
私は日本音楽療法学会の正会員として長く所属しております。
今日は 関東支部の講習会が日本福祉専門学校高田校舎で開催され、出席しました。


テーマは「マインドフルネス、スピリチュアルテイと音楽療法」、講師は東邦音楽大学准教授の二俣泉先生。

以下今回配布された二俣先生による資料によると、
マインドフルネスとは?
インドの古代言語パーリ語の「サテイ」という語の英訳。仏教の瞑想の実践における重要な概念のひとつ。
ジョンカバットジンが瞑想法を取り入れた心理的健康のためのの訓練法である
マインドフルネス・ストレス低減法(Mindfulness Based Stress Reduction:MBSR)
を1970年代末に開発。
カバットジンは分子生物学者だったが、自分の精神的危機に際してヨガや禅を試みるうち、
瞑想法の有効性を広く伝えて心理的健康に役立てようと、このアプローチを発展させた。
彼は、マサチューセッツ大学医学部に創設された「ストレス低減クリニック」で慢性疼痛に悩む患者にMBSRを実施し研究を進めていく。
その後、心理療法の様々なアプローチの中の「行動療法」においてマインドフルネスが取り入れられ、さらに研究と普及が進んだ。
との事です。

マインドフルネスとは,
いい事悪い事、すべてのものを許容する。
幸福=今を生きている事。
過去、未来ではなく、「今」を生きる。
過去こういう事があったとか、未来への不安という気持ちがあると
「今」が押しつぶされてしまう。
だから「今」にとどまり続ける。
人は何かを「知覚」した時、「評価」する。
苦痛=苦悩ではない。苦痛がある事によって「苦悩」と評価してしまう。
つらい事実➞すべてがいやだ
➞死んでしまいたい
「すべてがいやだ」「死んでしまいたい」は自分で作り出しているもの。
「つらい事実」は変えられない。だから➞の結びつきを断ち切る
次に、
「マインドフルネスと音楽・音楽療法との関連」というテーマになり、
クラシック音楽を目をつぶり聴きながら、注意を向ける対象を音楽、身体、思考・感情・・・と変化させていく練習法のワークを受けました。
神経症・心身症は、心身の「誤った緊張」と症状への「とらわれ」から生じると考えられています。
でも症状そのものの除去を目的とせず、「誤った緊張を良い状態に調整する能力」、「ものごとにとらわれない心的態度」を身につけることを目的とした訓練です。
また、ビートルズの「LetItBe」をかけ、先生曰く、「この曲はマインドフルネスそのものだ」、と言っていたのが非常に面白かったです。直訳すると「あるがままに」。
なるほど、歌詞の内容もすべてを許容するというマインドフルネスそのものではありませんか!
ビートルズはすごい!
非常に興味深く、今後の音楽活動や音楽療法士を目指す上で大変役立つ講習会でした。
今年は講習会を「忙しい事」を言い訳せずに、極力出席しようと思っています。
二俣先生はクリスチャンの方ですが、仏教の叡智は自分のキリスト教信仰にも良い影響があると感じているそうです。
音楽家、音楽療法士は宗教的な「考え方」を知る事は避けられないし学ぶべきだ。
「健康」にかかわる専門職は色々あるが、「美」を専門的に使えるのは音楽療法士だけなのだ。今後の音楽療法士は「美」を用いて「喪失・死の受容・肯定・感謝へと至る」ための介入に取り組んでいくべきだ。という考え方には大いに共感し、感動しました。
4月22日(火)私は靖國神社で奉納演奏します。
その前にこのような重要な講義を受ける事が出来て本当に良かったです。

(1)自分にとって「美しい」と思うもの、を思いつくままに書いてみて下さい。
そして、それは何で美しいと思ったのですか?
(2)目をつぶり、(静かに音楽を聴きながら) お母さんに
してもらった事
して返した事
迷惑をかけた事
を思い出してみて下さい。
してもらったもののイメージ
大きさは?
色は?
温度は?
香りは?
今自分のこころのどこにありますか?