今日は気持ちいい、さわやかな朝でした。通勤途中、風が吹いてきて、道端の草花を揺らします。風は私の手を一回りして、吹き抜けていきました。まるで風と手をつないだような感触。春の風は頬に感じ、夏の風は額に感じるといった感じで、掌に感じる風というのは秋ならではなのかなと思いました。
そこで思い出した句は
間違へて秋風と手をつなぎゐし 後藤比奈夫
亡き妻と手をつないでいると錯覚したが、それは秋風が手 . . . 本文を読む
夏の句の習作です。
憂き想ひひめじよおんの三四本
仕事のことで憂鬱な気分になったときの作。風に揺れているヒメジョオンを見て、「所詮は道端の雑草みたいな気持ちだぜ」と思ったら気が楽になりました。
夏鴉ごみをあさりて嗤ひけり
出勤途中、道端の家庭ゴミを鴉どもが食い散らかしておりました。傍若無人で人間が近づいても逃げません。やつらこちらを見て、ニッと嗤ったような気がしました。嗤う姿はアメリカのア . . . 本文を読む
四月の習作集
風一陣鶯勁く鳴きにけり
花蘂に億万の雨とどまりぬ
小雪舞う午後のまぼろし雪柳
苔むして満開の桜枝わずか
庭先のブロッコリー咲く日曜日
山笑いこちらに貌を近づける
隠れたる頂きの家山笑う
ふぶかずにひそと散りにし桜かな
やわらかし楓若葉に光さす
雨やみぬコニファーの先黄金かな
山笑う寺院の屋根の反射光
春爛漫犬横たわる土ぬくし
手と足と伐られし古木の孤独かな
汗ひんやり真夜中の帰路風 . . . 本文を読む
以前も書きましたが、最近俳句がMy Boomで、ライブドアのハイクブログに投句しています。
まったくの独学ではありますが、アンチョコは藤田湘子氏の「20週俳句入門―第一作のつくり方から」で、ここに書かれたことに忠実に、基礎を勉強するというスタンスでやってます。
同書に書かれていたことでありますが、
①切れを大事にする
②季語を正しく使う。
③韻文としてのたたずまい
この3点を意識して習作を重 . . . 本文を読む
存在と時間とジンと晩夏光 角川春樹
ある本を読んでいて、この句が目に飛び込んできてグッと来てしまいました。
「存在と時間」という言葉はそれだけではすでに新鮮味のないものです。それが「晩夏光」と化合することで、そして「ジン」が触媒として働くことで、この十七文字は過激なものへと変貌し、目の当たりにした私を昏倒させました。
酒はGORDONのDRY GIN。少年はある作家が言った「GORDONを . . . 本文を読む
をりとりてはらりとおもきすすきかな 蛇笏
俳句関係の入門書を読んでいたらこの句が紹介されていました。
読んだ瞬間心臓がドクンと。未経験の感動を覚えました。内容的にはすすきを折ったら思いのほか重みを感じたと、それだけのことですが、とても新鮮な何かを感じました。
①すべてひらがなの表記、特に「をりとりて」という表記の面白さ
②ら行の反復による前半のリズムと「おもき」、「すすき」のリズムの妙
③風に . . . 本文を読む