梶の「趣楽独言」

陶芸・家庭菜園・ダンス・碁・蕎麦打ちなど趣味三昧に生きる老人の独り言

マネーゲーム(2)

2008年07月14日 | マネーゲーム
 数年前のモリエモン問題もそうですが、最近の世の中はお金を儲ける事が全てのような風潮があります。お金を儲ける為には何をしてもよい、自分だけよければよいと云う風潮です。しかし、私達はこの狭い地球で共同生活をしているのです。自分だけがよいと云う事は何時かブーメランのようにして自分に影響を与えるのです。1965年に私達が大学を卒業した時にはまだ、日本は貧しかったですが、何か自分が行わなければならない夢が有りました。それはお金では無く、技術者として自分がこの社会の為に実現したい夢でした。また、当時会社は顧客、株主、従業員がお互いに潤うこと、社会に貢献する事を目的に経営されている企業が多かったです。社是にその様なことを書き、その事を社員に教育していました。
 しかし、最近の欧米の会社では会社に利益がでるとCEOが多額の報酬を得ています。また、投資ファンドは多額な配当を要求します。そこでは大多数の従業員にその成果は反映されません。短期間に利益を上げ、多くの報酬を得、後はその会社にペンペン草が生えてもかまわないような経営です。日本の会社もグローバル化に伴い、外国人の投資ファンドの株主も多くなり、高利益、高株価を目指す会社が多くなっているのではと思います。これに新興国の低賃金が絡み、最近の派遣労働者問題、格差問題の原因になっているのではと思います。グローバル化の負の部分が最近は現れています。再度日本でも昔の良い伝統を取り戻す時ではと思いますが。数年前に国家の品格と云う本がブームになりましたが、企業経営者の方もグローバルスタンダードに対する疑問を感じ、日本的な経営のよい点を復活させようと思っている方も多いのではと思いますが。
 一方お金は高利回りを求めて、投資ファンドなどに流れて行きます。当然高利回りを追求するので、モラルなど有りません。勝てば官軍です。反対にリスクも多いです。サブプライムのようにその仕組みが分かると誰が考えてもおかしな商品を投資家が買うからといって怪しげな抵当権の物まで売りました。格付け会社のモラルも如何わしいでした。ある投資銀行のように自分はその商品の空売りをしていて、顧客には儲かるからと売るのです。そこにはモラルは有りません。自分だけが儲かればよいのです。
 今重要なことは資金を投資する側がモラルを持つ事ではと思います。また、金融機関に対し、最近撤廃した規制解除を元に戻すことです。投資銀行、投資ファンドに対する高いレバレッジの融資を規制する事です。また、投資ファンドに対する投資資金の出所の情報や投資先を公開させる事です。これらの情報を監視し、異常な投資ファンドに対しての投資を抑える事です。7月10日の日経新聞にはWTI先物市場に対する年金資金など投資マネーの流入は6月12日に直近のピークをつけた後、200億ドルが流失したと書かれています。
 世界の富は一部の人々に集中しています。その集中度は近年増す増す強まっています。欧米でも日本でも中産階級が減少しています。しかし、この状況が進めば今後消費に影響します。一方低開発国の所得を如何に上げるかの問題もあります。産業構造の再配置を考えながら、混乱を乗り越える試みが続けられる時代と思います。

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