わせて、
拝礼する。

ここは、
波音の中に朝日が生まれ出る街だ。
旅は、時間までが、くつろいでいる。