梶の「趣楽独言」

陶芸・家庭菜園・ダンス・碁・蕎麦打ちなど趣味三昧に生きる老人の独り言

マネーゲーム(6)

2008年10月29日 | マネーゲーム
 先週からの株価の暴落は激しいものでした。10月20日のブログで書きましたが、ヘッジファンドの解約に備えた換金売りが最大の原因で、値段に関係なく、ファンドが持っている株や石油などの商品を売りました。この動きは今年末の解約に向け、まだ暫く続きます。この株価の下落により、機関投資家などがロスカットを行い、パニック的に持っている株を売ったのです。先週末からは今まで日本は今回の金融混乱に対しては余り影響がないと思われていましたが、日本の株価の下落により、時価会計で縛られている企業、自己資本比率で制約されている金融機関の増資計画による資本劣化が加わり、また、低金利の円を借り、高金利の通貨を買う事の解消による円高も影響し、それを材料にパニック的に売られました。
 私は昭和30年代の学生時代から株を行っています。今までに株の暴落は、ケネディショック、ニクソンショック、90年代から2003年までの暴落などとここ50年間で色々と経験してきました。特に2003年の株価の暴落は一番辛い時でした。常に株の暴落に絶える株式投資でした。このような経験から私の投資方法は常に長期投資を心がけてきました。これがこれらの色々なショックを乗り越える原動力になったと思います。
 私は若い時から株を行っていましたので、株価が上がり、株式ブームになりますと、よくどのような株が儲かるか教えてと聞かれました。その時に初め、「株で儲けて遊びに使うつもりならば株を買わない方がよいですよ。株で儲けたお金は家を買うなど自分の別の資産に変える為に使うならよいですが、儲けた金を遊びに使っては、暴落が起こった時に耐えられませんよ。暴落は周期的に来ますので常にそれに備えなければなりませんよ。」と話しました。欲で株を行うのは危険です。
 私の株の買い方は長期投資です。この会社が数年後には良くなると思いますと、初めは最小単位でその株に投資し、ある間隔で、株価が下がれば最小単位の株で難平買いをし買値を下げます。株価が下がれば損したと思うのではなく安く買えたと喜ぶのです。その心境にならなければ株式投資は行わない方がよいです。このような投資を場合によっては数年間続けます。当然平均買値は安くなり株数も増えています。この場合は倒産しないような会社を選ぶ事が重要です。当然その業界のトップ企業に近い会社になります。その株が上がりますと、別の銘柄を選び、乗り換えます。このような投資方法でしたので、1990年代の長い株価の下降の時代でも生き残れたと思います。
 今回の株価の暴落は私の今までの経験からは絶好の長期投資のチャンスの時期と思えます。しかし、短期的にはまだ株価が底値を打ったとは思いません。しかし、今の株価はPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)からは見ますと長期的な投資視点からは投資時期に達していると思われます。

 私の大好きな株の格言は
   「野も山もみな一面の弱気なら、あほうになって買いのタネまけ 」
夜明け前は一番暗いです。しかし、必ず、夜は明けます。種を蒔き夜明けを待ちます。今回の暴落は大きく、株価も歴史的な値下がりです。安値を買わず、底を打って、トレンドに変化が出てから買い出しても遅くはないと思います。常に世界の動きを監視し、変化を捉える事が重要です。

 28日のロンドン銀行間市場では、ドル建て金利が低下。3カ月物金利は12営業日連続で下げました。欧州の中央銀行による金融市場への資金供給で市中銀行間市場の凍結が緩和されつつある兆候が現れてきました。

 米著名投資家ジョージ・ソロス氏は28日、世界金融危機により、ヘッジファンド業界が現在のわずか3分の1の規模に縮小するとの見通しを示しました。同氏はケンブリッジ(米マサチューセッツ州)での講演で「ヘッジファンド業界は淘汰(とうた)の時期を進み、現在の規模の半分から3分の2が失われると予想する」と述べました。

 ヘッジファンドの淘汰は進んでいます。レバレッジを効かせた投機のマネーゲームの時代は終焉に向っています。しかし、この為の影響は甚大でした。これからは虚業の時代から実業の時代になります。物作りに強い日本が世界をリードする時代が来ることを期待します。

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