「おくりびと」まだ観ていないんですけど…… 受賞の影響で大盛況みたいですね。
実は3年前のちょうど今頃、父をおくりました。自分はちゃんと父をおくることができたのかな…… と、少し反省しています。
実家から離れていたのでしかたないのですが、最後の瞬間を見届けることはできませんでした。というか、病院に見舞いに行って、もう少しもちこたえるかな、と自宅(アパート)に戻った日の翌日の夜、亡くなったのです。ぼくの自宅から病院のある場所までは約4時間以上かかります。ぼくが着いたときには、もう「おくられる」準備がほとんどできてました。
死因は胃がんでした。前年から入退院をくり返し、母はだいぶ苦労したようです。特に、がんの悪化に伴い、いわゆる「痴呆」の症状が出て、夜中に暴れることもあったそうです。ぼくが付き添ったときには、それほどひどくありませんでしたが。点滴を自分ではずしてしまったり、看護婦さんの言うことをきかなかったり、母に怒鳴ってみたり。暴れないように、ベッドの枠にタオルで腕を縛りつけたこともありました。下の世話も大変です。自分ではトイレに行けないので、オムツの交換を何度もやりました。やせ細っていく父の身体の中で唯一、口のまわりの白髪のヒゲだけはきちんと伸びてたのが印象に残ってます。ヒゲって、死ぬ直前まで伸びるんだ…… と不思議に感じました。
棺に入る前までに、当然ヒゲはきれいに剃ってありました(笑)。本を読むことくらいしか楽しみがなかったので、本を何冊か入れてあげました。「文藝春秋」だったかな? なぜか涙は出ませんでした。昔、飼い犬が死んだときは号泣したんですけど(笑)。自分でも意外なほど、淡々としていたような気がします。父には申し訳ないけど、これでやっと母が楽になるなと思いました。
あの世で好きな本でも読みながら、見守ってくれていればいいのですが。
実は3年前のちょうど今頃、父をおくりました。自分はちゃんと父をおくることができたのかな…… と、少し反省しています。
実家から離れていたのでしかたないのですが、最後の瞬間を見届けることはできませんでした。というか、病院に見舞いに行って、もう少しもちこたえるかな、と自宅(アパート)に戻った日の翌日の夜、亡くなったのです。ぼくの自宅から病院のある場所までは約4時間以上かかります。ぼくが着いたときには、もう「おくられる」準備がほとんどできてました。
死因は胃がんでした。前年から入退院をくり返し、母はだいぶ苦労したようです。特に、がんの悪化に伴い、いわゆる「痴呆」の症状が出て、夜中に暴れることもあったそうです。ぼくが付き添ったときには、それほどひどくありませんでしたが。点滴を自分ではずしてしまったり、看護婦さんの言うことをきかなかったり、母に怒鳴ってみたり。暴れないように、ベッドの枠にタオルで腕を縛りつけたこともありました。下の世話も大変です。自分ではトイレに行けないので、オムツの交換を何度もやりました。やせ細っていく父の身体の中で唯一、口のまわりの白髪のヒゲだけはきちんと伸びてたのが印象に残ってます。ヒゲって、死ぬ直前まで伸びるんだ…… と不思議に感じました。
棺に入る前までに、当然ヒゲはきれいに剃ってありました(笑)。本を読むことくらいしか楽しみがなかったので、本を何冊か入れてあげました。「文藝春秋」だったかな? なぜか涙は出ませんでした。昔、飼い犬が死んだときは号泣したんですけど(笑)。自分でも意外なほど、淡々としていたような気がします。父には申し訳ないけど、これでやっと母が楽になるなと思いました。
あの世で好きな本でも読みながら、見守ってくれていればいいのですが。