海住恒幸の松阪市議会通信 

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松阪駅西再開発テーマにフォーラム

2007年05月21日 08時55分02秒 | 自治体
市民と都市づくりの専門家が松阪市に開催を呼び掛け、松阪市が主催した「まちづくりフォーラム」が、20日午後、市産業振興センターで開催されました。
実質上のテーマは松阪駅西地区再開発。この問題で下村猛市長が直接市民の前で考えを表明するのは初めて。
市民からの強い働き掛けで、市街地再開発事業の専門家、横島毅氏が、下村市長に、フォーラム開催の必要性を説き、横島氏や市長、市民もパネリストとして参加するかたちでの意見交換が実現しました。
初めに講演したのは、『街づくりの変革』『街は要る』などの著書がある都市プランナー、簑原敬氏。

簑原氏は、駅前に高層マンションとショッピングセンターを据えて失敗した再開発の事例を挙げながら、「再開発は周囲の風景や、街のスケールを考えながら取り組むべき」と強調。
「街には街相応のスケールがある」として、銀座に計画された超高層ビルの建築を断念した事例なども紹介しました。
また、「人の居場所としての街」をつくることが大切だとして、「だれが、どういう手続きで、どういう思い入れを持ってやるのか」「周りの風景とはマッチするのか」を基準に、プロセスを大事にしたまちづくりの必要性を述べました。

このあと、簑原氏をコーディネーターに、市長、大島憲明氏(市街地再開発準備組合代表・都市問題経営研究所)、市民代表として世古潤壱良(じゅんいちろう)氏、横島氏が参加するパネルディスカッションが行われました。

世古氏は「再開発には賛成だが、この事業には問題が多すぎる。大幅に見直すべき」などと述べ、駅前の24階建て高さ78メートルのマンションを12階建ての2棟にし、場所もずらすことなどを提案しました。

下村市長は、「3月議会でフレームづくりの理解は得られた。が、内容についてはこれから。だからといって、どうにでも変わるのかというとそうでない。事業が成立するという枠の中で進めたい。中心市街地活性化法の認定基本計画の中に位置づけることが一番大事」と、3月の市議会当時よりも柔軟な姿勢を見せました。

市街地再開発準備組合の大島氏も「建物の配置や景観について指摘を受けた。できること、できないことはある。しかし、準備組合だけ、市だけで進めるのではないのだから、こういう討論会を通し、プロセスを大切に考えていきたい」と述べました。

市長は重ねての発言で「フレームづくり(国への申請のためのフレーム)は出来た。内容の議論は今後あり得る。配置は今後考える可能性がある」としました。

コーディネーターの簑原氏は、「にぎわいをつくるには風景が要る。楽しさが要る。しかし、現在進められている計画の内容を知ると、歩きにくい(歩く楽しさがない)。風景として何でマンションが一番こっち(駅前)なんだ。だれが考えても疑問に思う」と、締めくくりました。

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