鬼のように強い照ノ富士も大苦戦…内容で圧倒した高安は自信を持つべき【北の富士コラム】
2021年5月18日 05時00分 中スポ 東京中日スポーツ
9日目注目の一番は照ノ富士と高安の一番。照ノ富士は相当、高安が苦手と見え、前場所までは4連敗。今場所の照ノ富士は絶好調だけに、合口の悪さも今場所ばかりは当たるまいと見ていたが、やはり大苦戦となってしまった。
いつもは踏み込んで体をぶつける立ち合いを見せている照ノ富士が、頭を下げて左を差しにいく。左は差すより、上手を取りに出るのが照ノ富士の常とう手段なのだが、なぜかもろ差しにこだわる。反対に高安は猛然と突っ張って照ノ富士を攻め立てる。照ノ富士は防戦一方で頭を下げてひたすら守りに徹するのみ。
8日目までの鬼のように強い照ノ富士とは大違いで、大きな照ノ富士が急に小さく見えてしまうのだから不思議なものだ。高安は体が良く動いて次々と攻撃の手を緩めない。機を見て左からいなし、相手が体勢を崩すところを喜び勇んで押し込んだ。
照ノ富士は絶体絶命になったが、懸命に左から突き落としに出る。照ノ富士は土俵を飛び出したが、高安も足が出ずにバランスを崩して左手をついた。軍配はサッと迷うことなく照ノ富士。すかさず物言いが付く。協議の結果は照ノ富士の勝ち。薄氷を踏んだが、辛うじて勝ちを拾った照ノ富士は、全勝を死守し大きく優勝に前進することになった。
貴景勝が2敗となり、私の恐れていた照ノ富士が早くも独走状態となってきた。高安は気力も十分で、持てる力を出し尽くし、もう一歩まで大敵を追い詰めたが、もう半歩足らなかった。実に惜しい星を落としたのは残念だが、相撲内容は照ノ富士を圧倒していただけに大いに自信を持つべきだろう。少なくとも高安は強いと思わせたのは大きな収穫だ。
それでは次に弱い大関の話題に移ります。正代は21歳豊昇龍の挑戦を受けた。体は大人と子供ぐらいの違いがある。捕まえてしまえば大関のものと誰もが思う。立ち合いからすんなり正代が左四つに捕まえる。この体勢では正代が負けるわけがないと思った瞬間、豊昇龍の右足が蛇のように正代の左足に絡まる。意表を突かれた正代がこの奇襲に尻から崩れ落ちてしまった。
8日目は朝乃山を内掛けで破り、この日は外掛け。連日の大関戦で異才ぶりを発揮した。いよいよ面白い存在となってきた豊昇龍。上位にとって最も警戒を要する力士になるのは確実である。
貴景勝もこの日の相撲は気の抜けたような相撲だった。最後まで力を尽くすのが貴景勝の取りえだったのに、少しがっかりさせられた。朝乃山は何とか勝ったが、攻められっぱなし、まるでやる気が感じられない。
照ノ富士以外の大関は全員責任を果たせていないのは、実に残念なことである。特に正代と朝乃山は一度大関を落ちて苦労した方がいいと思う。今のままだと協会のためにも本人たちのためにもならない。この不名誉な3大関が照ノ富士を倒すしかないだろう。悔しかったら根性を見せてみろ。根性を!
頭にきて腹の虫が治まらない。くそ!今夜は茶漬けでもカッ込んで寝てしまおう。(元横綱)
◎上記事は[中スポ]からの転載・引用です
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〈来栖の独白2021.5.18 Tues〉
楽しみにしていた一番だった。両力士とも実に充実している。もちろん天性のものもあるのだろうが、皆、人間。両者とも、家庭(私生活)も充実しているのだろう。確か、照ノ富士は3年ほど前、結婚。髙安は昨年、結婚とか。有難い。お陰で、私のような者にまで福が及び(!)土俵を楽しめます。応援しています。
余談を一つ。この日も、砂被り席に「あの女性」はいた。
パパになった高安「世の中のお母さんはすごいな」「まだまだ引退できないな」
2021/2/20(土) 20:08配信 デイリースポーツ
大相撲の元大関で小結高安(30)=田子ノ浦=が20日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まった合同稽古に参加し、関取衆との申し合いで14勝1敗と気を吐いた。
昨年7月に結婚した演歌歌手の杜このみ夫人(31)との間に待望の第一子となる長女が誕生したことが19日に明かされた。「今まで何となく考えていたんですけど、実際に出産を身近に感じて、本当に世の中のお母さんはすごいなって心から思いました。もちろん、妻も長い間辛抱して頑張ってくれたので、本当に尊敬できました。感謝の気持ちでいっぱいですね」と、愛妻を心からねぎらった。
3780グラムの女の子。「大きく生まれましたね」と高安。夫人は北海道に里帰り出産しており、妻子ともまだ会えていないが、「電話で産声も聞けましたし、顔も見られましたので、今は早く会いたいなという気持ちでいっぱいですね。見た感じ自分に似ていると思います。夫婦のお互いのいいところはあると思います」と、対面が待ち遠しい。
腰痛などがあり昨年初場所で大関を陥落。結婚後、夫人の食事面などのサポートがあり、復調した。昨年11月場所で三役復帰となる小結に昇進し、先場所も9勝6敗と勝ち越し。新たに家族も増え、大関返り咲きへ発奮材料になる。
「まだまだ引退できないなという気持ちも強くなりましたし、本当に家族のためにですね、精いっぱいベストを尽くしたいという気持ちが強くなりました。やはり1番はですね、子供にとっても家族にとっても自慢のお父さんだと言われるように、しっかり頑張っている姿を見せたいですね。やはり上を目指して、辛抱して頑張りたいと思います」と、パパは誓った。
春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)後にもまな娘に会える見通し。「それを励みにですね、頑張りたいですね。名前はちょっと、今のところ。相談して」と夫婦で話し合っていく。
最終更新:2/20(土) 20:35 デイリースポーツ
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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* 照ノ富士、都内で挙式 復活は「奧さんのおかげ」 2021.02.11