『在り処（ありか）』

私はすぐにあなたを見つけ出すことが出来る
常にあなたはここにいるから

今ここにあるから
‘ありがとう’の中にあなたはいる

このことが分かるまで
私はどれほどの時間を使い　自分を苦しめ
どれほどの涙を溢したのだろう

すべてはここにあった
ただそれだけを知るために

それは、この瞬間瞬間に必ず存在する
常にいつも充ち満ちている

・・ありがとう・・ありがとう・・ありがとう・・


■いろんなことを体験した私は、いろんなものに感謝出来るようになって行きました。
でも、究極のところの『神様』や『完全で円満なそして平和で穏やかな世界』を見出すことは、まだ出来ずにいました。
あちらこちらにそれを探し求め、断片的に感謝は出来ても、『神様の完全で円満なそして平和で穏やかな世界』には程遠い、そうとは見えない目の前の様々な現象に、心は右往左往と揺れ動いていました。

ある日の夜、私は求めるその世界の在り処をやっと見つけることが出来たのです。

究極の世界を外に求め、疲れ切っていた私は、何故だか無性に星を眺めたくなり、今にも雨が降り出しそうな空模様だと知りつつも、その夜ベランダに出ました。
あいにくの曇り空に星など見つかるはずはないと思いながら、それでも私は「神様、星が見られますように」と祈りを込め空を見上げました。
すると、不意打ちを食らうようにその光は私の目の中に飛び込んできました。
なんとたった一つだけ、そこには星の輝やきがあったのです。
どこを探し回るでもなく、空を見上げたすぐそこにその光はありました。
私は「神様、ありがとう」と言って泣き崩れました。
どこか遠くを探し回らずとも、今ここにあった！
‘ありがとう’のその中に神様はいた！

その時、私は理解したのです。
求めていた世界もすでに今ここにあり、瞬間瞬間に必ず存在しているということ。
美しい花を見て『美しい』と感じるのは、初めから自分の中に『美しい』心があるからで、『完全で円満なそして平和で穏やかな世界』を知っているのは、元々『完全で円満なそして平和で穏やかな世界』が私の中にあるということ。
そして、それは常に満ち続けている感謝の言葉の中に集約されているということを。